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弱虫運び屋の右腕は殺人オートマタ  作者: 久芳 流
第5章 運び屋としての役割

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第53話 意図する二次被害

 燃え盛る黒炎が遠くからよく見える。

 発射台は崩壊し折れ曲がり、シルヴィアさん達がいるであろう建物も崩れていた。


「……シルヴィアさん……!」


 すぐにそこに行きたい気持ちに駆られる。

 でもシルヴィアさんにはさっき適材適所だと怒られたばかり。

 あの場に向かってまた役割以上のことをしちゃうのはダメだ。


「レオくん!」


 そんな僕の顔を見て何を思ったのかピーターさんが話しかけた。


「行こう!」


「え? でも……僕があの場に行くのは適してないんじゃ」


「何言ってるんだ! 最適だよ!

 俺らは支部長に何を頼まれた?」


「!」


 そうだ。シルヴィアさんは僕らに負傷者の救出を頼んだんだ。

 そしてMEランサーの発射台の下には……。


「だろ?」


「わかりました。すぐ行きましょう! ライト!」


『了解』


 ライトは呼ばれるとすぐに僕に纏わりつく。移動モードだ。

 僕とピーターさんは最低限の医療品を持ち、すぐに発射台に向かった。


★★★


 煙が立ち込める中を僕とピーターさんは口を覆いながら走る。

 今にも崩れそうな発射台に注意しつつもシルヴィアさん達のいる建物を目指した。


「……シルヴィアさん!」


 瓦礫が積まれた所に向かって大きく叫ぶ。

 何かが動く気配はない。

 パチパチと燃える音が聞こえるくらいだ。


『周囲のスキャンが完了しました。生存者はこの先にいます』


「! 瓦礫をどかそう」


 ライトの報告を聞き、ピーターさんは瓦礫を動かし始める。

 僕もそれに続こうとしたが――。


『脅威レベルが更新されました』


「!?」


 後ろに気配と唸り声。

 振り向かずともわかって、咄嗟にピーターさんを押して僕も横に転がった。


 瞬間。瓦礫が爆発したかのように壊れる。

 脅威レベル・殺害級。以前にも見た虎型の機械獣によるクローのせいだ。


「レオくん……ありがとう。大丈夫か」


「……大丈夫です!」


 すぐに起き上がり、機械獣を見る。

 災害級の機械獣の砲撃は二次被害にまで及ぶ。

 機械獣を砲撃することによる襲撃と機械獣自体の襲撃。

 本当にやらしい戦術だ。


『ガァァアア!!』


 虎型の機械獣は僕らに向かって吠え地面を蹴った。

 何か対処しないとやられてしまう。


 僕は右手を大きく開きライトに主導権を渡――、


「――――ッ!」


 ――そうとしたところで、機械獣の頭が爆発した。

 重い一発を横から入れられたのだ。

 こんな威力があり重厚な銃声を上げる武器を持っているのはひとりしかいない。


「シルヴィアさん……!?」


 シルヴィアさんは銃を構えつつ瓦礫にもたれていた。


 殺戮級でさえ余裕で倒せた攻撃力をモロに喰らっては殺害級の機械獣は当然、瞬殺。

 首が落ち静かに倒れた。


「……無事か?」


 顔が青白い。脂汗をかいているシルヴィアさんは僕らに近づいてきた。


「シルヴィアさんこそ! 大丈夫ですか?」


「私は心配いらない。大丈――グッ……」


 僕らの前に立ったところで力が抜けたのかガクッと跪くシルヴィアさん。

 左肩が痛むのか、ギュッと押さえている。

 見ると、左腕を伝って緋色の液体が垂れていた。


「シルヴィアさん、血が……」


「……あぁ。あの砲撃で少しな」


「少しどころじゃありませんよ! 今医療パックを出します!」


「よせ!」


「――!」


 そう言ってバックパックを下そうとしたところでシルヴィアさんに足を掴まれた。


「私はいい。それよりも……」


とシルヴィアさんはチラッと瓦礫の奥に目をやる。

 その目線で何を言いたいのかすぐにわかった。


 おそらくあの中には怪我人、もしくは――。


 そんな時、ライトが機械的に報告する。


『生存者数10名。内重傷者数9名。死者数は15名です』

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