第二十二章29 【アンサー・クリエイト/第10席戦4】29/【ブラック・マドモアゼル】対50名02
【フェイマス・グローリーチーム】の50名は【ブラック・マドモアゼル】を舐めてきっている。
和装という全く戦闘向きじゃない格好をしているのだからそう思うのも仕方ないが、まさか一糸乱れず戦い抜くとは全く思っていない。
【ブラック・マドモアゼル】は、
『先手はお譲りします。
どうぞ、仕掛けてくださいませ』
と言った。
言葉遣いが丁寧なのがこの戦いには違和感しか運ばない。
【フェイマス・グローリーチーム】は、
「まぁ、先手はこっちに譲るってんだから、お言葉に甘えようかしらね」
「どうする?
楽に勝てそうだけど?」
「まぁ、罠を仕掛けているって事も考えられるけど、それはあんまり現実的じゃないわ。
だって、この会場に来たのはこっちが決めた場所なんだからね」
「そうよね。
向こうが降参してこっちに一勝をくれるって事は考えられない?
だって50対1だよ?
どう考えたって勝てないじゃない」
「普通に考えたらそうよね?
でも、とりあえず考えを聞いてみるのも手かもね。
先手はこっちに譲るってんだから、こっちが確かめるだけの余裕もあるって事でしょ?」
「そうね。
じゃあ、私から聞くわ。
ねぇ、貴女、質問があるんだけど。
貴女って勝つつもりあるの?
どう考えてもそっちに勝ち目が無い様に見えるんだけど?」
と言った。
【ブラック・マドモアゼル】は、
『僭越ながら、勝つつもりはございます。
この服装が戦闘に不向きだと言うのも存じております。
その上で勝利をいただこうと考えております』
と答えた。
【フェイマス・グローリーチーム】からは、
「馬鹿なの、貴女?」
「状況把握する力ないの?」
「私達の力を舐めてるって事かしら?」
「どうみても、こっちが勝つ様に見えるんだけど?」
「常識的に考えられないの?」
「勝っちゃうよ、こっち」
「煽っているとしても、ちょっと馬鹿っぽさが目立つよ。
煽りきれてない。
哀れみさえ感じるわ、貴女に」
「絶体絶命ってやつじゃないの?
これだけの人数に取り囲まれて居るんだよ?」
と言う声が飛び交う。
【ブラック・マドモアゼル】は、
『油断大敵という言葉がございます。
油断していたから・・・負けた・・・などとおっしゃられては困りますので、予めその未来をお見せしましょう』
と言って、彼女を侮って挑んだ場合の映像を作ってみせた。




