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弱虫運び屋の右腕は殺人オートマタ  作者: 久芳 流
第5章 運び屋としての役割

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第54話 運び屋として 前編

「俺、行きます! レオくん、支部長を頼めるね?」


「あ、はい!」


 顔面を真っ青にしたピーターさんはそう叫ぶと、すぐさま瓦礫の奥に入っていった。

 ピーターさんの同僚や上司も、おそらく巻き込まれたんだ。

 死者多数というライトの報告もあったしすぐに状況把握と救助をしたいのだろう。


 あっちはピーターさんに任せて、僕はシルヴィアさんだ。


「応急処置します」


「……頼む」



 あの時。

 災害級の機械獣による報復に真っ先に反応したのは、エルガス支部長だった。

 砲撃を感知すると、シルヴィアさんは真っ先に外に出て武器を構えた。

 超高速で飛来する機械獣を真正面から受け止めるつもりだったようだ。


 虎型の機械獣は直進を維持する為、腕を折り畳み身体を細くし弾丸のように回転し向かってきていた。

 それに向かってシルヴィアさんは2つのライフルを駆使して迎撃。


 だが、一向に止まる気配がなかった。


 シルヴィアさんは刀を抜くと、飛翔する機械獣に向かって駆け出した。

 そりゃあ殺戮級をひとりで倒せるほどの実力のシルヴィアさんだ。

 身体能力も、殲滅能力も、遥かに高い。


 でも高速回転をする機械獣。

 それも背中にドリル、肩に回転刃を仕込んだ虎型の機械獣に対して真っ向から相対するのは、いくらなんでも無謀だ。


 案の定。シルヴィアさんの刀は破損。

 シルヴィアさん自身ももう無茶ができないほどの大怪我を負ってしまった。

 それに抵抗虚しく多くの犠牲も……。




「――だが、そうしなければ全滅していた」


 シルヴィアさんは言う。


「あの時の選択肢はたったふたつしかなかった。

 なす術なく全滅するか、抵抗して次に繋げるか」


 包帯を巻いた左肩が傷ましい。

 傷ついたの左肩だけじゃない。

 内側にも見えないダメージを負っているらしい。

 ライトが教えてくれた。

 意識があるのが不思議なくらい。もうこれ以上の戦闘はできない、とのことだ。


 エルガス支部長がこれじゃあ。

 それに討伐隊員も傷付き、ほとんど機能していない。

 次に繋げるにしても、体制を整えてからだろう。

 

「反撃するなら今しかない」


 と考えていたらシルヴィアさんはかなり冷静な口調で信じられないことを言った。


「え?」


「作戦は続行中、ということだ」


「な……!? いや、でも。シルヴィアさんも、討伐隊ももう」


「わかっているよ。だが討伐するしかあるまい」


「――ッ!」


 さっきの砲撃を喰らって混乱しているのか。

 自分の状況をわかっていない。


「私は至って冷静だよ。論理的に導き出した結論だ」


 嘘だ。じゃなきゃこんな無謀なことを言うなんて、シルヴィアさんらしくない。


「いいか。レオ。

 今回、災害級の機械獣を倒せなかった場合、奴らはあと数日足らずでエルガスに侵攻するだろう。

 たった数日で、今回のような大規模な作戦を再度行える程の体制を整えるのは無理だ。

 分析や議論も必要になるしな。

 それに鴎型の機械獣により状況が変わった。3日に1度の砲撃が、今度は頻繁に来るようになるだろう」


 前回のように動きを止めるのも困難だろう、とシルヴィアさんは補足する。


「だから今回、失敗すれば我々の敗北は決まり。エルガスも地図から消えることになる」


「そんな……」


 そんな大事になっていたなんて……聞いてない。


「一般人にそう簡単に教えられるものではないよ。

 無駄に不安を煽ることになるからな」


「…………」


「だが、こんな状況では君を無関係な第三者にしておくわけにもいかなくなった」


「……どういうことでしょうか?」


 シルヴィアさんはキリッとした真剣な眼で僕を見た。


「君の運び屋としての能力を借りたい」

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