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『果たして、本当に呆気ないものだったのかしら…。私は……そうは感じなかったわ』



『年に一度しか降らない。空中に舞っている時に、輝いていて…落ちると共に姿を決してしまう…。私にとっては、呆気ないよりも……穿かなく感じるわ』



急に、哀しいことをいうサヨの言葉を耳にし、また空を見上げた。



「サヨのいう通りかもね。…私もわかるわ、サヨの気持ちが…。なんでかな…」


『同じ、人間だったからじゃないかしら?』


サヨは少し、声のトーンを落としていった。


「人間…だっ…た…?」

『そう。私は、自分がどういう人間だったか、どうなったか、全部…記憶にあるわ』

「それは…哀しいこと?」

『そうね。その人、次第だわ。私は…哀しい…過去があるから忘れてしまいたかった』


「そう…なんだ。でも、私は記憶が…残ってほしい。記憶が失くなるって、哀しいことだと思うわ。それに、きっと、私はその時、後悔すると思うから…」



『………』



「サエ?また、独り言?」

「え、あ、うん」

「もう、中に入ろう?」


友人は、校舎へと向かっている。



「私…もうちょっと、ここにいたいわ。先に入っててくれない?」

軽く笑い、また空を見上げる。


「うん、別に良いけど」


そういうと、学校の中へと姿を消した。




―――――ボフ。


真っ白な雪の中へ、体を倒した。


「サヨ…?」

『ん?』




「ううん、なんでもなぁ〜いっ!!」


私は雪に包まれながら、くすくすと笑った。


サヨ…本当はね。

私達、友達だよね?って、聞こうと思ってたんだけど…いいや。

今、楽しくて、幸せだから。

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