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弱虫運び屋の右腕は殺人オートマタ  作者: 久芳 流
第5章 運び屋としての役割

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第52話 脅威レベル・災害級の機械獣における被害対応行動の検証報告書

 ここからは以後に書かれた『脅威レベル・災害級の機械獣における被害対応行動の検証報告書』の一部を僕なりにまとめたものだ。

 MEランサーが飛翔した後の様子はケーテン砂漠の砂嵐によって肉眼で観測できないからね。


 MEランサーが災害級に向かうまで、向かった後の様子は弾の側面に付けられたカメラによってシルヴィアさん達は見ていたらしい。

 その詳細がこの報告書に記載されていた。


★★★


 MEランサーは発射後、およそ1.5秒ほどでケーテン砂漠へ侵入した。

 砂漠内部に発生した砂嵐による電磁抵抗により速度をやや落とすが、自動で軌道補正しアーチ状の軌道を保ったまま災害級の機械獣を目指す。

 その間、外壁から放電。だが内部にあるME弾には影響が確認できなかった。


 3.4秒後。MEランサーは最高点に達し下降。


 5秒後。機械獣の群れを確認。

 MEランサーを迎え撃つように威嚇・砲撃を繰り返すが、高度に位置していたMEランサーには当たることはほとんどなかった。

 当たったとしても――これは偶然の産物であったが――外壁が放電したことで障壁となり致命的なダメージは避けられた。


 7.3秒後。災害級の機械獣発見。

 砲撃による余波(熱)で静止状態であることを再確認。


 8.9秒後。災害級の機械獣へ最接近。

 オペレーターの遠隔操作によりメタルイーター起動。

 それと同時にMEランサーの先端が開帳。

 緩衝液が排出され起動した五千のメタルイーターが飛び出し、災害級の機械獣を喰らおうと外皮に張り付いた。


 メタルイーターは増殖と捕食を繰り返す。

 ものすごい勢いで災害級の機械の外皮を掘り進めた。


『ヴォォォオオオオオオ!!』


 災害級が吠えた。これは僕にも聞こえた。

 外皮を喰われたことによる悲鳴だと誰もが考えた。


 ここまでは討伐隊の優秀の人たちが必死に考えた理想のシナリオだった。


 だが。


 誰しもが熟慮していなかった。


 ケーテン砂漠の砂嵐にはプラズマが混じっていたことを。

 MEランサーの外壁が放電していたことを。

 そしてその砂嵐は災害級の機械獣が発生させたものだったということを。


 雷鳴が轟く。


 災害級の機械獣の外皮を伝って高圧の電流が走ったのだ。

 メタルイーターは小さい上に大量増殖をする性能ゆえに衝撃に弱い。

 本来の用途であるならば――人間の武器破壊がメインであり増殖を繰り返すために全てのナノマシンを一斉に破壊するというシナリオは起きにくかった。


 だが、相手は災害級の機械獣。


 外皮に張り付いたメタルイーターは災害級が発生させた放電によりコンマ数秒でほぼ同時に破壊された。


 それだけじゃなかった。


 作戦は失敗。

 だがあと一発残っている。

 そう考えてMEランサーのチームは次の弾を装填しようと準備を始めたところで――。


★★★


「!!」


 野営地から見えたのは一筋の閃光。


「え? なんで……!?」


 おそらく想定に入れていなかった事態。

 いや、災害級の機械獣が想定よりも早く動き出した時点で予想するべきだったのだ。


 鴎型の機械獣による冷却。


 それにより災害級の機械獣のクールダウン時間は極端に短縮された。

 それが意味することはもうわかるだろう。


 機械獣弾の連続砲撃。


 奴らは野営地付近に目掛けて砲撃した後、すぐに冷却を開始していたのだ。

 来る反撃に備えて。


 MEランサーの発射と同時に災害級の機械獣は既に照準を合わせていたのだ。

 そして、発射位置を解析。


 その結果は――。


「シルヴィアさん!!」


 災害級の機械獣によるMEランサーの発射台に目掛けての報復は見事に成功したのだった。

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