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たつのおとしご

作者: 川進

たつのおとしご




からすは、

えさを、

見つけた。


水たまりに。

たつのおとしごが、

からだを半分沈めて、

ぼんやりしている。


後ろから、

歩いて、

静かに近寄る。


くちばしを。

大きく開けた時。


たつのおとしごは、

振り向いて、

甲高い声で。

叫んだ。


おれは、

りゅうだ!


からすは、

笑った。

笑いすぎて、

食べられない。


おまえが、

竜?


そうだ!

じいちゃんは、

りゅうに、

なって!

てんごくにいった!


死んだらか。

生きてる間は、

その体か。


そうだ!

もんく、

あるか!


真剣に、

叫ぶ。


だけど。

お前は、

どうして、

ここに居るんだ?


たつまきに、

つれてこられた。


つまり。

迷子か。


たつのおとしごは、

体を震わせて。

目を潤ませた。


なら。

海まで、

のせる。

ほら。


からすは、

頭を下げた。


ほんとに?


ほんとだ。


なんで?


なんでもだ。


たつのおとしごは、

頷いて。

からすの頭を、

よじ登り。

首の後ろに、

つかまった。


じゃ。

行くぞ!


おねがいします!


たつのおとしごは、

目をきらきらさせて。

叫んだ。


飛び立つと。

たつのおとしごは、

きゃっきゃと、

はしゃいで、

もそもそ動く。


からすは、

笑いながら。

海を目指して、

飛んだ。


空を行けば、

遠くない。

もうすぐ。

潮のかおりが、

するはず。



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