第1話
僕の名前は、レン・アイランズ
ヴァンデンス帝国のアイランズ侯爵の長男で今日で15歳になる
15歳になると教会で成人の儀式が行われ、神々から祝福を受ける
その儀式でスキルを付与されることになるんだ。
『レン、そろそろ成人の儀式の時間だ、教会に行くぞ』
そう僕に話しかけてきたのは、父であるケイ・アイランズ、アイランズ侯爵家の現当主でありヴァンデンス帝国の重臣で、普段は帝都の屋敷にいるが今日は長男の僕が成人の儀式ということなので領地に帰ってきていた。
父は成人の儀式でスキル「錬金鍛冶師」を付与され、領地にある鉱山から採れる鉱石から様々な金属を錬金したり、錬金した金属を鍛冶して武器を製造していた。
『レン~、成人の儀式おめでとう❗どんなスキルを付与してもらえるのか楽しみだね』
こう話しかけてきたのは、姉であるナオ・アイランズで3年前に成人の儀式でスキル「大商人」を付与され、直後に父の援助で領内に小さな店を出したが、3年であれよあれよと設立した商会が成長し、今やヴァンデンス帝国一の商会の女当主になっていた。
普段は外国との貿易をしている商業都市カイエンにある本店にいるのだが、今日は領地に帰ってきていた。
『レン、あなたもいよいよ成人の儀式ね、成長って早いのね』
母である、ユリ・アイランズが涙ぐみながら話しかけてきた
母はロックウェーブ侯爵家からアイランズ侯爵家に嫁ぎ、姉と僕を産んだ、成人の儀式でスキル「内助の功」を付与され、家族は「内助の功」の効果でスキルを最大限いかせるようになっていた。
『うん、みんなありがとう❗じゃあ教会に行こう』
四人で馬車に乗り、教会に向かった。
しばらく馬車で走らせると、アイランズの街の中心地にある教会に着いた。
成人の儀式をする3人がいた。
同じ街で同じ誕生日の為、よく言えば幼馴染みたいな3人だった
『おせーぞ、レン❗』
話しかけてきたのは、幼馴染である
ウォレット・サムブーク
ウォレットは町人の子どもで昔からこんな口調だ
『全員、揃ったのね、成人の儀式始めましょ?』
話したのは、同じく幼馴染のリナ・マールバッハ
リナはマールバッハ子爵家の令嬢
『…。』
昔から無口で滅多にしゃべらないこの女子は
アリアナ・ウォーレン
アリアナはあまりしゃべらないが、この街の剣術道場では1番の腕前だった。
『皆さまお揃いのようですな、では早速ではありますが、成人の儀式を始めたいと思います。まずはマールバッハ子爵令嬢からお入りくだされ』
街の教会の司祭が、リナと共に教会に入る
しばらくすると
リナが教会から飛び出してきた。
『お父様~、リナはスキル「薬師」を付与されましたわ』
スキル「薬師」、この世界では貴重なスキルで、薬を作成したり、熟練の薬師になればエリクサーを調合できるようになり、大抵の病気を治すことができるようになる。
『おぉ❗リナさすがだ、帝都の薬師学院に入学できるように手配しよう』
リナ父であるマールバッハ子爵が早速、執事に入学手続きを指示していた。
『では、次はサムブーク家の子息様、お入りくだされ』
しばらくするとウォレットが、教会から出てきた。
『親父~、スキル「将軍」が付与されちまった❗』
『はっ?えっ?「将軍」ってあの「将軍」か?』
呆然としている、ウォレットの父であった。
それもそのはずスキル「将軍」は、滅多に付与されないスキルで
ヴァンデンス帝国の軍を率いる将にも、スキル「将軍」を付与されているものは少なかった。
『サムブークよ、私が帝都の士官学校の入学の手配をしよう』
父であるケイ・アイランズがウォレットの父に話しかけた。
『士官学校なんて、そんな費用は捻出できないです』
『なんだサムブーク知らんのか?士官学校は、士官学校卒業後に、軍務に就くのであれば学費はタダだ』
『そうなのですか?ウォレットどうしたい?』
『親父、行くに決まってるだろ❗』
と、即答するウォレット
『では、決まりだな❗後で推薦状を書いてやるから、帝都の士官学校に提出するとよい、ユリアーノ、入学の手配をしてやってくれるか?』
父が帝都から連れてきていた執事のユリアーノに指示を出した。
『承知致しました。』
『では、次はウォーレン様、お入りくだされ』
アリアナか、教会から出てきた
『…。剣士だった』
『アリアナは、軍に入るのか?』
アリアナの父が話しかける
アリアナの父はアイランズの街の剣術道場の道場主で、かつて軍に勤務していたが、外国との戦争で負傷し、軍から退役して、アイランズの街に剣術道場を設立していた。
『…。うん、父さんのように軍で活躍したい』
『そうか、母さんが生きていれば何て言ったかな…。』
『…。きっと喜んでくれると思う』
『アリアナよ、我がアイランズ侯爵領の警備隊に勤務するか?帝国軍より厳しいぞ』
父がアリアナに話しかける
『…。えっ?いいのですか?』
『歓迎しよう、レンの世代で我が街の1番の剣士なのだ』
軍事のスキルを持つものにとって帝都の帝国軍よりアイランズ侯爵家の警備隊と言われるほど、アイランズ侯爵家の警備隊は大人気の職業である、さらに父が優秀なものを選抜し入隊させていたため、帝都の帝国軍より精鋭となっていた。
大人気の要因としては、父が作る武器と防具を装備できるということであった。
『では、次はアイランズ侯爵ご子息、お入りくだされ』
遂に僕の番だ、教会のなかに入る、入り口から30メートルほど祭壇がある、そこで神に祈りを捧げた。すると暖かい光が僕を包んだ。
『スキルが付与されました。スキルの確認を』
司祭が僕に言った。
僕はスキルを確認する
『えっ?スキル「コピー」?』
初めて書いてみました。
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