【4】”変人”【5】マジックペン【6】プロポーズ
【4】”変人”
みんな僕のことを”変人”というんだ。彼女もだ……
でも、電話でさ
「みんな貴方に”変人”って言うけど、私は本心じゃないよ……」
「私は照れ隠しなだけ」
「みんな貴方のいいところに気づいてないだけ。でも、いいところなんて私だけ知ってればよくない?」
って言われたんだ。だから、自分のいいところなんてみんな知らなくてもいいんだ。
【5】マジックペン
彼女が眠いと言うから
「寝てるとき顔に落書きを書いてやる!」って言ったらさ
「倍で返したる」って言われたんだ。
もしも僕が彼女の寝顔に”大好き”って一面びっしりと書いたら……
倍で返してくれるのかな。そう思った。
どうやらすでに、彼女の色で何倍も心を塗られているらしい。
そして「楽しみにしとくねww」って返したんだ。
そしたら
「平日だと消すのダルい」って言われた。
消えないように油性ペンで厚く書いてやろう。
【6】プロポーズ
付き合うとき彼女から告白された。
「もしも恋愛をするならお前とがいい」って
凄くカッコ良かった。
さり気なく遠回しのようでズルかった。
そして月日がたってから。
「あの日、告白されてなかったら今の自分はいなかったなぁ」と言ったんだ。
そしたら「だって、お前、私に告白してこなかったし。するつもりもなさそうだったから」って
言われた。どうやら僕の心の内はすべてお見通しだったらしい。不甲斐なく思ったけど、どこか嬉しかった。
だから……
「なら自分はあと一回告白するかもね」と言った。
彼女はキョトンとした感じで
「は?」と返事を返してきた。どうやら気づいてなかったらしい。
これが遠回しな
結婚の”プロポーズ”予約だったということを。