プロローグ
続くかはわかりません
続かない公算が多い
目を開けると、そこは、
知らない天井だ。
と、言おうとしたのだけれど、
そもそも目の前に広がるのは天井ではなくて、
抜けるように青い空だった。
柔らかくのびのびと茂った草原の感触を楽しみながらしばらく仰向けに横たわっていたが、
そのまま寝てしまいそうなので、わたしはついに立ち上がった。
見渡した風景は、
わたしの知っている世界にはないものだ。
どこまでも、どこまでもつづく鮮やかな緑は、
視線を奥へ移すにつれてディティールを失い、
地平線を境に美しい青に変わる。
視線を上げ、首がそれに連動する。
視界に広がる青色は見上げるにつれて深くなる。
美しいグラデーションのところどころに、筆で乗せたような雲がかかっている。
今まで感じてこなかった類の美しさを感じた。
ここはどこなのだろう、
という当然の疑問が、遅れてやってくる。
あたりを見回しても一面の緑で、
建物も動物も見て取れない。
なんとはなしに歩き出し、改めて草と土の柔らかさに驚く。
どのくらい歩いただろうか。
景色は雲の動きを除けばほとんど変わらない。
いまいち時間の経過を感じないのだが、足が少し重い。
数キロは歩いただろうか。
時間の経過を測ろうと、空を見上げる。
ふと、さきほどから太陽を見ていないことに気づく。
得体の知れない恐怖が襲ってくる。
おずおずと足と首を連動させ、全天360度を見回す。
そこに太陽はなかった。
多分毎話このくらいの長さです(続くとは言ってない)