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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

唐突ですが不老不死になりました

 唐突ですが不老不死になりました。



 何言ってるかわからないと思うが、俺もわからない。ただ、理由はわからないけどステータスウインドウのスキル欄に不老不死があった。


 とりあえず本当に不老不死になったのかを確認してみよう。


 家の中で死ぬわけにはいかないので庭に出る。


 うちの家は王都の端にあるおかげで二階建てで庭も付いている。買い物に行くのが嫌になるほど遠いがそこは仕方ないと割り切ろう。


 よし、それじゃあ死んでみよう。でもどうやって死のうか。


 ……よし、俺の大好きな爆発魔法を使おう。この魔法は魔力を消費して爆発を起こすのだ。やっぱり爆発は浪漫があるからな!


 今回は爆発を起こす対象を俺にすることにより、体が爆発四散するというわけだ。


 それでは早速やってみよう。


「爆発魔法」


 ボンッ、という大きな音と共に俺の体だったものが飛び散った。


 あ、死んだわ、と知覚した瞬間。気づくと庭に立っていた。


 ……何が起きたんだ?


 周囲を見回すと俺を中心に小さなクレーターが出来ていた。


 間違いない。爆発魔法はしっかり発動した。それに自分が死んだ瞬間をしっかり覚えている。ということは不老不死のスキルがしっかりと発動したという事だろうか。


 俺が一連の事象について考察していると家の方からバタバタという音が聞こえた。音は少しずつ大きくなりバタンッ、という音と共にドアが開かれた。


「ちょっとちょっとちょっと!何!何なの!なんかすごい音が聞こえて来たんですけど!?」


 そう言って来たのは俺の妹だ。妹は今年で十五になる。容姿は整っていて兄からみてもものすごく可愛いと思う。学校での成績も良く愛想も良い為、男女関わらず多くの人に好かれているようだ。兄としては誇らしいかぎりである。


 そんな妹だが先程の爆発魔法の音で起きたようだ。髪が寝癖で跳ねている。これはこれで可愛いと思うが本人に言うと怒るので特に触れずにおく。


「おはよう、妹。 朝食は出来ていないからまだ寝てて良いぞ」

「うん、おはよう兄貴。それじゃあご飯出来たら起こして……って違うでしょ!何が起きたの!」

「俺が爆発魔法使っただけだが?」

「そんな物騒な魔法使わないでよ!周りの事も考えて!」

「すまん」

「もう!そもそも爆発魔法使う事なんてないでしょ!ってギャー!!兄貴なんで全裸で庭に突っ立ってんの!?」


 言われて始めて自分の体を見下ろす。そこには産まれたままの姿の自分の体だった。やけにスースーすると思ったらそういう事か。まあ気にするほどではないだろう。


 と、ここで重要な事に気づいた。


 せっかく妹がいるのなら第三者から見て自分がどのようになっているのかを確認してもらえるのではないだろうか。


 なら、よし。


「妹よ。今から死ぬから見ててくれ」

「……は?」

「爆発魔法」


 今度は威力を調整して自分の頭だけが吹き飛ぶようにしておいた。


 それにより先程よりも小さい音でボン、と鳴った。


 魔法はしっかり発動し俺の頭を吹き飛ばす。


 頭がないはずなのだが、自分が死んだ事を知覚した。すると気づけば庭に立っていた。


 早速、妹に確認する事にする。


「妹よ。しっかりと死んでいただろうか?」

「……」

「妹?」

「うっ」

「う?」

「オロロロロロロロロ!?」


 妹が凄い勢いで吐き始めた。


 仕方ない。実験はここまでにしてまずは妹の介抱をしよう。


 俺はいそいそと妹の嘔吐物を片付けた。











 妹の嘔吐物を片した後、俺は朝食の準備を始めた。ちなみにしっかりと服は着た。まだ四月なので寒いのだ。


 妹は顔色悪く、気持ち悪そうにしていたので朝食は要らないかと思ったが、どうやら食べるらしい。なので妹の分も用意しておいた。


 俺は先に朝食を食べ始める。暇なのでテレビをつけてニュースを見る。どうやら今日はいい天気らしい。布団でも干そうかね。


 ニュースを見ながら朝食を半分ほど食べたところで妹がやってきた。先程は寝間着だったが今はきちんとした服装をしている。


 俺は席を立ち妹のためにリンゴジュースを注ぐ。学校では大人ぶってブラックのコーヒーを飲んでるくせに家だとリンゴジュースを飲んでいるというギャップがすごく可愛い。


 妹はリンゴジュースを一気飲みして、俺に話しかけた。


「ねえ、今朝のあれは何。何で朝一から兄貴の肉片見ないといけないの?」

「実は不老不死になったらしくてな。本当かどうか確かめるために自殺してみたんだ」

「何それ意味わかんない」


 俺も意味がわからないがとりあえず説明した。


「……という事だ」

「一応、わかった。でも普通の人は死んでみようなんて思わないから」

「不老不死なのにか?」

「当たり前よ。そんなの怖くて出来ないし、ましては妹に死ぬ様子を見てもらおうなんて思わないから」


 そういうものなのだろうか。


 よくわからないが、妹の方が人付き合いをしっかりしているし常識的だ。つまり妹の方が正しいのだろう。


「なるほど。じゃあ今度は妹の前では死なないようにしよう」

「いや、そもそも死なないで。お願いだから」


 そう言う妹の顔には悲しみが映っていた。


 うちには両親がいない。両親は優秀な魔法使いだったが五年前に起きた災厄で命を落としている。


 幸い両親は遺産を多く残してくれたおかげで無事に生活出来ているが、両親を失ったという事実には変わりがない。


 だから妹は俺が死んでしまうという事に恐怖を抱いているのだろう。


 ……不老不死であろうとなかろうと危険な真似はしてほしくないという事か。


「すまんな。妹よ。今後は自殺なんてしないから許してくれ」

「……ふんっ。わかったなら良いのよ」

「お詫びとして今から出かけるか?」

「ほんと!?行く行く!」


 うん。どうやら妹の機嫌は取れたようだ。安心した。


 妹を悲しませるわけにはいかない。俺の大切な唯一の家族なのだから。








 ♤








 唐突ですが学校が始まりました。



 今までは春休みで学校に行く必要がなかったがそれも終わりだ。今日からは学校に行かなければならない。


 最近着ていなかった制服に身を包む。


「兄貴、行くよ!」

「ああ」


 妹は中学三年生になり、俺は高校一年生になる。


 俺達の通っている学校は小中高一貫生なので俺も妹も同じ場所だ。通う場所が変わらないというのは楽でいい。


 家を出てしっかりと戸締りをする。


 我が家から学校までの距離は徒歩だとお昼になってしまう。なので学校に行く時は飛行魔法を使う。


 飛行魔法はその名の通り空を飛ぶ事が出来る魔法だ。


 空なら障害物は多くないし、スピードを出しても問題ない。


 あえて問題点を挙げるなら魔力の消費が多い事だ。だが俺も妹も魔力量は一般的な魔法使いよりも多いので気にする事はない。


 俺達は飛行魔法を使って学校に向かった。









 学校に着き妹と別れる。


 俺は一人で始業式会場に向かう。


 会場に着く。そこは既に多くの人で溢れていた。


 見知った顔も多いが、知らない顔もある。知らない顔は高校受験組だろう。


 俺の通っている学校は小中高一貫性である。そうはいっても全員が進級出来るわけではない。最低限の成績でなければ進級は出来ない。そういう人達は基本的に学校を辞めて行く。


 他にも不慮の事故により命を落とす者や、学費を払えなくなり辞める人がいる。


 その開いた枠を埋めるために受験を行い外部から新しい人を入学させるのだ。




 閑話休題




 俺は親友を探す。一人というのは些か心細い。だから親友がいると助かるのだが。


 親友は美しい銀髪を長く伸ばしている。顔は中性的で髪が短ければ男性に間違われるかもしれない。とても美人だから探せばすぐわかると思うのだが。


 そう思って周りを見回すと親友を発見した。


 俺は親友に近づき、声をかける。


「よう。久しぶり。親友」

「ん、誰かと思ったら君か」

「休みは満喫出来たか?」

「学校にいる方が気楽でいいよ。家にいると親がお見合いの話ばっかりしてくるから」


 そう言う親友の顔には明らかに疲れが浮かんでいた。


「公爵の娘も大変だな」

「本当だよ。小国の王子とか言われてもね。自由恋愛がしたいものさ」

「親友は美人だからな。男が寄って集ってくるだろう」

「それは嫌だね」


 今度は親友は顔を顰めて嫌そうな表情をした。ちょっと面白い。


「ま、婚期逃したら大変だけどな」

「そしたら君が結婚してくれよ」

「ああ、いいぞ」

「いいのかよ」


 むしろ親友のような美人と結婚するのを嫌がる人はいるのだろうか。


「……君には付き合っている女性とかいないのかい?」

「いないな」

「ちなみに私のことはどう思ってる?」

「好きだが」

「それは友達として?それとも異性として?」

「さぁ?」

「さぁ、って…」

「仕方ないだろ。わからないんだから」

「ふうん。ま、今はそれでいっか。もし君が私のことを異性として自覚したら告白してくれよ。そしたら二つ返事でオッケーするから」

「その時がきたらな」


 こうして話しているうちに始業式が始まりそうだ。


 俺は親友の隣に並んで始業式の話を聞き流していた。









 始業式が終わりそれぞれ自分の教室へ移動する。今年も親友と同じ教室になったのでラッキーだ。


 教室で指定された席につき、これからの授業の説明を受ける。


 中学までは皆同じ授業を受けていたのだが、高校になると同じ授業は午前だけだ。午後からは選択授業となり、それぞれ自分が伸ばしたい分野の授業を受けることになる。


 親友とは隣の席になったので話しながら決める。


「親友は何を中心に授業を選ぶんだ?」

「私は基本属性の魔法授業を中心にかな。私が得意なのは基本属性だからね。君はどうだい?」

「色々だな。爆発魔法に関する授業は全部とるがそれ以外は興味があるものだ」

「ちょっと見せて」


 親友は俺が許可を出す前に時間割表を取った。


「……本当に色々だね。でも意外。不老不死とか興味あるんだ」

「俺が不老不死になったからな」

「どういう事?」


 俺は自分が不老不死になったという説明をした。


「えっと。つまり君は死なないのかい?」

「そうだな」

「不老不死になってどんな気持ちだい?」

「死なないって素晴らしいな」

「ふーん。じゃあその不老不死がいま、この瞬間になくなったら後悔する?」

「たぶんするんじゃないかな」

「そっか」

「?」


 よくわからないがこの話はお終いらしい。また時間割の話をし始めた。


 その後は教師の話を聞いて解散となった。


 それから数週間、平穏な日々が続いた。








 ♤








 唐突ですが災厄が起きました。



 災厄とは都市が崩壊する可能性がある魔物が襲撃する事だ。五年前に起きたばかりである。通常は数十年に一回あるかどうかのはずなのだが……。


 前回は巨大な狼だったが今回は巨大なドラゴンである。


 現在は騎士や冒険者と呼ばれる人が迎撃し、住民は地下シェルターに避難している。学生である僕や妹、親友も学校にある地下シェルターに向かっていた。


 ドラゴンは街を焼きながら空を飛んでいる。騎士と冒険者達は攻撃が通らず苦戦していた。


 だが騎士と冒険者が時間を稼いだおかげで王国の最強の魔法使い部隊が到着した。これでドラゴンが倒せる。誰もがそう安心した。しかし現実は非情だった。


 ドラゴンには魔法が効かなかったのだ。最強の魔法使い達はドラゴンにやられて、一人、また一人と地上へ落下していった。


 誰もが絶望を抱いた。妹や親友も絶望に打ちひしがれた顔をした。


 この時、俺は違う事を考えていた。


 ……俺はどうして俺が不老不死の力を獲得したのかわからなかった。別に不老不死を望んでいたわけではなかったからだ。だからこれは神の気まぐれによるものだと思い込んでいた。


 だが、今この瞬間、どうして俺が不老不死の力を得たのか悟った。


 ―――そうか。この日の為に不老不死を得たのか。


 そうとわかればやる事はただ一つだ。


 俺は飛行魔法を使って飛んだ。魔力を気にせずに飛んだ為、あっという間にドラゴンの元へとたどり着いた。


「GYAAAAAAAaaa           !!!」


 ドラゴンの巨大な咆哮により耳がイかれたようだ。途中から音が聞こえなくなった。


 まあ、どうでもいい。俺がやる事はただ一つ。


「うおおおぉぉぉおぉぉぉおぉぉおおお!!!!」


 腹の底から声を出し気合いを入れて飛んでいく。ドラゴンに向かって、一直線に!


 ドラゴンは巨大な口を開けた。すかさずその口の中に飛び込む。


 ドラゴンは俺が口に入った瞬間に思い切り口を閉じた。全身が潰れる感覚がする。


 あ、死んだわ、と俺が知覚すると気づけば五体満足の姿でドラゴンの口の中にいた。


 ドラゴンは俺が復活した事に気づかないまま俺を嚥下した。


 流れるままにドラゴンの体内を進んで行く。ドラゴンの体内はすごく熱い。まるでサウナのようだった。


 そんな事を思っていると目の前から炎が迫ってきていて、気づけば全身炭化していた。


 あ、死んだわ、と知覚すると俺の肉体は元に戻っていた。


 どうやらドラゴンがブレスを放ったらしい。ブレスはドラゴンの首を通って放たれるらしく、そこにいた俺は強火で焼かれたという事だ。


 その後も何度か焼かれてどうにかドラゴンの胃と思しき場所にたどり着いた。


 とりあえずドラゴンに魔法が効くのかを確かめる。


「水魔法」


 水で出来た薄い刃がドラゴンの胃を斬りつける。


 するととても小さな傷がついた。


 どうやら体内なら魔法のダメージは通るようだ。とはいえ何回も魔法を使えばドラゴンは俺の存在に気づいて吐き出してしまうかもしれない。だから、一撃で確実に仕留められる魔法を使わなければ。


 威力が高い魔法といえば俺の大好きな爆発魔法だ。しかしそれでは足りない。もっと威力の高い魔法でないと確実にドラゴンを仕留められない。


 何か良い案があるかと思って頭を捻った結果一つの案が生まれた。


 爆発魔法とは魔力を使い爆発を起こしている。なら不老不死を生かして魔力と生命力を混ぜ合わせて爆発魔法を使えば良いのではないだろうか。


 本来ならこんな危険真似は出来ない。何故なら魔力と生命力は水と油の関係だからだ。絶対に混じり合うものではない。もし混ぜようとすれば拒絶反応が出て死んでしまう。


 だが今の俺は不老不死のお陰で死ぬ事はない。死んでもリセットされる。つまり何度でも挑戦出来るとう事だ。ならこれしかない。


 俺は自分自身にある魔力と生命力を混ぜ合わせていく。もちろん拒絶反応が出て何度も死ぬ。


 時間は限られている。今もドラゴンは王都を暴れ回っているのだ。早くしなければ!


 途中で諦めそうになった。死ぬ時には強烈な痛みを感じるせいで心が壊れそうになった。でも。



 ―――ここでやらなければ妹や親友が死ぬ。それは嫌だ。俺だけ生き残るなんてそんなの許せない!



 そして奇跡は起きる。魔力と生命力が上手く混じり合ったのだ!


 この魔力と生命力が混じり合ったもの―――魔命力を使い魔法を発動させる準備をする。


 ……普段の爆発魔法とは比べものにならない程のエネルギーを感じる。全てを破壊する。どんなものでさえ壊す。そんな意志のようなものを感じた。


 俺の体の魔力と生命力が全て魔命力に変換され、いつでも魔法を発動できる状態になった。


 これはただの爆発魔法ではない。魔命力を使った特殊な爆発魔法。いや、もはや爆発魔法などとはいえない。そう、この魔法の名は……


「―――爆裂魔法!!!!」


 瞬間、俺の体の魔命力を全て使い大爆発が起きた。


 俺はドラゴンがどうなったのか、自分が死んだかのかどうかを知覚する事なく、意識が闇の中に落ちていった。








 ♤








 唐突ですが不老不死ではなくなりました。



 俺は爆裂魔法を使った後の記憶が無かったのだが、気づくと包帯ぐるぐる巻きにされて仰向けになっていた。


 どうやらあの後、ドラゴンは爆発四散し俺は上空から地面に向かってダイブしたらしい。


 結果全治数ヶ月の重症。医者には生きているのが奇跡と言われた。実際、全身が痛すぎて何も出来そうにない。


 病院で寝転がっているのも退屈なので、暇つぶしを兼ねてステータスウインドウを見た。するとそこにあったはずの不老不死のスキルがなくなっていたのだ。


 ステータスウインドウは自分のスキルを表す唯一絶対ものだ。そこに不老不死がないという事は不老不死ではなくなったという事だろう。


 その代わりに爆裂魔法が新しくスキル欄に載っていた。どうやら魔命力は不老不死でなくても使えるらしい。一度覚えた事は忘れないという事だろうか。爆発魔法を愛する者としてその上位魔法である爆裂魔法を使えるとは幸運な事だ。


 不老不死が無くなったのは残念だと思っていた。死なない事を生かして色々な事が出来ると思ったからだ。不老不死で困る事なんてほとんどないだろう。


 だが、俺は不老不死を無くした事を後悔していない。なぜなら……








 今日は俺、妹、親友の三人でベンチに座って昼食を食べている。


 病院を退院したら季節は夏となっていた。夏特有の突き刺す様な陽射しが肌を焼く。そのせいで外は暑いがこのベンチは日陰になっている。お陰で涼しく心地よい。


 購買で買ったパンを頬張りながら妹と親友を見る。いつも通りの二人、平和な日々だ。


 ……俺はこの日常に喜びを感じていた。二人がいるだけで毎日が楽しく、輝いて見えた。


 ふと、妹と親友が俺をじっと見ている事に気付いた。


「どうかしたのか?」

「兄貴、何笑ってんの?」

「君がそういう風に笑うなんて珍しいね。何か面白い事でもあったのかい?」


 どうやら無意識のうちに表情へ出てしまっていたようだ。


 普段なら適当に誤魔化すのだが、今日は自分の想いを二人に伝えたくなった。


 だから正直に言う。


「……俺はとても幸せ者だって思っただけだ」


 俺の言葉を聞いて二人はきょとんとしてしまった。それから二人は顔を見合わせた。そして、


「当たり前じゃん。こんなに可愛い妹がいるんだから」

「当たり前さ。こんなに素晴らしい親友がいるんだから」


 太陽のように明るい笑顔で言った。







 ―――二人の笑顔を守れた。それは不老不死よりもよっぽど大切で、後悔なんてあるわけないのだ。


















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