どういうことだよ!?
どうも、山石悠です。この度、ここのデザイン等が変わった影響か投稿ができるようになりました。やったね、悠君。投稿作品が増えるよ!!
まあ、それはいいとして……。本作のテーマは『恋愛』です。高校生の身分である僕にとっては青春の一ページにでもなりそうなものです。しかし、もてないんですね、残念。
それでは、恋愛をテーマにしたコメディー作品集『長谷川辰巳の日常』シリーズの五作目、『どういうことだよ!?』スタートです。
――――あなたのことが好きです。
……よし、捨てよう。下駄箱に入っていた差出人不明の手紙。それを見つけて、開いて、一文読んで捨てると決心。ここまでに一分かかった。どうだ? 普通だろぉ? ここはあくまで「普通」だ。決して、「ワイルド」ではない。俺には古いネタを使う趣味はない。……ゴホン。失敬、す○ちゃんよ。俺はお前のこと、嫌いじゃないぜ☆
まあ、それはどうでもいいと言えば、どうでもいいのだ。俺が赤と言えば、この背景も赤。俺が面白いと言えば、この話は面白いのだ。……え?そんなこと言う奴は嫌いだ? ま、待ってくれ!! 俺のことは嫌いになっても、この話は嫌いにならないでくれ!!
申し訳ない。いきなり、ラブレターが来るもんだから、動揺しちまったぜ。そのせいだろうか? クシャクシャに丸めたラブレターが鞄の中にある。俺は慌てて鞄からラブレターを出す。ホントに、この手紙いつ読むの? ……今でしょ。と、言うことで、手紙の続きを読む。
――――松田先生との鬼ごっこをしている時に、初めてみました。
なるほど、あのおにごっこの時か。懐かしいな。それで、続きを読んでみよう。
――――始めは、変な人だなと思っていました。でも、それは少しずつ無くなって行きました。
俺は、嫌われていたらしい。思いつくことは星の数ほどあるので、問題はない。……え? それはそれで、問題だって? 今更、そんなこと気にしている余裕はない。早く先に進もう。
――――テストの結果、学校の治安維持、ユーモア。様々な面で、あなたについて知る機会ができるうちに、今までに感じたことのない感情が生まれました。
どうやら、俺は初恋の相手らしい。俺は気がつかないうちに誰かに見られていたのか? ……気がつかなかった。どうやら彼女は、相当の熟練した隠密スキルを持っているらしい。今度、教えてもらうことにしよう。
――――この感情について調べていくうちに、私は一つの結論に辿り着きました。それは、私があなたに恋しているということです。
ヒャッハーーー!!!! 俺に春が来た!! ついに、ついに彼女ができるのか!!
…………いや、いったん落ち着こう。これは間違いかもしれない。俺以外にトン松田と鬼ごっこした奴がいるかもしれないじゃないか。
深呼吸をして、続きを読む。この中に名前がないのなら、直接行って渡すしかない。
――――長谷川君。
あ、俺の名前だ。この学校で『長谷川』の名字を名乗っているのは、俺一人だ。ということは、これは本当に俺当てなのか!?
――――私は、あなたのことが好き。この言葉を直接伝えたいので、放課後の五時に北校舎の屋上に来てください。
直接的な言葉キターーーー!!!! これは勘違いのしようもないだろ!!
俺の脳内では、ミニチュアの俺が盆踊りをしてる。なぜ盆踊りか? それは俺が、盆踊りしかできないからだ。本当なら、タップダンスでも踊る場面なのかもしれないが、そういうことなので気にしないでほしい。
俺は、ワクワクしながら放課後を待った。どうでもいいが、授業中に十回怒られた。トン松田の授業は無かったので、本当に助かったと思う。
ガチャ
「……失礼しまーす」
俺は、ゆっくりと屋上の扉を開く。沈みそうな夕陽が、校舎を紅く染めている。これぞ、告白する時のベストシチュエーションだな! と、テンションが上がる。そして、フェンスのそばに一人の少女!! 何処かで見たことがある気がするが気にしない。彼女が手紙の持ち主だろう。俺は、彼女に声をかけようと一歩前に出た。
「あのー、君が……」
♪~♪~ ピッ
「もしもし……え? 何を言って……あ、切れた」
どうしたのだろう。俺が声が書けようとした時、電話がかかってきて、彼女が電話に出た。何やら、いたずら電話か何かのようだ。俺は、もう一度声をかける。
「あのー」
「きゃあ!! ……は、長谷川君!? ど、どうしてここに!!」
「え? 君がこれを出したんじゃないのか?」
「そ、それは……」
俺が出したのは、あの手紙。しわの方は俺の手作りアイテムで消した。すごいだろ? 機会があればお前達にやらんでもない。
「これは、お前が出したのか?」
「いいえ。私のだけど、私は出してない。……ハッ! け、恵子ォォォォ!!!!」
彼女はいきなり叫びだした。おそらく、誰かが勝手に出したのだろう。そして、その犯人が恵子とやらだ。俺はそれを察して、彼女に言った。
「あー、俺はどうしたらいい?」
「あ、ああ。え、えっと……もういい!! 長谷川君!!」
「な、何だ?」
いきなり大声で俺を呼ぶ。それに驚きビクッと体がはねたが、気にすることはない。彼女は俺を見て、ゆっくり口を開く。
「私、あなたのことが……」
♪~♪~ グシャ!
軽快な音声を流していた彼女の携帯はもはや物を言わない、鉄の塊と化した。……何つー怪力。
「長谷川君。私、松原千夏は、あなたのことが「ちょーっと待った~~!!!!!」……今度は何?」
彼女、松原とやらの告白を邪魔するように、誰かが乱入してきた。俺は、声を聞かなくても分かることにいやな気分がする。そして、次のセリフすらも分かる。そのセリフとは「それは、私達が……
「それは、私達が愛し合っている証拠ね!!」
「愛し合ってねえよ!!」
「だ、誰!? 私と長谷川君の『私とあなた~友人から夫婦まで~全五十話』を邪魔する気!?」
「なんだよ!! そのドラマのタイトルみたいなの!!」
俺は思いっきり、二人に突っ込んでしまった。俺は悪くない。悪いのはこいつらだ。
「そういえば、あなたは誰よ!!」
「私? 私は、長谷川メリー!! 長谷川辰巳の嫁よ!!」
「な、なんですって……」
「そういうあなたは誰?」
「私は、松原千夏。長谷川君の……彼女よ!!」
「お前ら、俺に何の断りもなく決めるな!!」
頭にきたので、げんこつを一発ずつ入れておく。これで、頭は冷えるだろう。冷えないのなら、精神病院に送ってやる。
「「長谷川(君)!!」」
「な、何だ……」
「「私とこいつ、どっちかを選んで!!」」
「選べるか!!」
思いっきり叫ぶと、二人は俺の腕をつかんで引っ張る。痛いので勘弁してください。俺は精いっぱいの抵抗として、逆に引き返す。
「や、止めろおおおおお!!!!」
「「きゃあ!!」」
俺は、思いっきり二人を引っ張って押し倒す。ここで、手を離してくれると思ったのだが、手はつかまれたままだった。女の子とはいえ、人二人を支えるのは厳しかった。俺は、二人を押し倒すようにして、倒れた。ここ、『押し倒すように』が肝心だ。
ガチャ
「うるさい。下校時間は過ぎて……長谷川。また貴様か」
「と、トン松田!!」
「フフフ、長谷川よ。俺、昨日は徹夜でなア、いらいらしているんだ。ストレスの発散に手伝ってくれるだろ?」
「お、お断りだ!!!!」
俺は、それだけ言うと、屋上から飛んだ。すぐに一回下の窓から飛び込み、逃げる。やばい。捕まれば、dead or dieだ。死ぬか死ぬか?何これ?どういう無理ゲー?
俺は本気を出して逃げたが、鬼ごっこは十分で終了した。え? 結果? そんなの俺の負けに決まってんだろ陸将!! ……すまん、畜生だった。いや、『陸将』と『畜生』は似ているな。紛らわしい。
最後に余談だ。
もう一度言うが、俺は捕まった。今回は高校の全教員による説教大会だ。いっぺんに言うくせして、内容は喋らせたりで、日が昇るまで続いた。おかげで、同時思考が五十同時展開が可能になった。
お陰で、最近のテストは全教科満点で、一位を爆走中。このまま、期末も一位だと言われている。正直、興味はないが。
それと、松原というのは同じクラスの学級委員長だった。まさか、と思ったね。松原からは、手作り弁当を食べさせられたこともあった。その分、夜はメリーが押し掛けてきて、夕食を作った。迷惑だったのだが、うまかったし、「長谷川君(辰巳)のため!!」と言われると、強く出れない。俺はこれでも、純情な高校生なのだ。
このことについて両親に相談すると、父さんは「両手に花か? 羨ましい身分だなあ!! ハハハ……」という感じで、使えなかった。それと、最後の笑いが怖いです。母さんも勉強しか言わないので、無駄だ。
さて、俺の愚痴という余談はこのくらいにしよう。次は、面白いことを期待して俺は部屋の電気を切った。
アハハ、やっちゃったぜ☆
こんな感じに終わりました。今回出てきた松原さんは『月刊少年カオス』の創刊号の中にある『よそ様の物語に乱入してやる!!』に名前だけ出てきました。今回は九月の終わりごろです。ついでに、前作が六月の中ごろです。
長谷川君はいたずらが好きではありますが、根はまっすぐです。通すところはきっちり通すはずです。
前回が普通ではない話でしたので、少し軌道修正。軌道が修正されているといいです。
それでは、また僕の話を読んでくれる方がいることを願います。
See you next time!