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花畑とサンドイッチ弁当②


大きな音で空腹を訴えながら木の上から此方を睨みつけていたのは綺麗な銀髪で緑の瞳の少年とも青年とも取れる見た目の人物だった。

初めは警戒するように距離を取りつつ此方が少し離れればサンドイッチと唐揚げを両手に掴み匂いを嗅いで恐る恐る口に運び 食べ始めれば先程の警戒はどこへやら凄い勢いで食べ進めている。


「「……。」」


勢いが凄くてルヴァンも私も少し固まってしまう。


あぁ、そんなに急いで食べたら喉に…


なんて思っていたら案の定


「グォッフォッ…ッ、グッゴ…ゴホッ…」


やっぱり詰まらせるよね。

言わんこっちゃない。って、言ってなかった!

一人ノリツッコミを脳内で終えてハーブティーを差し出す。


「…大丈夫?ハーブティーどうぞ」


「んぐっ、ごきゅごきゅ…プハァ」


おぉ、喉の動きがわかる勢い

なんて能天気に考えていたら怒鳴りつけられた


「お前、図っただろう!」


「はかる?何を?」


「サラ嬢はそんな方ではありません!」


「な、口答えを…」


そういう。


「貴方が誰かも知らないのにそんな事をするメリット私にありますか?」


「それは…!」


「それに、お腹を空かせているようだったので恵んで差し上げただけですよ。ボク。」


「うぐっ」


これでもかってくらい挑戦的な顔で笑ってやりましたよ勿論。

食事を分けてあげてこの言い草失礼極まりない。


「ルヴァン、折角の気分転換が台無しになりそうだから帰ろうか?」


「はい。」


抱き抱えてからニッコリと


「残りの食事はお好きに処分して頂いて結構ですよ。では」


と言えばもう此処に用はない。


はぁ、アップルパイ擬食べれなかった…

こっちに来て初めての甘味だったのに。


「何なのアイツ、失礼すぎ!」


「サラ嬢のご飯少ししか食べれませんでした。」


怒る私にションボリするルヴァン。


何だか自慢のもふもふもほんのり萎んでる気がする。可愛いけど可哀想で


「ピクニックはまたリベンジしよう!」


と言えば気持ちを切り替えるだけ


そうとなれば甘いものを食べてエネルギーチャージだ!


勿論帰りも同じだけの時間をかけて帰るわけだけど待ち構えている甘味と中途半端な空腹が足を早める。

って言っても行きもお弁当が早く食べたくて大分早く歩いてたんだけどね。


郊外から街に入ってすぐの道を進めば中央の通りよりも少し小さな家がいくつも並んでいて、お昼時を過ぎたからだろうか外に出ている小さな子供達が増えている事に気付いた。


今から夕方まで手伝いをしたり遊んだりするのかな?


だけど特に動く様子も見られずに段差に座って話をしていると言った様子だ。


それに中央の子たちよりも小さい、イヤ細い?


「ルヴァン、この世界でも貧富の差があるの?」


「無いとは言えません。平和なハウフロートですがやはり格差はあって郊外付近の市民にとっては収入の約7割が食費と言っても過言では無いので…」


愕然としてしまう数字


前世で言うなら3割が家賃で光熱費1割食費2割の交際費3割残り貯金みたいな感じでも割とカツカツだったのに…


「それで生活は何とかなるの?国は何も対策を立てないの?」


「死者も出ていない今の状況では特に問題視されてないのだと思います。」


もしこれで栄養失調を起こしたり餓死なんて事になったら…

やっぱり食料問題をこのままにしちゃダメだ。


今は暖かいけどこの先寒くなってきた時を想像したら気持ちが焦る。


寒さと空腹は人を弱気にさせるのをよく知っているから。


ふと過ぎった暗い過去を首を振って吹き飛ばせば対策を考えるために家路を急いだ。


家に着けば鞄を置いて台所。

まずは腹ごしらえ


腹が減っては戦はできぬ!


スマホでグラニュー糖を取り寄せれば

手を洗っていざ出陣!


フライパンを弱火で温めてバターを一欠片溶かす、バターを焦がさないように気をつけてサンドイッチを作った時に切り落とした耳の部分をそこに投入。


一度火を切って耳を回転させて予熱で火を通したら

また火をつける。


パンがカリカリになって来たところで火を止めて

バットに取り上げてグラニュー糖をまぶしたらバター香るパン耳ラスクの完成!


「ルヴァン、おやつを作ったから食べながら作戦立てよう!」


「おやつ!」


「ラスクって言うのよ。」


そうだ、お惣菜メニューにサンドイッチも入れてこのラスクは破棄部分だからって理由で破格とかできるんじゃ無い?


アレコレ考えながら相談すれば既にラスクを頬張っているルヴァンがそれならパワーバランスも問題ないですねと笑ってくれた。


また、この世界で言うおやつはロールパンのようなものか切っただけの果物が主流だったようでラスクの様な甘いおやつは無くかなり気に入ってくれたようだ。


ただ困った事にこの世界ではスイーツというものがないと言うことが判明してしまった。

自分で作れるスイーツにも限りがある、取り寄せれば食べれるけど何だか味気ない。


困った…


それに布教したい!お惣菜屋だけど作れる範囲のスイーツなら置いてもいいかな?


けどお惣菜屋じゃなくなっちゃう?


それに今更思い出したけどお店の名前を決めてない!


どうしよう。


この世界に来なかったら私はただの事務員でお惣菜屋とか開いてないだろうし、そもそもアン様がくじで私を引かなければこちらにも来てないし、それにこちらの世界の食と出会ってこんな展開になってる訳だし出会いとか巡り会いが…


「…一期一会」


「え?」


「お店の名前!」


思いっきり和名だけど日本人だしいいんじゃない?

総菜屋だって此方の文化ではないんだし。


「一期一会って言うのはね、ざっくり言うと同じ時間は二度と回ってこないから一つ一つの出逢いを大切にしましょう、みたいな意味なの!」


たしか…あまり自信無いけど…


「素敵ですね!」


ルヴァンは良いと思いますと頷いてくれる。


「そういえばサラ嬢。私気になっていたのですが…あの青年よりサラ嬢の方が年下だと思われるのですが?」


「え?やだルヴァン私こう見えても26歳よ」


「どう見てももっとお若いかと…ステータスも確認した方が…」


そんなはず無いと思うとルヴァンがステータスの確認をせっつくのでスマホでステータスを確認すれば…


➖➖➖


サラ・クオン 人族 女性

年齢 16歳


能力 浄化(クリーン) 汚れや毒を取り除く、聖域に変える


女神アンジェリカによる加護

言語の読み書きの適用化

スマホスペシャル装備

体力強化 知識向上 若返り 革命

他いろいろ


➖➖➖


「若返ってる…16歳とか…」


「16歳なら成人してますね!」


「え?そうなの?」


「此方の世界では16歳で成人ですよ」


おぉ、そしたら昼間の彼は青年だったのね。

18〜20くらいかと思ったからボクって言ったのに私の方が年下とか…


それとステータスの最後おかしくない?

アン様手を抜いたでしょ?


言いたい事やりたい事は色々あるけど総菜屋【一期一会】開店に向けてラストスパートです!







ハッピーハロウィン!

遂に今月も最終日、今年も残すところ2ヶ月。

2018年くいのないように頑張りたいです。

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