1;声
コメディーじゃないかもしれませんが、読んでくださると幸いです。笑
白い天井。
白い壁。
白いベッド。
私はその、ベッドに横になってたらしい。
だって、目の前には…ママの顔があったもの。
私の頬には、大粒の涙が落ちてきた…ママの涙。
ママは私の顔を覗き込み、目を大きくした。
「…マ…マ…?」
途切れ声で母を呼ぶ。
「先生っ!!砂絵が…砂絵が…」
ママは泣きながら、私の手を力強く握ってきた。
私…どうしたの?
何故、此処に?
家に帰るために、いつもの道を歩いていて。
友人と別れて。
たばこ屋さんのおばさんと話をして、角を曲がって…それから‐…それから…。どうしちゃったんだろう。
『…事故にあったんだ』
頭の奥から響いてくる声。低く、少し高めの口調。
深く頭に焼き尽く…。
…………What this is?
何この声は!?
事故?私が!?
頭の中で口づさんでも、声は返ってこなかった。
…そ、そういえば…そんな気もしないではないけど。
「マ…マ。私、どうしたの?此処は?」
母は私が話を始終わると、ハ、という表情をした。
そして、母は血相を変え、近くにいた意志の肩を揺さぶりながら
「先生、砂絵が…キ、キ、キオクソウシツに…!!」
私は何のことやらサッパリ意味がわからかった。
医師も私と同じように唖然とし、一息ついて言った。
「お、お母さん…おち、落ち着いてください」
いや、アンタが落ち着けよ、と思ったが口には出さなかった…。
何故かって?
それはね、私が仮にも医師に向かってそんな事 言ったら…ママのチョップで本当に記憶喪失になりかねないからさ。
医師は軽く、咳払いをすると話しに戻った。
「記憶喪失とはですね…記憶を忘れてしまうという事で、娘さんはお母様の名前等をお忘れになってない。と、いうことは記憶はある、と断言しても良さそうです。ですから、彼女…娘さんは………」
「先…生?」
「…………記憶喪失ではない、です。それと、明日には学校も行けますよ」
「は、はァ…」
と長い長い話が終わり、私も再び、寝ることにした。