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ぼくの親指にぼくの大好きだった爺ちゃんの魂が宿る!

作者: 七瀬
掲載日:2020/07/10




___ぼくは、ある時。

親指が急に、痒くなってそこからかぶれるように膿が出はじめた。



これって? 一体に何!?

まあ、ぼくはね! あんまり気にしないようにしてたんだ。

取りあえず、膿が出るところに包帯を巻いて、普通の生活を

していたからだ。



・・・でもね?

なんだか、親指がおかしいんだよ!

もぞもぞしたり、勝手に親指だけ動いたり、僕の意思で動かなく

なりつつある。


ぼくは、こんなところにケガもしていないし、カミソリのような

モノで切った覚えもないのに急に、なんでこうなったのか不思議

だったんだ。



・・・今思えば、そう思うけど、、、?




 

 *



___そして! 遂に親指に異変が起きたんだ!?


『___おい! 数馬瑳、起きろ! 朝だぞ!!!』

『・・・えぇ!? まだ、時間より早いよ! もう少し寝かしてよ!』

『いかん! 起きろ、数馬瑳! 朝は、男を磨く一日だぞ!』

『___えぇ!? 誰が喋ってるの?』

『___ワシじゃ! 爺ちゃんだよ、数馬瑳!』

『・・・じ、爺ちゃん!? なんで? 爺ちゃんが!?』




___爺ちゃんとは?

父方の方の爺ちゃんで、ぼくは、物凄く爺ちゃん子だった。

何処に行くにも、何をするにも、ぼくは爺ちゃんの後ろをついて

回ったぐらい、ぼくは爺ちゃんが大好きだった。


優しくて、男らしくて、強い爺ちゃんが大好きだったんだ。

でも? ぼくが10歳の時に爺ちゃんは、老衰で亡くなったんだ。

当時、87歳だった。爺ちゃんは、眠るようにみんなに看取られ

て亡くなったんだよ。まるでぼくには、眠っているように見えたんだ。

とても、爺ちゃんの顔は穏やかだったよ。





・・・その爺ちゃんがなんで!? ぼくの親指に!?


『___ワシはな! 数馬瑳がどうしているのか? 心配で心配で!

寝ても覚めても、ワシは数馬瑳! お前の事だけを考えていたんだ。

だからなのか? 【信天来行神様】がワシにお前のところに行ける

切符をくれたんだよ!』

『・・・切符って? ぼくの親指に爺ちゃんの魂が入ったって事?』

『・・・まあ? そうなるな!』

『___爺ちゃん、なんで!? ぼくの親指なんだよ!』

『・・・そんな事を言われても、爺ちゃんにもよく分からんのよ!』

『・・・・・・』





___ぼくの親指は? 

絵で指に顔をつけたように、顔面は爺ちゃんの顔だ!

そこには、目も鼻も口も耳もあるし手も生えてきたように両方あるよ。

ただ、足はないかな。




・・・爺ちゃんは?

昔から、豪快な人で! 酒好き、ギャンブル好き、女好きと

三拍子揃った、昔ながらの人だよ。

怒ると? めちゃめちゃ怖いし!

説教になると? 正座して足がしびれるぐらいまで説教される。




それでも、ぼくがいい事をすると?

頭を撫でてくれて、これでもかというぐらい褒めてくれたんだ。

そんな爺ちゃんが、ぼくは大好きだったけど、、、?

・・・今は、めんどくさい。





___奇妙な爺ちゃんとの共同生活は?

何をするにも、爺ちゃんがぼくの傍にいるから。

毎日、何かしらで喧嘩したり言い合いになるんだよ。



生活は一転、酒好き、ギャンブル好き、女好きでもなかったのに、、、。

お酒も爺ちゃんは、おちょこを親指から生えてきたような手でグビグビと

飲み干すぐらいの大の酒好き!

ぼくも、爺ちゃんにつられてグビグビと生ビールを飲み干す。

バカ笑いして、無邪気にはしゃいでいるぼく自身はいつぶりだろう?

爺ちゃんが好きだから、毎日、お酒も付き合わされるようになった。

ぐてんぐてんになるまで、爺ちゃんとお酒を朝まで飲んで二日酔い。

それに、競馬場にも足を運ぶようになったな。

初めての馬券は、ぼくが勝った日でもある!

それと? 居酒屋で一人でお酒を飲んでいたら? 爺ちゃんが

女の子2人が飲んでいるのを見て? 爺ちゃんに【話しかけてこい!】

と言われ。ぼくは、しぶしぶ話しかけたんだ。初めての時は、まったく

タジタジで何を言っているのかも分からず! 女の子の方から、【キモイ】

と言われ、ぼくが落ち込む隙も与えず直ぐに次の女の子たちの所へ行かさ

れて、ナンパみたいな事をさせられる。



・・・はじめは嫌だったけど?

だんだんと慣れてくるのか? ぼくが女の子たちに話しかけただけで

上手くいくようになったんだ! 



『___数馬瑳! お前は、ワシの自慢の孫じゃ! お前なら、何だって

出来るとワシは信じてる! ずっとお前と居たいが、時間が来たようだ!』

『・・・えぇ!? 爺ちゃん、居なくなるの?』

『・・・・・・あぁ、』






___爺ちゃんと一緒に居れたのは?

“1年間”だけだったけど? 凄く楽しかったよ爺ちゃん。

また、いつでも! ぼくの親指に乗り移ってもいいから!

また、ぼくに会いに来てほしいんだ!




___爺ちゃんとは? いっぱい喧嘩も言い合いもしたよね!

だけど、最高の時間を! ありがとう爺ちゃん。

ぼくもだよ、自慢の爺ちゃんだ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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