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リア充撲滅部隊VS  作者: こたつプードル
1/3

僕の運命は僕が決める!僕のリア充ライフは絶対に邪魔はさせん!!

 はじめまして、こたつプードルと申します。

 今回は皆の敵、私の敵、リア充になりたがる人を主人公として書いてみました。


 言葉を飾ることに意味はない。

っということで是非読んでください。

 リア充をご存知だろうか?


 「リアルに充実しているもの」


 彼女を作り、充実した生活を送っている人々のことだ。


 だが「リア充撲滅部隊」を知っているだろうか?


 僕は引っ越すまでその連中の存在を全く知らなかった。

 

 ■■■


 今、緊張と不安、そしてわくわくな気分でいる僕は転校生だ。


 高校二年生、17歳、今まで暮らしてきた田舎から都会に引越し、

これからは高校でたっぷりの青春が味わえる。


 彼女を作って毎日をハッピーライフにするという夢を持ちついに転校。

それなりに顔立ちも良く、性格だって優しい僕はきっとモテモテだろう。


 そんな最高な気分で向かった先の都市は、僕にとっては最悪の場所となった。


 街に着き引越し先の家は一軒家、とても綺麗で荷物の整理なども楽しく感じるほどだった。


 整理も終わり、街をぶらぶらしようと思い一人で出掛けた。


 お店もたくさんあり、迷ってしまいそうだ。


 僕にとっては、都会にある物全てが新鮮だった。


 街の景色を一時間程楽しんだのでそろそろ帰ろうと思い、家のある方向に歩きはじめると、

一人の男子高校生が僕にぶつかってきた。


 「いたっ!」


 その高校生は、僕にぶつかっておきながら、振り向きもせず走って行ってしまった。


 「人が多いからといって、ぶつかっても良いって言うのかよ」


 僕は腰を地面に着けたままそんな一人事を言って立ち上がろうとしたら、

先程の高校生をヘルメットをかぶり、ガスマスクを着けた特殊部隊のような人達が「バリカン」を持って追って行った。


 僕は今の光景を目の当たりにしてボーっとしていた。


 「あの、大丈夫ですか?」


 声のする方を向くとそこには僕と同じぐらいの歳の女の子が僕に向かって手を差し伸べてくれた。


 可愛い。実に可愛い、長い銀髪をなびかせながら、緑の輝かしい目で僕を見つめて綺麗な手を伸ばしてくれている。

この子と付き合いたいなぁ。


 「あ、ありがとう」


 その娘の手を取り立ち上がる。


 「お気を付けて」


 その娘が小さく笑い行ってしまいそうになる。


 「あ、あの!」


 つい呼び止めてしまった。


 「出来ればその、お、お名前だけで.....!?」


 いきなり今まで味わったことのないような感覚がした。


 何だ?この感覚、まるで身体に氷を当てられたように冷たい視線を感じる。

人ゴミのなかを見回す、すると建物の影にさっき男子高校生を追って行った連中と同じ服装をした人間が僕をしっかりと視界に捕らえていた。

 

 「あの?」


 そいつは僕しか見ていない、明らかに僕を見ている。

突然のことで身体が固まる。


 「あの?」


 「ッハァ!」


 先程の女の子の声で我に帰る。


 「なんでしょうか?」


 「い、いや、なんでもないです」


 そう言ってまた建物の影に目を戻す。


 しかしさっきの人間はいなくなっていた。

一体アイツ等はなんなんだ。


 家に帰り、夕飯を食べた後もまだアイツ等のことが気になっていた。


 「一体なんだったんだ」

 

 両親に話そうとはしたが、巻き込みたくないというのと、信じて貰えるか分からなかったため、話すのは止めた。


 「まぁ、いいか」


 僕は、明日は転校して始めての学校だし、はしゃぎすぎたというのもあり、疲れが溜まっていたので寝ることにした。


 ■■■翌日■■■


 「始めての高校か、緊張するなぁ」


 僕は深呼吸をしてから学校へ向かった。

 

 数分歩いていたら、同じ制服を来た高校生達が見えてきた。

僕はさらに緊張したが、やはり都会の学校にわくわくしていた。


 すると後ろから誰かが僕にぶつかってきた。二回目、この先、何回人とぶつかるんだ。

まだ引っ越してきて二日目だぞ。


 「ごめんなさい、急いでて」


 しかもありふれた台詞。

しかし聞いたことのある声だな。


 振り返ると昨日の女の子だった。


 「あ、昨日の!」


 「え?」

 

偶然の再開、しかも同じ制服、やはり運命か!?

 

「昨日はありがとう」


 「いや、別に大したことじゃないから。それよりここの学校だったんだね?」


 「ううん、今日からここに転校してきたんだ」


 するとその女の子の後ろから一人の男子息を切らせながら走ってきた。


 「小日向、別に遅刻しそうな訳じゃないんだから走らなくたっていいだろう?」


 小日向っていう苗字なのか。


 「私は、委員長なんだから、皆より早く来てるのが当然でしょ?」


 二人が話しはじめる。

僕が先に話していたのに、何故に僕がはぶかれているんだ?


 「ん?はじめて見る顔だなぁ、知り合い?」

 

 「ううん、昨日ちょっと転んでたから、今日からここの高校に転校してきたんだって」

  

 「そうだったか、ゴホン!お初にお目に掛かる、俺は、上木かみきしゅうだ」


 は?何コイツ、僕を転校生だと思って僕のことナメてるな?

ここは一発、かましてやるかな。


 「そういえば、君、名前なんて言うの?」


 「夢伊ゆめい空喜そらきです」


 小日向さんに聞かれてしまったのでついすんなり答えてしまった。


 「へぇ、空喜クンって言うんだ、私は小日向こひなた緒登おとっていうの。よろしくね」


 「はい、よろしくお願いしますッ!?」


 昨日の感覚!

 

 まただ、またあの視線を感じる。

周りを見渡す、どこだ、一体どこに?


 見当たらない、気のせいだったのか?


 そういえば、登校終了時間っていつまでなんだ?


 「小日向さ・・・」


 あれ?いない。


 考えて見れば急いでいると言ってたな、仕方ない。

上木君に聞いてみよう。


 「あの、上木く・・・ん・・・・?」


 さっきまで明るかったのが嘘のように真っ青な顔をして一切喋らない。


 まさか、上木君も視線を感じたのか。


 そのまま一言も喋らないまま学校に着く。


 登校終了時間は8:30までだったようだ。


 それにしても、昨日からいるアイツらはなんなんだ。


 「おう、夢伊、だっけ?」


 上木君が話しかけてきた。


 「あ、どうしたの?上木君」


 「いや、クンはよしてくれ、むずがゆくなる」


 「上木様?」


 「いやいや、呼び捨てでいいよ」


 「わかった、で、どうしたの?」


 「お前も気付いたんだろ?」


 予想は出来た、確かに視線は感じた、だがあえて


 「・・・・何に?」


 と言った。


 「お前は登校中に視線を感じなかったか?もしくは身体がひやっとしたり?」


 やはりか。


 「うん、確かに視線は感じた。」


 「やっぱりか、お前はそこそこ顔立ちがいいから、もしかしたらと思ったが」


 顔立ちがいい?まさかコイツ!?ホ・・・。


 「あの・・・?」


 「あいつら、俺の予想では顔立ちがいい奴等、イケメンを狙ってるんじゃないかと思うんだ」


 「狙う?」


 「あぁ、恐らく俺達を捕まえて何かをするつもりなんだろう」


 「何かって?」


 「それは分からないが・・・」



 ■■昼休み■■


 弁当はほとんど食べれなかった。


 思いだしてみればあの連中常にバリカンを持っていた。

しかも、僕や上木のようなイケメンの様子ばかりを伺っている。


 狙われていると言われれば信じられる。

 

 だが観察をされているだけで別に何かをされたわけでもない、それに、いつ、どこでも、視線を感じているわけじゃない。

となるとイケメンだけが狙いってワケじゃないような気もする。

 

 つまり、上木の予想は外れている可能性が高い。


 だからと言って転校初日でいろんな人に「アイツ等」について聞きまわるのも厳しい。


 考えれば考えるほど不安になる。

このことはまた後で考えよう。


 僕は机に顔をつけた。


 「ねぇ、夢伊君」


 いきなり話しかけられたので少し驚きながら顔を起こした。


 「前はどんなところに住んでたの?」


 僕の周りはいつの間にか囲まれていた、しかも女子ばかり。


 これこそ僕が夢にまで見た状態。


 ここから質問ラッシュ、昼休みは女子との会話できっと終わるだろう。


 「ここに引っ越す前は結構田舎に住んでたよ」


 「じゃあ、今までやってたスポーツとか習い事は?」


 「えっと、テニスを3年くらいやっていたかな!(キリ」


 数分女子と話していると、昼休みギリギリになったときに、視線を感じた。


 また奴等がどこかにいるのか。


 しかし学校まで入ってくるわけはない。


 念のために教室を見渡す。


 やはり教室にはいない。

ほっと息をついた。


 「ねぇ、夢伊君、もう一つ質問何だけど」


 「あ、あぁ、いいよ、どんどん聞いてよ」


 「夢伊君って好きな子とかいんの?」


 え?聞いちゃう?それ聞いちゃう?

これはいい感じの予感、学校初日に、早速モテモテ!?


 「そうだなぁ、今はまだ転校初日だし・・・」


 ふと僕が窓の方に目をやる。


 するとそこには「アイツ」がいた。


 建物の屋上で身体はこちらに向けている。


 やはり僕を見ているのか?


 しかし、学校には何名もの生徒がいる。

僕だけを本当に見ているのか、疑いたくなる。


 でも、冷たい視線は感じる。


 絶対僕を見ている。


 怖い怖い怖い。


 「ご、ごめん、ちょっとトイレ」


 僕はその場から逃げたかったので、とりあえずトイレに向かった。


 先生やこの地域に詳しい人に聞いてみようかな。


 ひょっとしたら助けになってくれるかもしれない。



 ■■■放課後■■■


 「失礼します」


 僕は職員室に行き担任の少し太り気味の先生に昼休みのことや登校中のことを話すことにした。

 

 「おぉ、夢伊じゃないか、どうだ、学校には慣れたか?」


 「まぁ、みんな優しかったのですぐにこの学校は好きになれそうです」


 「そうか、で、何のようだ?」


 先生に今日の出来事を話す。


 「・・・・」


 「・・・・なるほどな」


 「・・・・はい」


 「でも、そんな奴等を見たと言う生徒は一人もいないぞ?お前の勘違いじゃないのか?」


 「そんな・・・・」


 僕の話を全く信じてくれていない。


 「お前、田舎育ちだろ?きっとこっちにきて間もないから色々見て混乱してるんじゃないか?」


 役にたたない教師だ、混乱した程度で普通の人が特殊部隊の制服着た人間に見えるんだったら、病院に行くだろ。


 「そうですね、今日はゆっくり休みます」


 そういって職員室を出た。


 結局、何の解決にもならなかった。


 ■■■


 家に帰り、改めて今日や昨日のことを考える。


 なぜ奴等バリカンを持っているんだ。


 そういえば、僕が女子と話すと視線を感じた。


 昨日、小日向さんと会った時も。

 

 朝、小日向さんとぶつかった時も。


 昼休み、僕が女子に囲まれているときも。


 つまり、女子との仲を深めようとすると、危険ということか。


 だったら、視線を感じた瞬間に、悪口などを言って一時的に敵の狙いを僕から外すということはできないだろうか?


 僕はもてたい、彼女を作りたい、デートをしたい。

そのためだったら何だって出来るし、どんなことだってやって見せる。


 僕はノートを取りだし、作戦を立てる。


 奴等は学校の中では僕に狙いをつけるのが少し遅かった。

恐らく特定した後、僕に狙いをつけられる距離と高さがぴったりの建物を探しているんだろう。


 そして、奴等は一人ではない、つまり今日僕を観察していたやつが明日も僕を狙うということはないかもしれない。

 

 ならば明日もきっと建物探しから始まるはず。


 とりあえずこのことを明日、上木に話、彼女を作る作戦を一緒に考えよう。


 そして僕は高校生活を最高のリア充ライフにする!


 ◆◆火曜日◆◆


 登校中、昨日まとめたノートを眺める。


 前は見えないが、今の所人通りも少ないしぶつかることはないだろう。


 しかし、後ろから足音。

こちらに走ってきている。


 僕はノートを閉じ、少し右にずれる。


 「ゴフッ!!」


 やはり、ぶつかったか。

しかも、少し右にずれたせいで、真後ろからタックルされたに等しい。


 「畜生!なんなんだよ!」


 後ろを振り向く。


 そこには金髪の身長は小さめの女の子が倒れていた。

可愛い。


 「ごめん!ケガはない?」


 紳士的な態度で接する。

よくみると膝をすりむいている。


 「いたた、いきなり横にずれてこないでよ!!あんたのせいで怪我をしたじゃない!!」 


 は?あんたのせい?

僕が悪いと?

こっちは優しさでずれてやったのに、このチビは僕の優しさを踏みにじると言うか!!


 許せない。

 

 「これからは気を付けてよね!全く!!」


 その娘が立ち去ろうとする。

 

 だが、そんなことを言われて、黙ってるような僕ではない!!


 「ふざけんじゃねェェェェェェーーーーェェェー!!!!!」


 僕はその女子の袖を掴み、テニス3年間でマスターした「背負い投げ」をお見舞いした。


 「フゴォ!!!」


 女子の声とは思えない低い声をだし、その場から動かなくなった。


 「お前、最低だな」


 いきなり後ろから声が聞こえた。


 振り向けば上木。


 「女子相手に技を仕掛ける男子がどこにいる?」


 呆れ顔で言われる。


 「普通の男子である僕がやってるんだから、どこにでもいる」


 「そんなことより上木、俺、奴等のことを昨日考えてみたんだ」


 昨日、まとめたノートを見せる。


 「確かに、女子と話しているときによく視線を感じるな」


 「どうやって特定してるのかは分からないが、奴等に見つかる前なら彼女を作ることが可能だ!」


 僕達が作戦の計画で盛り上がっていると、僕達を抜かして早歩きで学校に向かってる男子がいた。


 「あれ?あいつどこかでみたような・・・」


 思いだした!引っ越して着たときに僕にぶつかって走り去った男子だ。

近くで見ると体が思ったより大きく、なぜか深くニット帽をかぶっている。


 もう、あのときの怒りは収まったが、奴等に追いかけられていたということは、何か知っているかもしれない。


 「ねぇ、君」


 僕はその男子に声を掛ける。

だが振り向いてくれない。


 近くに行き、肩を叩く。


 「な、なんだよ・・・」


 帽子を抑えながらこちらを向く。


 「一昨日、君を追いかけてた奴等、何者か知らないか?」


 「ッ!!」


 いきなりその男子が震えだす。


 「う、うわああああああああああああああああ!!!」


 いきなり走りだそうとするから、僕は手を伸ばして止めようとした。

彼の帽子をつかめたので引っ張った。


 帽子が彼から外れる。


 男子が止まる。


 僕はその男子を見上げて、質問をしようとした。

しかしあまりに衝撃的な光景も目の当たりにして言葉が出なかった。


 その男子の髪の毛は、十字型にバリカンで剃られ、残った髪の毛はみつ網にされ、なにかを塗られたように固められているようだった。

 

 これは酷い。


 ブッサ。

これじゃ永遠にモテないよ。


 その時、ふと思った。

 奴等の狙いは、モテそうな奴を捕まえ、バリカンでブッサイクな仕上がりにすることが目的なのではないか?


 この、顔面格差社会でイケメンを殺すことこそが奴等の狙いだっていうのか?


 読んでくださいました、本当にありがとうございます。

 

 これからも連載続けていくので、これからも是非読んでください。


 気になるところなどがあった場合、感想なども書いてくれたらとても嬉しく、ありがたいです。

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