第二十二章1 【アンサー・クリエイト/第10席戦4】1/応援・激励に来た者達1
【フェイマス・グローリーチーム】に対して【芳一チーム】は善戦している。
【美彩】と【逢美】と【祈清】と【ギャル・ノミネーター】と【レディ・フェア】が勝利をしている間も他で5箇所で同時に【芳一チーム】対【フェイマス・グローリーチーム】は戦っている。
それを紹介する前に、【芳一】の元に応援・激励などが目的で訪ねて来た者達が居る。
さすがに全員分とは行かないがそれを少し紹介しよう。
【芳一】は、
「くそっ・・・
どうすれば良いんだ?」
と毒づいていた。
【芳一チーム】のメンバー10名がバラバラの場所で試合をしている。
【芳一】ならば、13体に分かれる事が出来るので同時に全員の応援に行くことが可能だが、【フェイマス・グローリー】によってそれを禁じられている。
13戦目までに登場予定の選手は待機すると言うルールを付けられているのだ。
そのため、第13戦に出場指定がされている【芳一】は動く事が出来ないのだ。
それは、第11戦に出場指定されている【シェリア】や第12戦に出場指定されている【フェアリア】も同様だ。
焦る【芳一】の前に意外な人物が訪ねてきた。
【第10席戦】には参加していない【我柔 稜翔】である。
彼は【芳一】も参加した第5回から第7回共同の【覇王杯/オーバーロード・カップ】の逆転参戦方式に参加した者である。
第5回から第7回共同の【覇王杯/オーバーロード・カップ】の多くの参加者が【第10席戦】の【ショット・ストライクチーム】と【ドクター・クレイジーチーム】にかり出される中、何名かは参加していない。
【稜翔】はその1人である。
彼・・・4分の3は女性体になっているから彼女?になるのかもしれないが、あえて彼と言わせてもらうが、彼は、修行中であった【永遠の迷い人】の女性で親友となった【与怒】を探す旅をする事にしていた。
【芳一】達とは今生の別れとなるかもしれないのでその前に挨拶に来たのだ。
【稜翔】は、
「俺に勝った男が何て情けない面をしてんだ・・・」
と話しかけて来た。
【芳一】は、
「・・・君は・・・」
と言ったが、頭の整理がついていないため、言葉が続かない。
【稜翔】は、
「俺は俺の大切な人を探しに行く。
これでお前とは会うことも無いかもしれん。
そう言う旅だ。
最後に俺に勝った男の顔を拝んでから行こうと思っていたが、情けねぇ面だな。
何やってんだ、お前。
【覇王/オーバーロード】になったんだろ?
だったらどんと構えてろよ。
らしくねぇぞ」
と言った。
【芳一】は、
「だけど・・・」
と言うと、
「だけど、じゃねぇ。
言い訳すんな。
チームリーダーなら仲間を信じろ。
俺にはそれが足りなかった。
だから、お前に負けた。
お前はその程度じゃねぇだろ。
来たるときの為、力でも溜めてろ。
俺はお前のチームが勝つと信じてる。
俺の確信を揺るがすな」
と言った。
彼なりの激励のつもりなのだろう。
この言葉で【芳一】は少し落ち着き、
「ありがとう。
少し、冷静になれたよ」
と言った。
【稜翔】は、
「じゃあな」
と言って立ち去ろうとした。
今生の別れなのにあっさりし過ぎていると思った、【芳一】は、
「え?
も、もう行くの?」
と聞いた。
【稜翔】は、
「ここは俺の舞台じゃねぇ。
俺が言いたい事は言えた。
だったら、俺は俺の戦いに向かうだけだ。
文句あっか?」
と言った。
「・・・無い。
行ってらっしゃい」
「おぅ」
と言う言葉で2人はお互いの道を行くことにした。




