第6話
『カイ様より出撃命令だ❗明日の朝、武士団は出撃する。それまで各員準備を整えるように』
武士団の団長であるマダラメ・クニヒサが屯所で部下に命令を伝える。
『承知しました。しかしにらみ合いにわざわざ出向く必要があるのでしょうかね?』
副官が答える
『カグラ様からいつもより敵の数が多いから念のために警戒したいと言うこのようだ』
『確かに、あの弱腰の帝国軍ではあっという間に壊滅するでしょうからね、訓練がてら蹴散らしてやりましょう、早速皆を召集します』
その日の夕方、帝国軍は反乱軍との挑発合戦を終え、陣に引き上げてきていた。
帝国軍マダラメ駐留軍を率いる、ヤープ少将は陣幕の中で酒を飲んでいた。
『さて、にらみ合いをして5日、そろそろいつものように引き上げる時期かな?』
ヤープは部下に聞く
『そうですな、明日には何らかの動きがあるのではないでしょうか?先ほど偵察のものから敵陣で動きがあるとの報告がありました。』
『陣払いの準備でもしているのか?なんにしても早く駐屯地に戻りたいものだ、湯を浴びたい』
帝国軍は警戒を解いて完全に油断しきっていた。
その日の深夜
ワー、ワー
兵士たちの声でヤープは目が覚める
『なんじゃ騒がしい❗』
ヤープはまだ酔いが覚めておらず、ふらつく足取りで武器も持たず陣幕から出て周囲を見渡した。
帝国軍の陣のあちらこちらで火の手が上がり、兵士の叫び声がしていた。
『これはいったい、どうゆうことだ?誰かおらぬか』
ヤープの声に反応した兵士が走ってくる
『んん?誰じゃ❗ガバッ』
ヤープは状況も把握できず、走ってきた反乱軍の兵士に切られ、絶命した。
『武器も持たず戦場を歩くとは、誰だか知らぬが愚かなやつよ』
帝国軍は反乱軍の夜襲により大混乱に陥り、僅かな生き残りが脱出したのみで壊滅した。
『母上!一大事にございます』
『わかっておる、城の窓から見えておるわ❗直ちに武士団を全員たたき起こせ❗』
マダラメの街に敵襲を告げる鐘が鳴り響き、城内に緊張が走った。