第5話 昼下がりのリビングで
久しぶりの投稿です
ピンポーン
1階の方からインターホンの音が聞こえる
時刻は午後1時ちょい前
ちょうどご飯の時間で腹も空っぽの時間だし
学校はまだ午後の授業があるはずだ
となると十中八九セールスか何かの勧誘だろう
と、思って居留守を決め込もうとしたら
ドン、ドン、ドン
「遥輝くーーーん」
なんとも聞き慣れた声というか、どこか懐かしい声が聞こえてきた
仕方がなく扉を開けようと重たい腰を上げて階段を降りたら昨日玄関に置きっぱなしだったカバンに躓いてつんのめる
なんとかドアに手をついて耐えつつ、鍵を開けて顔を出す
すると、笑顔の美少女が立っていた
「なんか、すっごい音なっていたけど大丈夫そ?」
と彼女は心配しつつ、けらけらと笑う
「なんか先生から遥輝君の生存確認頼まれたんだけど、、その調子なら大丈夫そうだね」
いや、生存確認って、、
「いや、なんかすまんな、迷惑かけちゃって。ちょっと家上がっていく?お茶くらいなら出せるよ」
「えっと、、、」と頬を赤らめつつ白い箱を握った手を突き出す
手に持った箱にはつい最近行き始めたお店のロゴが入っていた
「持ってきちゃったから一緒に食べない?」
腹の虫がデュエットした
――――――――――――――――――――――――――――――
「「、、、」」
こういう時って何話せばいいんでしょうね
平日の昼間、なぜか無言でケーキを食べていた
別に空気が悪い訳では無いが、互いに緊張して声をかけられない状態だった
「ねぇ、、、」
唐突に声をかけられる
「遥輝君って音楽とかってやるの?」
視線の方向を辿るとリビングの壁に立てかけられたギターに向けられていた
「ああ、うちの学校に軽音部あるの知ってる?そこの部長やっt、、」
「軽音!!」
言い終わらないうちに目をきらきらさせながら食いついてきた
「軽音ってどんなの弾くの?」
「どんなのってもなぁ、流行りの曲とかかな?最近だとすずめさんの曲とか?」
「あー!なんかショートで流れてくるやつね!逆に遥輝君の好きな曲とかってある?」
「んー、好きな曲かー、あんまり有名じゃないけどすずめさんの最初の曲かな?」
「、、、、?知らないなー、どんな曲なの?」
「えっとね、ちょっとまってて、そのギターで弾いてあげるよ」
そう言いながらギターを取り出してチューナーに繋げる
部活で張り替えたばかりの弦を指で弾きながらチューニングするとアンプに差し替える
電源を入れて音を確認するとジャーンとちゃんと調律された音が返ってきた
チューニング後の試し弾きで上手く行った時が一番気持ちいい瞬間だったりする
「ごめん待たせた」
先程から温かい目というか少し目が弧を描いている顔でこちらを見てくる
そのせいで、なぜか緊張して1,2分のはずが10分位に感じた
「それで弾けるようになったの?」
興味深そうな声色にそうだよと軽く返す
こんなに軽音に興味があるなら今度誘ってみようかと思いつつ楽譜サイトでさらっとコードに目を通す
「じゃあ行くね」
駆け抜けるような疾走感
常にギターソロで時々アレンジも加えた
元音源に比べたら音の厚みがないが、俺が好きな部分を強調しながら弾いた
途中で転調して最後でAメロに戻る
疾走感から一転してしっとりとした曲調になって最後に勢いを取り戻す
これが聞いている人に感動感を与える
ジャッジャカジャーンとダウンストロークで決めると横から拍手が聞こえる
「すごいね!なんか惹き込まれちゃったよ!」
いつも通りすっごく興奮している気がする
っていうか、この人ずっとこのノリで疲れないのだろうか
そんなことを考えながら、ありがとうと返事をすると
「やっぱ最後の元のメロディーに戻るところいいね。なんか込み上げてくるのがあるよ」
そう言って微笑むと
「ねぇ!他にも弾ける曲ある?」
そう聞かれたらもう止まらない
どちらから言い出したかは分からないが、ギターをおいて一息ついたのはその30分後だった
時計はもう2時を過ぎていた
「やばっ!もうこんな時間!」
この時期だと6時を過ぎないと暗くなっていかないからまだ大丈夫だと思ったが、お店の手伝いをしなければいけないらしい
何でも自分が好きでやってることだから下手に手を抜きたくないらしい
「じゃあお店頑張ってね」
玄関を出て門のところまで見送りに行くと
「うん!ありがとう!今日は楽しかったよ!」
と屈託のない笑顔を返された
続けて、
「じゃあまた明日ね!」
そう言って走っていった
え?
あした?
明日は部活もあるし、そんな毎日会う間柄でもなくない???
混乱しつつ片付けようとギターを持って軽く弦を緩めて特に何も考えずにバチンバチンと、、、ん?
ふと手元を見るとなぜか右手にはペンチ、左手には真ん中辺りの弦が切られたギターを持っていた
総張替えコースだった
昨日やったのに、、、
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