第二十二章66 【アンサー・クリエイト/第10席戦4】66/【シェリア・プルスフィリア】対301名09
臨戦態勢を整えている【シェリア】だが、【チグランド・グローリー】も【フェイマス・グローリーチーム】の最高戦力の一角として黙ってやられる訳にはいかない。
彼女にも特別な力はあるのだ。
彼女もまた、地球とは別の場所で【覇王/オーバーロード】となるべく選ばれた者であった過去を持つ。
そのため、彼女も【想像】したものを具現化する力を持っているのだ。
【フェイマス・グローリー】の【三正妻】は全員、元【覇王/オーバーロード】の候補者達なのである。
なので、資質としては【シェリア】達と同等クラスなのである。
ろくでなしの【フェイマス・グローリー】よりもよっぽど実力があるのである。
【チグランド・グローリー】が元【覇王/オーバーロード】の候補者として作ったものは、31種類の【絶壁画】である。
【絶壁画】はあまり聞き慣れないものになるが、簡単に表現すれば、【山の絶壁】に架空の伝説や物語などを彫り描いた壁画の事である。
彼女は彼女の星での【覇王杯/オーバーロード・カップ】が開かれていた時、31の山脈に31の【絶壁画】を描きそれを評価されて、【覇王/オーバーロード】の候補者として選ばれたが、【シェリア】同様に【絶壁画】以外の作品を展開させた事で、規定違反があり、失格となっている過去を持っている。
ちなみに三正妻の他の2人も同じ様な事になっている。
【カイシー・グローリー】は、32の【海中博物館】を作り、【テンスカイ・グローリー】は33の【天空表現城】を作り、それぞれの星での【覇王/オーバーロード】の候補者として選ばれていて、同じように【海中博物館】以外、【天空表現城】以外の作品を展開させて失格となっている。
彼女達は素行が悪かったのだ。
そのため、いずれも【覇王/オーバーロード】の資格剥奪処分となっているが実力的には全員【覇王/オーバーロード】となっていても全くおかしくない実力者ばかりである。
【チグランド・グローリー】が得意とした作風は、【史実の改変伝説】である。
つまり、実際に起きていた事件や物事に尾ひれをつけて拡大解釈して再構築したストーリー展開をさせたものを作るのが得意だった。
それにより31作の【絶壁画】のいずれも【史実を拡大解釈して再構築させたストーリー】で作り上げた。
だが、彼女は【覇王杯/オーバーロード・カップ】の戦いの最中、目覚めてしまった。
元々あった事実に脚色するのでは無く、様々な史実を脚色したものをさらに組み合わせてコラージュさせて作ると言う楽しみに。
そこで、彼女は【絶壁画】ではなく、31種類の【絶壁彫刻】として作り直した。
【絶壁彫刻】とは【絶壁画】と同じく山の絶壁を利用して彫刻を彫る事だが、当然、【絶壁画】と同じく普通の人間には出来ない芸当である。
そして、登録されていたのが【絶壁画】の方であったため、彼女は失格となっている。
【チグランド・グローリー】は、31の【絶壁画】と31の【絶壁彫刻】の両方の作品を展開させて【シェリア】に挑もうとしていた。




