聖職者の若者達
「おい、いいのか? こんなことして」
レオンが酒を飲むニックに尋ねる。
彼らはこの教会に所属している聖職者である。
最も最近入ったばかりで修行続きの毎日だが。
ただ、その鬱憤を晴らすためか酒を飲んでいる。
「今さら何言ってんだよ」
と酒を飲みながらニックが言う。
「そうだよ。この時間はみんな寝てるからバレないって」
とニックとは友人のゲイリーが言う。
「でも、アラン様にバレたらタダじゃ済まないぞ」
レオンは怯えたように言う。
その様子からアランを怒らせると怖いことが伺える。
「そんなにビビるなら飲まなきゃいいだろ」
ニックはつまらなさそうに言う。
「まぁまぁ。レオンも飲んでみなよ。そうすれば僕たちの気持ちがわかるって」
ゲイリーはレオンにグラスを渡し、そのグラスに酒を注ぐ。
「わかった。飲んでみるよ」
この調子じゃいつまで経っても終わらないと思ったレオンは酒を飲むことにする。
元々酒に興味があったので本当は飲みたかったのだ。
「何をしているのですか? 消灯時間はとっくに過ぎてますよ」
背後からの声に、レオン、ニック、ゲイリーは驚く。
「アラン様!!」
先に気づいたのはレオンだった。
「お酒ですか。聖職者たるもの、感心しませんね。罰として一ヶ月間この教会の掃除を全て貴方達にしてもらいましょうか」
アランは嬉しそうに話す。
説教してるとは思えない顔である。
「一ヶ月もですか?」
ゲイリーは恐る恐るきく。
「何か不満でも?」
ゲイリーはその言葉から圧を感じ、反論するのをやめた。
「いえ、ありません」
「明日からが楽しみですね」
レオン達は明日からの一ヶ月が早く過ぎ去ることを心から祈るのだった。