持ち腐れ
両手で顔を覆って目を瞑って、両手を開けると夢が叶っている。夢想家の清は考えている事が古い。引き出しや扉を開けると行きたい場所に行ける。その考えはもう挙げられている。何かを変えなくてはいけない。清はまた考え出す。誰もいないリビングで一人炬燵に入りながら。
小学生のような高い声の挨拶が聞こえてきた。清の家に来たのか、隣に家に来たのか分からなかった。声の高い女が隣の家の爺ちゃんと話し出した。いらなくなった金やテレホンカードを集めているらしい。会話が聞こえてくる。女は上の人間にノルマを与えられているらしい。笑いながらそう溢した。清は詐欺かもしれない事を平気でする人がいる事に驚く。
「こんにちわ」元気な女子小学生の様な声がまた聞こえてきた。清は身構える。また聞こえてきた。「何ですか?」清は玄関から顔だけ出す。
「いらなくなったネックレス、またテレホンカードはありませんか?集めています。」
「ないです。お引き取り願います」
「いやあるはずです。この家は古くて、お婆ちゃんの匂いがするからあります。探してください。いま私の国では、古くなったテレホンカードや日本の古い品物が高く売れています。私は調達しなければなりません。」清は何も言わず玄関を閉め鍵をかける。「あるな、この家には金になるものがある、だから閉めたのでしょ。また来るよ」女は消えていった。
次の日またあの声が聞こえてきた。
「今日も来たぞ。家にあげてくれー」本物の小学生みたいだ。「私に協力してくれ、お返しはするから」近所迷惑になるぐらいの声で言っているので、清は探して見つけた、テレホンカードを渡して「もう来ないで」玄関を閉める。「絶対まだある。もっと探して、この家は何かあるから」女はそう言い残した。
またあの声でやってきた。「こんにちは、まだ何かあったかーい」清は玄関から出て女と対面する。「無いからもう来ないでね」清はそう言いながら、お土産用のウイスキーの小瓶を渡した。「ありがとう、この家はもう少しで無くなるよ」女がそう言って去って行った。
この後、大地震が発生して清と家は瓦礫にとなった。




