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弱虫運び屋の右腕は殺人オートマタ  作者: 久芳 流
最終章 英雄の右腕

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第64話 夢の世界での邂逅 前編

 真っ暗な空間の中、どのくらいの時間が過ぎただろう。

 周囲の喧騒は聞こえず、ただ何もない空間で僕は佇んでいた。


「……そっか」


 思わず笑みが溢れる。

 僕は死んだのか。


 考えてみたらそうだよな。

 あんな大量の機械獣に囲まれて生きているはずがないか。


「う……うぅ……く……」


 悔しさで自然と涙が溢れてくる。


 ごめんな。ごめん。ライト。

 君の覚悟を無駄にしてしまった。

 君を生き返らせる約束も破ってしまった。


「……ライト……ごめん……」


『なんでしょうか?』


 そんな声が前から聞こえた。

 驚いて前を向くと、そこには人間姿のライトがいた。


「ライト!」


 僕は駆け寄ろうとする。だが動けない。

 身体が石のように固まってしまったように言うことが聞かない。

 諦めて僕はライトの方を見た。


「……どうしてここに?」


 ここは死後の世界のはずだろう。

 生物だったら魂があるけど、ライトはオートマタだろ。


『覚えていませんか?』


「……?」


 なんだろう。

 ライトにも魂があったのかな。

 東の国では物に魂が宿るとも言うし。


 そう考えていると、ライトをふるふると首を振った。


『以前から数回ほどこのような形でお会いしたことがあるんですよ』


「!?」


 なんだって?

 確かに一回死にかけたことはあるけど。

 その時はまだライトと接続していなかったし、その一回だけじゃないってことだよな。

 そんなに死にかけたことあったっけ?


 しかしライトは微笑み首を振る。


『マスターは覚えていないようですね。

 当然です。今までの邂逅時も覚えていませんでしたから』


「……ごめん……」


『いえ。これは普通のことです。マスターが気にすることはありません。

 おそらく今回も起きたら忘れてしまうでしょう』


「起きたら……って」


『ちなみにここは死後の世界ではありません』


「!?」


『初めてお会いした時も勘違いしていましたね』


「ここはいったい……?」


『いわゆる夢です。私とマスターが神経レベルまで接続したことが原因だと推測します』


「ということは僕が寝ている間、いつも……」


『いつもではありません。マスターの脳波と私の電子信号がリンクした時に可能なようです』


 正直、全然覚えていない。

 ライトとこうして会話していたなんて。

 あ。ということは!


「じゃあライトも生きているんだね!?」


 僕の目が輝く。


 こうやってライトと話せている。

 メタルイーターに喰われずに済んで、僕のところに戻ってきてくれたんだな。


 よかった。

 心配していたんだ。

 そうならそうと早く言ってくれよ。


『いえ。申し訳ありませんが』


 なにを謝っているんだ。

 全然、何も悪いことはしていないじゃないか。

 多少傷はあるかもだけど、それはキャリ姉に調整してもらおう。

 帰ったら、また運び屋業を一緒にしようよ。


『私の本体はもうこの世には残っていないでしょう』


 はっきりとライトはそう言った。

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