表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
路地裏の錬金術師 〜魔境のような村から出てきた錬金術師〜  作者: Ruqu Shimosaka
二章 後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/102

ヘルハウンド−4

 新たにダニー長老を含めた全員で空に飛び上がる。

 帰りは三体ものドラゴンがいるので行きよりも安全だ。

 それでもドラゴンの縄張りから出ると襲ってくる魔物はいるが、ドラゴンたちによって即座に倒されていく。


 ダニー長老やトレイシーは魔法で倒しているが、母が乗っているケニーは縦横無尽に飛び回って近距離で倒したりしている。

 人とドラゴンという違いはあるが、接近戦という母と似たような戦い方で、母とケニーはよく似ている。


 ドラゴンが三体と多かった事もあって、魔物は村までほぼドラゴンたちが倒してくれた。

 村を上空から見ていると、村の皆が家から出てきてこちらを指差しているのが見える。

 ドラゴンが一体から三体に増えれば当然か。


 ドラゴンが先に降りて人型になってもらう事になったようだ。

 ダニー長老は男性の老人のような姿となり、ケニーは白髪だがどことなく母に似ている姿になった。

 ケニーは人型の時はトレイシーから送られたアクセサリーを付けている。

 ダニー長老もケニーも毎回同じような姿になることが多い。


 ドラゴンたちが人型に変わったところで、順番に降りていく。

 アレックスも地上に降りると、キャサリン殿下、ダニー長老、タッカー村長が集まっている場所へと向かう。

 タッカー村長に報告をする必要があるだろう。


「ドラゴンが王都に向かうのですか?」

「ダニー長老から連絡を取り合いたいと提案を受けました」

「ドラゴンからですか?」


 タッカー村長には魔物を操る魔法について話をしていない。

 アレックスが事情を説明すると、あの魔法をまだ使うのかとタッカー村長が憤っている。

 タッカー村長がここまで怒るのをアレックスは初めてみた。


 タッカー村長はドラゴンが王都に行く理由は理解したと言った。

 その後タッカー村長は、村からも人を出したほうが良いかもしれないと言って悩み始めた。

 悩んでいる村長にアレックスは母が帰ってきたのを知っているか尋ねる。


「アレクシアが帰ってきたのはモイラから聞いた。それがどうかしたか?」

「ケニーが王都に行く予定の一人なんだけど……」

「つまりアレクシアも一緒に行くのか?」

「母も気になるみたいだし行く事になりそう」


 タッカー村長は飛び回っているならまだしも、王都はどうなのだと呟いて空を見上げた。

 アレックスが母に手合わせを願う人がいないか心配だと話すと、村長が空を見上げていた状態からアレックスを見た。

 村長は母を呼ぼうと言って母を呼んできた。


 連れてこられた母にタッカー村長が話を聞くと、やはり母は王都に行く気になっているようだ。

 村長は次にモイラおばさんを連れてきて、事情を説明するとモイラおばさんも魔物を操る魔法について怒り始めた。

 戦争を経験した世代との差をアレックスは感じる。


「モイラおばさん、魔物を操る魔法はそこまで危険?」

「あの魔法はダンジョンのように魔物を強化する。しかも魔法が失敗していた場合は凶暴化してしまう」

「そこまで危険な魔法だったのか」

「そうだよ。魔法を使われた魔物は無差別に周囲を襲い続ける。しかも成功しているように見えても一時的な物だったりと厄介な魔法だよ」


 魔物を操る魔法は問題となった簡易版と、元になった使うのが大変な魔法があるのだとモイラおばさんは教えてくれた。

 元になった魔法でそこまでの数魔物を操作できないらしく、簡易版を使っていると予想ができるらしい。


 モイラおばさんに質問をしたことで何が問題なのか見え始めた。

 魔物を強化して失敗していれば凶暴化までするとは、大人しい魔物であっても魔法を一度使われれば襲いかかってくるという事だ。

 百年前の戦争で魔物を倒し続ける必要があった理由が分かった。

 そうなると百年前と同じ状況になるのは避けたい。


 キャサリン殿下が簡易化された魔法は、いくつかの国を滅ぼした危険な魔法で、オルニス王国は魔法を使うものを優先して捜索しているのだと教えてくれた。


「村長、アレクシアが王都に行くのなら、私も王都に行けって事かい?」

「アレクシアが居なければ重症者はそうでない。村の治療はどうにかなるだろう」

「確かに若い世代には治療魔法はしっかり教えているから問題はないね」


 アレックス以上の使い手が何人もいるので、確かに村の治療は心配しなくても良いかもしれない。

 治療魔法士の資格が問題になるが、地方である事と、お金を取らなければ問題にはそうされないらしい。

 村ではお金のやり取りはしないので問題にはなりにくいだろう。


 モイラおばさんは村を離れるならば数日準備に時間が欲しいと村長に話している。

 近くで話を聞いていたキャサリン殿下が、スプルギティ村かゲラノスで待つので安心した欲しいと伝えている。

 それならばとモイラおばさんが頷いている。


 モイラおばさんも王都へ行くことが決まったようだ。

 アレックスが心配していた怪我人の治療はどうにかなりそうで安堵した。


「アレクシア、モイラはしゃぎ過ぎるんじゃないぞ?」

「幾つだと思っているんだい?」

「そうだ。私も良い年だ」


 タッカー村長は言い返してきたモイラおばさんと母から視線をそらして、ため息を吐いている。

 村長はアレックスに頼んだぞと、普通は親に言う事であろうことを伝えてきた。

 村長は随分と心配しているようだ。


 アレックスでは母とモイラおばさんを止めることができないので、なるようにしかならい。

 大事にならない事を祈ろう。


 モイラおばさんが首を振りながら、村長は聞いていないねと言った後、王都に行くために準備をしてくると言って離れていった。

 モイラおばさんを見送った後、タッカー村長はキャサリン殿下に始祖鳥は無事見れたかの確認をしている。


「ヘルハウンドに襲われましたが始祖鳥を見ることはできました」

「アレクシアが向かったと聞いたのでヘルハウンドが出たのだろうとは思いましたが、見れたのなら良かったです」

「アレクシア伯爵が来るのは何か関係が?」

「アレクシアは運いいというか勘が良いので、村で待たないで向かったのであればヘルハウンドが出た可能性が高かいのです」


 村長が疲れているだろうと、話はこのくらいにして休憩をとこの場の解散を提案した。

 キャサリン殿下は頷いてダニー長老に挨拶をした後、騎士団に休むように伝えた。

 アレックスも休む事にする。


 休む前にタッカー村長と、ダニー長老やケニーはどこに泊まるかという話をする。

 家の空きがないのでアレックスの実家に泊まってもらう事にした。




 朝起きると外に出る。

 昨日と違って雲が多い。これは雨が降りそうだ。

 帰れないほどではないかもしれないが、帰るのを遅らせても問題がないのなら天候が良い日の方が飛ぶには良さそうだ。


 起きてきたメグに相談すると、キャサリン殿下に伝えに行く事になった。

 キャサリン殿下に伝えに行くとタッカー村長がすでにきており、もう一泊スプルギティ村へ泊まることが決まったようだ。

 モイラおばさんの準備もあるので丁度良さそうだ。


 アレックスは時間ができたので、錬金術で使って不足した素材を譲って貰ったりする。

 前回は皆忙しそうだったが、余裕ができたのかメグを連れて歩くと声をかけられる。

 村を移動しているとジョシュとマーティーが話しているところに出会した。


「ジョシュ、すまないが手紙を渡しておいて欲しい」

「構わないぞ」


 どうやらマーティーは王都の誰かに手紙を出しているようだ。

 ゲラノスからでも手紙は届くが、時間がかかるし、時々ではあるが行方が分からなくなる。

 知り合いに頼むのが一番手紙が早く届く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ