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更新遅れ、スイマセン!
清水視点です!!
自己紹介後、先輩達に泉が
「アッキーナ」、倉吉が
「ヨッシー」とニックネームを付けられた。
2人とも嫌そうな顔をしたが。
特に倉吉。自分は悪魔で『城陽第一の光源氏』と思ってるらしい。単なるナルシストだが。
しかし幸い、俺は何もニックネームを付けられなかった。変なのは勘弁だからな。
そしてユニフォームも無いので俺は1人自転車で帰った。
「ただいま〜」
「「お帰り〜」」
俺が帰宅すると母の藍と制服を着た妹のれみが玄関にいた。そう、れみは俺と入れ替わって中学に入学したのだ。制服を着て、なんやらはしゃいでいる。
「どうしたの?えらく遅かったじゃない?」
母さんが聞いてきた。そうだ、家族にはもう野球しないと俺は公言してしまったのだ。
・・・やばいか?
そう思ったが躊躇いながらも俺は口を開いた。
「え〜と、やっぱり俺野球しようと思って今ちょっと野球部行ってた」
「何ですって?!」
あ・・・やっぱだめか? まずかったか?
ソウ思ったが母さんとれみは手を取り合って喜んでいた。
「?どしたの?」
2人共どうかしたのか。
「え?いや、だってさ、もうアンタのユニフォーム姿見れないって思ってて寂しかったからね・・・。それに悠、負けて以来、なんだかきつくなって苛々してて心肺だったから。そりゃあ色々苦労したけど自分の子どもがなんか頑張ってるの見るのはうれしいから」
「お兄ちゃん、野球ん時だけは超格好いいしね」
妹はスルーだけど、そっか・・・母さんには心配かけたな。今更ながら申し訳ないな。
「もう大丈夫だからさ。心配掛けて悪かったよ、母さん」
こういうのは中々言いにくいがこのときはスッと出た。自分でも驚きだ。
「!子供がンなこと気にしないでいいのよ、悠。でも安心。さっ、ご飯出来てるわよ」
母さんはそういうとリビングに向かった。俺はその後、ご飯を食べ、風呂に入ったりして11時に寝た。
リーリリリリリ!!
澄み切った朝に目覚ましという名の雑音が俺の部屋に響き渡った。目が覚める。時計は朝五時ジャスト。何故こんなに早いかというと今日から早速あされんが6時からあるのだ。あの監督らしい。
ブレザーの制服に着替え荷物を鞄に詰め、一階に下りる。机には母さんが作った朝ごはんと弁当が置いてある。ご飯を食べ、仕度して家を出た。
外は4月といえど朝のため寒く、少し暗い。
「ゆーいち!」
唐突に呼ばれた。声のした方を見ると、涼華がいた。
「どうしたんだよ?近所っつってもココ遠回りだぜ?」
俺が聞くと涼華は少し躊躇しながらあのさ、と口を開いた。
「実は・・・自転車が〜パンクしちゃって乗れないから・・・」
まさか・・・大体検討がついてしまった。
「後ろ、乗せて」
ヤッパリ。
しかし、乗せてやっても良いけどコイツといたら色々誤解されるんだよな…
昨日は倉吉と先輩達。
去年も
「付き合ってるの?」
って何回聞かれたか。まあ断じて付き合ってないが。
「イヤだ」
俺は断った。すると涼華は露骨に寂しそうな顔をした。
「なんで?」
「お前といたら色々誤解される」
「ほっとけばいいじゃん!」
なんて無責任な。ほっておけたらくろうしない。って…。
「オイ」
「なーに?」
「人のチャリを勝手に乗って行くな。仕方ないから乗せてやるから」
「ヤッタ!」
アイツはいつの間にか俺の自転車におまたがっていたのだ。相当嬉しいのか涼華は満面の笑みだった。なんとなく嫌な気がした許した俺が甘いのだ。去年からコイツのペースに乗せられることは度々あった。
そして俺は自転車の前に、涼華は後ろに乗った。自転車も重いが俺の心も重い。
「ゆーいち」
涼華が陽気な声で後ろから俺の名を呼んだ。こっちの気も知らないで。
「……ありがとね……」
少し間を置いてから涼華にそう言われ何故かドキッとした。それに少し体が熱くなった気がした。
俺はこの変な精神状態は何なのか分からなかったが、多分風邪気味なんだろうと思い自転車を進めた。
「ねぇ〜ゆーいち?」
「何?」
涼華が後ろから俺を呼んだ。俺は前を見ながら(当然、後ろを向くと危険だから)答えた。
まだ未知のドキドキ感は消えて無かったが、涼華の次の言葉でそれは嘘のように消えた。
「明日からもよろしくね!!」
「………何を…?」
まさか…
「勿論、2人乗り!」
「パンク直せよ!」
怒った訳では無い。思わず、かつらしくなくツッコんでしまったのだ。こんな事で怒ってしまうほど俺は短気では無いし、もし怒っても顔にはメッタに出さない。
「も〜!ンなお金無いの!」
「親は!?」
「………取り敢えずよろしく……学食で奢ってあげるし」
逃げたな…。しかもなんつー単純な餌だ。しかし、コイツらしい。
そんなやりとりを暫くしていると、学校が見えてきた。
俺はスピードを上げた。まだ6時前だから人気は少ない。その方がいいのだが。
風が吹く。
少し冷たい筈の春の朝の風は何故か少し熱く感じた。
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