第二十二章31 【アンサー・クリエイト/第10席戦4】31/【ブラック・マドモアゼル】対50名04
【フェイマス・グローリーチーム】の一斉攻撃が始まった。
だが、【イエロー・ヨングダーメ】の様に【フォール・イン・チャンネル・スイッチ】で【超越】と化している訳ではないのに、必要最小限の動きだけで、その全てを紙一重でかわしていた。
【ブラック・マドモアゼル】は、【超越】の力を借りなくても体術だけに限定するならばそれに匹敵する力を素で持っているのだ。
人間ではどんな達人達の集団も彼女に指一本触れることは出来ないだろう。
それだけの超絶対的な実力だった。
【フェイマス・グローリーチーム】は、
「な、何でこれが当たらない?」
「う、嘘でしょ?
何でなの?」
「逃げる場所なんか無かったはずよ」
「逃げ場を作るのが無茶苦茶上手い」
「逃げるだけならいつかは追い詰められる。
やるだけやるのよ」
「実力は本物だったって訳ね。
少なくとも体術は本物だわ、あの女」
「もっと精密に攻撃を仕掛けるのよ。
当たりさえすれば後はなんとでもなる」
「敵はこっちの体力が落ちるのを待ってるのよ」
「私達の連携は、10チーム中ナンバー1なのよ。
その強味を見せる時よ」
「わかってる。
フォーメーションはいくらでもあるんだ。
こっちも片っ端から試してやるだけよ」
「回復アイテムだって常備しているんだから大丈夫よ。
回復役と攻撃役。
交代して攻めのパターンを相手に読ませないで」
などと声を掛け合っている。
確かに、今までの【フェイマス・グローリーチーム】とはチームとしての練度が違う様に見受けられる手際の良さだった。
だが、それでも・・・
当たらない。
どうやっても当たらない。
こうやっても当たらない。
どんなにやっても当たらない。
フォーメーションをチェンジしてもそれも不発に終わる。
だが、諦めない。
彼女達の言うとおり【フォーメーション】は無数にある。
その中には【ブラック・マドモアゼル】に通用する手が必ずあるはずだ。
そう、信じて、手を変え品を変え、連携攻撃を繰り返す。




