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一話 生け贄

洞窟の中心にある結晶に触れることで、頭の中に声を響かせてくるナビゲーターと会話ができる。

そいつと一通り話して分かったことは以下の通りだった。

世界中でこの異変は起きており、人類はダンジョンマスターとプレイヤーの二種類に振り分けられたらしい。

現代社会に不満を持つ人間がダンジョンマスターに選ばれる傾向があるらしく、俺は見事にダンジョンマスターに選ばれたわけだ。

ダンジョンマスターは基本一つのエキストラスキルを持つらしいんだが、俺は「憂鬱」と「狂気」の二つを持っている。そういや、刺されて気を失う直前「イレギュラー」がどうとか聞こえた気がするが、これのことだろう。

この二つ持っているスキルがうまく機能すればいいが...

「憂鬱」は社会に憂鬱な気持ちを強く持っていたことで発言したスキルだろう。「狂気」はトラックに撥ねられて死んでしまう現実に対して発現したものだと断言できる。

エキストラスキルを二つ持っていることは確実にアドバンテージだ。うまく活かさない手はない。

後はダンジョンマスターがどういうものか、ナビゲーターに聞いてみた。

ダンジョンマスターとは、決められた地区に複数人現れ、ダンジョンを形成してその中でダンジョンを運営することを決めつけられた人々のことらしい。初めはその地区からは出ることは出来ず、その地区にいるダンジョンマスターを駆逐して制覇することで、やっと隣接する地区に赴くことができるらしい。

後、俺の目の前にある結晶を壊されるとダンジョンはなくなり、ダンジョンマスターである俺も死ぬことになるそうだ。

ただ、同じダンジョンマスターであれば他のダンジョンマスターの結晶に触れることでダンジョンを吸収することができ、ダンジョンマスターも絶対服従になるそう。


色々と聞き出してしまったが、要はダンジョンマスターとしてダンジョンを守らなければ生き残れないらしい。

ふと気になったことをナビゲーターに聞いてみた。


「ここまでの説明って初めにされないものなのか?」


「初めに目覚めた際に声を掛けるマスターがおそらく説明なされると思います」


やっぱり初めに声を掛けてきた奴が説明をサボりやがったな。

道理で何の説明もなかったわけだ。殺し合いが終わるまで話しかけてこないとも言っていたし。


「...それで俺はダンジョンマスターとして何をすればいいんだ」


「結晶に触れながらダンジョンについて思い描いて下さい。頭の中に情報が表示されます」


言われた通りにすると、頭の中にダンジョンの状況が表示される。


|-洞穴ダンジョン

|-1F 洞穴

|

|-1000DP

|

|-所持魔物

|-なし


「DPとはダンジョンポイントであり、そのポイントを消費することでダンジョンの拡張やアイテムの入手、魔物を獲得することが可能です」


ナビゲーターはそう説明した。

とりあえず、今あるDPで買えるものを知ろうとすると、頭の中にリストのようなものが出てきた。

そのリストを見ながら何を購入するか考えていると気になるものが目につく。


「おい、100DPでスマホを購入する」

  

「了解しました。次回からは、声に出さずとも頭の中で唱えても這えば問題ありません」


ナビゲーターに小言を言われながらスマホを購入する。なぜ購入したかというと、情報は力だと感じたからだ。 

不親切なマスターとやらが担当になったせいで俺はろくに何も知らない。スマホでコリッターを見たりして情報を集めなけばならないと俺は考えた。

ちなみに、電波は担当地区内では不思議パワーでつながっているそう。深く考えても意味のないことだ。


軽く調べたが、世の中は突然現れたダンジョンとダンジョンマスターに混乱の極みになっているようだった。

ダンジョンマスターにも色々いるらしい。 

ダンジョンマスターとは、現代社会に不満を持つ人間がなる。その不満の持ち方も色々あるらしい。

社会に恨みを持つタイプは積極的に人間を襲っている殺戮を行い、物欲が強かったやつは人間と交渉して何かを得ようとしている。結果を強く求めるタイプはモンスターを襲わせて経験値を稼ごうとしている。性欲が強くて欲求不満を解決できなかったタイプは、欲求を満たすために生贄を要求している。


俺はどっちかというとこれらのどれにも当てはまらない。まあ、大体はこの四つに分類されるということだろう。

外からの情報は得られた。

他のダンジョンを攻めようとするダンジョンマスターがいるかも知れない。

DPを使ったダンジョンの強化は必須だった。

そうして俺は残りの900DPを使ってダンジョンの強化に励むのだった。


そうして全てのDPを使い、ダンジョンを強化すること数時間、俺の壇上はこのように様変わりしていた。


|-ゴブリンダンジョン

|-1F 洞窟迷路

|-2F 直線洞窟

|-3F 洞穴

|

|-0DP

|

|-所持魔物

|-ゴブリン 50体

|-ゴブリンシャーマン 5体

|-オーク 3体


DPの効率を求めると、ゴブリンが主体となって守る洞窟型のダンジョンとなった。

まあ他の奴らも似通った構造になっているだろう。

気になってナビゲーターに聞いてみたが、DPを増やす手段は占領地域にいる人間の数に比例したDPを一日の終わりに貰えるそう。殺したとしても同様にDPを貰えるそうだ。

俺の占領地区は◯◯区の一丁目だそう。増やすには他のダンジョンを占領するしかないならしい。


今日は一日ダンジョンマスターになってから状況を整理し、ダンジョン作成することで時間を使い果たしてしまった。最後に周りのダンジョンの様子でも見ようかと思ったその矢先、突然ブザーのようなものが鳴った。


「ダンジョンマスター、侵入者です」 


ナビゲーターもそう警告してくる。

結晶に触れると侵入者の様子を見ることができた。

初めての侵入者がどんなやつかと見てみるが何か様子が変だった。

手足を縛られた女性が男に担がれてダンジョンに連れてこられている。


「あれ、これってもしかして...生贄タイプのダンジョンだと勘違いされてる...?」


俺が周りの住人を殺しに行こうとしたり、モンスターを解き放たないことから、生贄を求めてるんじゃないかと勘違いされたようだった。

評価等頂けると、今後の励みになります。

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