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ギークのがらくた病  作者: 都築優
prologue
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APPLE PowerBook2400

昔の同僚からさっきメッセージが届いて、電話してもいいかの確認だったので構わないと言うと、すぐに掛かってきた。

私と電車に乗っていて難波に行くはずが六本木に着いた夢を見たのだとか。夢の中で私は別にいいんじゃないのと気にしていなかったそうだ。

近況を話して、確かに私はそのくらい乗り間違えているかも知れないと答えた。その子は柴山さんといって一度振られた事がある。

何でジャンクばかり欲しがるのか、何でWindowsとかMacOSみたいな最初から入ってるやつを使わないのか、別にシステムエンジニアやってる訳でもないのにというときっとその頃の経験が関係してると思う。

当時営業の仕事をやっていて、某光回線の契約を訪問販売していた。成績は酷いものだったがそれはいいとして、凶野くんというパソコン関係に詳しい友達が出来た。某国立大学の哲学科出身だそうで、持つ知識は幅広くかつ深慮に長けた素晴らしい人物だったが営業の成績は僕と変わらず底辺付近だったので気が合った。

私は元々マック使いで、PowerBook2400、愛称をCometというOS Xになる前のノートパソコンが一番最初のマシンだった。元々PowerPC603e180MHzのCPUをG3の320Mhzに変えたり、PCカードスロットをカードバス対応にする為に分解して抵抗を取り除いたり、RAMが基盤上の16MBとモジュールの64MBを足した80MBしかなくて、でもチップを亀の子状にハンダ付けして14pinをジャンパさせて増やした96MBのモジュールを自作すれば112MBに出来る、基盤の方の16MBを殺して120MBモジュールを作れば最大化出来るという情報を知ってハンダゴテ買ったり、色々と手をかけた。

低いスペックだがさくさく動作して重いと思ったことがない。クラリスワークスとフリーのCuTEというエディタで文を書くだけのライトユーザーには充分だった。

プリエンプティブマルチタスクもメモリ保護も無い OS8.1でも滅多にクラッシュなんてなかったし早くて快適だった。

雑誌付録のLedHat LinuxのPowerPC版を入れた事があるが一度MacOSで起動してからコントロールパネルでLinuxを選んで再起動しないと使えない仕組みで、常用出来るようなものではなかった。

Appleの主力がG5がIntelに変わる頃まで使い倒したが、買った時には数十万円した愛機がその頃にはジャンク屋で4000円で売っていた。

少年マンガみたいなインフレーションに最新機種を新品で買うというのは虚しいものだと心底思った。ジャンクと軽量小型ノートパソコンへの偏愛はそれが原体験になっている。

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