表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんとん  作者: 芳田文之介
2/12

その2.




天空で、不穏な暗雲がおどろおどろしく渦を巻いている。


びれた夕暮れーー混沌の世界にお似合いの気配。その中に世界はひっそりと沈んでいる。


遠くに目をくれる。


見ると、幾筋もの閃光が雷鳴とともに、闇を切り裂いている。


乾いた砂の大地が地平の遥か彼方まで広がっている。


この大地のほぼ中央あたりに、わりと大きな丘陵がある。そこから、烈風が吹いてくる。その風に乗って、雷鳴が後ろに流れていく。


丘陵に目をやる。見れば、なにやら二つの影が目に入る。。


さっきから、烈風が、この二つの影を執拗になぶっている。


風は、一方の影を、遥か遠い彼方まで吹き飛ばしてしまいそうなくらい、かなりの勢いで丘陵の上を吹き渡っている。


そこへいくと、もう一方の影は微動だにしていない。同じ風を受けているにもかかわらず……。


かえって、憎たらしいくらい涼しい顔をして、そこに、泰然として佇んでずんいる。


それだけに、一方の影のからだは、非常に、小さく、出来上がっているらしく思われる。


と思いきや、存外、そうでもないようだ。


むしろ、小さいと思われる影の方が、この世界の標準サイズらしい。


だとしたら、もう一方の影が、桁外れにデカイ図体ずうたいをしているのだろう。


このデカイ影は、あきらかに人間の概念を超越した、まるで神話の中に出てくる、あの巨人を彷彿とさせている。



つづく



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ