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月夜譚 【No.301~】

秘密の旅行 【月夜譚No.322】

作者: 夏月七葉

 良いホテルを予約してしまった。

 久し振りの旅行ということもあり、半ば浮かれ気分で予約サイトを見ていたのが原因だろう。その場のノリで予約をしたのを後になって冷静に見返したら、普段よりも値が張っていたのだ。

 しかしまあ、本当に久し振りの旅行であるし、少しくらいの贅沢は許容範囲としておこう。その分、思い切り楽しめば良い。

 そう思ったら、より楽しみになってきた。彼女はスキップでもしそうなほど軽い足取りでオフィスのコピー機の前に移動した。

「何か良いことありました?」

「ふふ、分かる?」

 通りすがった後輩に〝良いこと〟の言及は避けて笑顔を返す。その視線の先に真剣に書類と向き合う横顔が見えて、更に頬が緩んだ。

 秘密の恋というものは、緊張と嬉しさの狭間にある。時折全部公にしてしまいたい気持ちも生まれるが、今はこれが心地良い。

 後で彼に何処の観光地に行こうか相談のメッセージを送っておこう。

 そう密かに思いながら、吐き出されたコピー用紙をすくい取った。

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