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鬼ごっこしよう

どうも、山石悠です。


友人の一言により、長谷川君にはもう少し、いろいろとやらかして貰うことになりました!


今回、長谷川君がするのは鬼ごっこです。皆さんも一度はなさったことがあると思います。ですが今回長谷川君にしてもらうのは彼の生命を懸けた地獄の鬼ごっこです。


それでは、お楽しみいただければ幸いです。

むかつく。今日は松田に説教されたんだ。全く何時間話してるんだよ。いらいらする。……ん? あそこにいるのはいかにも不良ですと言わんばかりの集団。俺がこんなに疲れているというのに、好き放題している奴ら。考えたら、少しいらっときた。……少し、ちょっかい出してやろう。



「あーあ!! 不良とかだっせー!! あんなバカみたいな恰好して、自分がバカだってアピールしてるんだよな!!」



と、思いっきり大声で、わざとらしく言ってみた。ちらりと、不良たちの方を見ると、奴らのボス的な、一番体のでかそうな奴が、キレ気味に叫んだ。



「あいつ、ぶっ殺せ!!」

「「「「「死ねええ!!」」」」」



喧嘩に関しては俺は素人であいつらは玄人だ。それに俺は一人、奴らはざっと二十人はいるだろう。一瞬で思考した俺は足元にあった石をボス的な奴に投げ、後ろを向いてオリンピック選手も逃げ出すほどの勢いで走り出した。

後ろを確認しない。しかし、うまくボス的な奴に当たったようで、周りの奴らが慌てている声が聞こえる。



「ぐへっ!!」

「「「「「ぼ、ボス!! 大丈夫ですか!!」」」」」

「俺はいい!! 奴を見つけ、俺の仇を討ってくれ!!」

「「「「「ぼ、ボス…………まかしてください!!」」」」」



どこのマンガだと突っ込みたくなるような、お涙ちょうだいな話にいらいらしつつ、逃げることについて考える。俺はよく分からないので、とりあえず大通りに出た。木を隠すなら、森の中。人を隠すなら、人の中だ。俺は、不良たちが見えなくなったのを確認して、一息をついた。



「……ふぅ、疲れた」



不良たちはそれぞれ分かれて探すことにしたようだ。それにしても指揮系統がしっかりしすぎている気がする。なんか集団行動もできていてなんというか軍隊だなと思った。どうしてなんだ、不良は勉強できない奴の代名詞のはずなのに。俺はとりあえず家に帰ってしまえばなんとかなると考え逃走経路の多い道を使うようにした。少々遠回りだが背に腹は代えられない。そいうことで、とりあえず呼吸を整えて歩き出した。



その時携帯が鳴った。どうしてかその時はシーンとしていた瞬間だった(その、よくあるだろ。クラスのみんなが黙ってしまうときって。あれと同じだ)。周りの人たちがチラッとこっちを見る。そして不良たちもこっちを見る。ギクッなんていう声をあげそうになるくらい驚いた。そして頭が状況を理解する前に体が動いた。



俺の体に鞭打って走った。いまどこにいるのか、どこへ向かうのかも一切考えないで走った。不良たちは先回りをしたりで少しずつ俺を追い詰める。俺はとうとう体に限界が来てドサッと倒れた。不良たちは嫌な笑みを浮かべてこちらに来る。俺はもう駄目だ、終わったと諦めた。だが、天は俺に味方した。



「こらあ! 君たち、そこで何しているっ!」



ピンチの俺のもとへと駆けつけたのはお巡りさんヒーローだった。一般の学生の敵が不良であるように不良の敵は警官と相場が決まっている。俺はやった! とガッツポーズして蜘蛛の子を散らすように逃げた不良を見て「ざまあみろ」と思った。俺はもう逃げなくていいと思った。お巡りさんにお礼を言って俺は家に帰………



………れなかった。なぜならばらばらになったはずの不良たちはまた俺の目の前にいるからだ。速い!集まるのが速すぎる!俺は泣きたくなるのをこらえて走った。走って走って走った。走りながら俺はまだこの鬼ごっこをしないといけないようだと理解した。そして角を曲がったところで目に入ったゴミ箱に入った。



頑張って逃げ切ったか? いや、まだ外から不良どもの声がする。俺はゴミ箱のふたをそうっと開けて様子を見る。不良たちは俺を見失っていらいらしている。この調子ならなんとか逃げ切れそうかなと思う。そうして息をひそめていると不良たちはみんなどこかへ行ってしまった。俺はそっとゴミ箱から出てきて家へと走った。






……ついた。なんとか逃げ切った。ここは俺の家の前。不良たちのいる所とはかなり離れている。今回は松田の時のように家に入るまで油断はしない。うちに帰るまでが鬼ごっこなんだ。俺は慎重にあたりを確認しながら玄関の前に来て、急いで戸をあけて家に転がり込んで戸を閉める。ふうっと一息。やった、今回は俺の勝ちのようだ。戸を背にして座り込んでいたので体を起そうとして………止まる。



なぜ俺は止まったのか。それは家に魔王がいるからだ。その魔王とは一家で家という城を守る最強の存在。そう、母親だ。俺はがちがちの体を動かして今の時間を確認する。今の時間は夜の十時。我が家の門限は七時だ。つまり三時間の遅刻。魔王と化した母を見てろくに動かない頭を動かして言い訳をしようとする。



「すいません。鬼ごっこしてました!」



最悪だった。言い方が悪すぎた。そして俺は今日の晩飯から三食抜き、小遣いはしばらく(これからの俺の行いよって変わるが)なしになった。そして三食食えない育ち盛りの高校生はどうなるだろう。



次の日、俺は六時間目の体育の時に栄養失調で倒れた。その日はいろいろと忙しくなってしまって疲れていたのもあったのだろう。



………そんな俺は倒れた日から数日分の記憶がない。

ありがとうございました。どうでしたか?


個人的にはちゃちな話だと思います。


まあ、そんな話でも読んでいただけたことに感謝です。


また機会があれば、またこれからも出す予定の長谷川君の生活について楽しんでいただければと思います。


それでは!


See you next time!

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