『時間を旅する手紙』
17歳の高校生・蒼真は、放課後の図書館で1通の不思議な手紙を見つける。
差出人は“遥”という名の少女。手紙には、自分の名前が明記され、こう綴られていた。
「あなたにもう一度会いたい。ずっと待ってる」
そして、その日から蒼真は“見知らぬ町の夢”を見るようになる。
夢の中で出会ったのは、まさに手紙の差出人・遥。彼女は微笑みながら言った。
「やっと、来てくれたね」
二人は夢の中で再会を重ね、少しずつ心を通わせていく。
だが、遥の記憶は曖昧で、現実には彼女の存在が確認できない。
やがて蒼真は、彼女が10年前の事故で昏睡状態に陥り、今も眠り続けている少女であることを知る。
さらに、その事故の現場には、すでに亡くなった蒼真の兄の名前が刻まれていた。
兄の死、遥の眠り、そして10年越しに届いた手紙。
全ては一本の線でつながっていた――
遥はなぜ、夢の中で蒼真を呼び続けたのか?
手紙に込められた“本当の想い”とは?
そして、二人はもう一度、「現実の世界」で出会うことができるのか。
これは、時を超えて心をつなぐ、ひとつの奇跡の物語。
図書館の手紙
2025/06/23 17:22