第二十二章57 【アンサー・クリエイト/第10席戦4】57/【ゴールド・フロイライン】対50名10
【ゴールド・フロイライン】と敵対している【フェイマス・グローリーチーム】も残り実力者10名を残すのみとなっている。
そして、その10名を前に彼女は早くも勝利宣言している。
自分の勝ちは揺るがないとして、それを有言実行で実現してみせる事で彼女は優位性を示したい様だ。
残った10名に残された意地を通すには、【ゴールド・フロイライン】の宣言通りには勝たせない事。
せめて、【ゴールド・フロイライン】の思惑とは外れた形での敗北をする事のみだった。
それが残った10名の
(舐められてたまるか)
と言う意思だった。
例え負けても【ゴールド・フロイライン】の思惑通りにだけは負けてやるものか。
それが、彼女達の最後の希望だったが、それさえも【ゴールド・フロイライン】の手のひらの上だった。
【負けて】も、思い通りには負けない。
つまり、【負け】は認めたと言う事だ。
【フェイマス・グローリーチーム】の残り10名も【ゴールド・フロイライン】もお互い、【ゴールド・フロイライン】の勝利だけは認めている。
そこで、【ゴールド・フロイライン】は今まで敵対していた者から奪った力の1つで、【全肯定の是】と言う力を使った。
【全肯定の是】とは、その場に居る者全員の中で反対する者が全く居ない場合、それを肯定させると言う力である。
つまり、残った全員が、【ゴールド・フロイライン】の勝利を確信した所でこの力を発動する事により、【ゴールド・フロイライン】が勝利すると言う条件が実現化したのである。
【フェイマス・グローリーチーム】の残った実力者10名は訳もわからず、いきなり倒れた。
倒された理由はわからない。
それが【全肯定の是】を発動させる条件だと気付く者は居ない。
【ゴールド・フロイライン】からしてもその力の解説をする筋合いは無い。
解らないなら解らないまま勝利する。
それが謎を好む、【ゴールド・フロイライン】と言う女性だった。
勝利した彼女は訳もわからず倒れている10名や取り逃していた実力者達にも触れ、宣言通り、実力者全員から根こそぎ、経験値と技術を奪い取った。
【ゴールド・フロイライン】は、
『悪く思うな。
これもお前達が私様と敵対した事の不幸だ。
不憫にも思うが、勝負は勝負。
宣言通り、お前達の技術は私様が根こそぎいただいた。
お前達の力は私様が有効に使わせてもらう。
【フェイマス・グローリー】の様な俗物のために使うより有効に使うから安心するが良い』
と勝利宣言したのだった。
こうして、【ゴールド・フロイライン】も50人抜きを達成したのである。
それも圧倒的な実力差、器の違いを見せつけてだ。




