~あたしの最後~
あたしが幻覚が見えるようになったのは、つい最近の事でした。
あたしは17歳の高校2年生。お化粧をしようと鏡の前に立った時、見知らぬ高校生ぐらいの男の子が鏡のなかに立っていました。
私は気のせいかと思い、あまり気にしようとしませんでしたが、あたしが塾にいる時も高校で授業を受けている時もその男の子はあたしから少し離れた場所であたしを見るように立っていました。
友達にも相談しましたが、そんな男の子を見た事がないと言われました。
そして、令和5年5月11日にあたしは精神科を受診しました。
あたしが幻覚として見える男の子はイケメンですが、あたしにしか見えないというのは凄く気持ち悪かったので、つい精神薬をODしました。
ODをして目が覚めるとあたしは高校へ登校しました。
すると、転校生が転校してくるとの事です。
そして、転校生が教室に入室してくるなり、あたしは驚愕しました。
何故なら、その転校生はあたしが幻覚で見える男の子だったからです。
あたしは半ば信じられない気持ちになりましたが、なにかの運命だとも感じるようになりました。
その上、転校生の名前は悠介といい、あたしにすぐに話しかけてくれ、優しくしてくれたり、次第に一緒に下校するようにもなりました。
イケメンの悠介にはあたしはぞっこんで悠介は夏のある日。
『一緒に近所の祭りに行こう。』
と誘ってきました。
あたしはその誘いにすぐさま乗り、一緒に祭りにいくことにしました。
祭りでは一緒に綿菓子を食べ、金魚拾いもし、とても楽しい夜になりました。
最後に悠介は一緒に記念写真を撮ろうと言い、悠介とあたしは記念写真を一緒に撮りました。
そして、数日後、あたしは驚きました。悠介と一緒に撮った記念写真にはあたししか映ってなくて、しかも、記念写真にはあたしの遺影写真が映っているのです。
その時、聞こえもしなかった幻聴が聞こえてきたのです。
『南無阿弥陀仏』と
最後に記念写真の日付を見てみました。
記念写真の日付にはこう印字されていました。
令和5年5月11日と。