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弱虫運び屋の右腕は殺人オートマタ  作者: 久芳 流
第5章 運び屋としての役割

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第41話 殺人オートマタの演算結果 前編

『待機状態から戦闘モードに移行完了。

 作戦開始します』


 そう言ったかどうかのタイミングで、ライトは加速する。


「お、おい、レオ君!

 待ってくれ! 置いていかないでくれ〜!」


 大丈夫です。置いていきません。

 スピードが上がり、顔に空気抵抗を受け開いた口が塞がらなくなる。

 砂が目に入り涙が出る。

 だけどライトは気にせず僕を運ぶ。

 僕も気にしている場合じゃない。


 この作戦は時間が大切。

 モタモタしていたら、ピーターさんが喰われてしまう。


 それに今、僕はナノマテリアルの()に包まれている。

 ライトの優先順位もあるし、そう簡単には死にはしない。


 まっすぐ前へ。

 僕の足に纏わりついたナノマテリアル製ブーツは地面を蹴るたびに空気の膜が破れる。

 一歩が徐々に長くなり、蹴った後の地面が抉れていく。

 標的の背中はもう目の前。

 彼らの走るスピードよりももう僕らの方が速い。


「追い、つい……た……!」


 やがて10体のオートマタを追い越すと、すぐに方向を変えるために足によるドリフト。

 砂煙が大きく舞い散った。


 オートマタと目が合った。

 相変わらず無駄な戦闘はするつもりないらしい。

 回避行動を始めようとしている。


 だけど、そんなことさせない。

 僕は右腕をオートマタに向ける。


「ライト、いけ!」


『承知しました』


 ライトは右腕を鋭利なスピアに変形させると、そのまま射出。

 伸びていく腕の側面にも刃が咲き誇る。


『ピーッ! キケン。キケン。

 目的地以外ノ戦闘指示ナシ。従ッテ緊急回避。緊急回避』


 一番先頭を走るオートマタがそう警告すると、ライトの腕から伸びる刃物をハードル走の如くジャンプ。

 後続も続いて、ローリングしたり横移動したり、アクロバットな動きを決めながら次々に回避していく。

 だがそれでいい。

 僕が狙っているのはそのうちの一体なのだから。


『反応速度が遅く強度の低い個体を発見』


 ライトがそう報告する。


 オートマタにもやっぱり個体差はある。

 強い個体、速い個体、強度が高い個体。

 微妙な差はあれど、個性をそれぞれ持っている。

 その中で一番弱い個体を僕らはターゲットにする。

 何故なら、そいつが最も早く殺せる個体だからだ。


『目標を固定。対象を攻撃します』


 伸びていた右腕が元に戻り、僕の足が勝手に地面を蹴る。

 一気に目標のオートマタのそばに寄る。

 ライトの右腕はその間に斧や包丁を合わせたような鋭利な刃に変形していた。


 他のと変わらない顔をしたオートマタ。

 だが、その両肩に対機械獣六連装ミサイルランチャーを装備し、背中には対物ライフルを備えていた。

 ――だから遅いのかも。


『脅威ヲ確認。回避不可能。排除スル』


 ターゲットはそう発すると手に持っていた荷物を上へ投げ、戦闘モードに移行する。

 枝分かれしたような歪な刃が何本も腕から現れ、僕らを囲むように伸びる。

 ライトを研究しただけはある。

 だが、ライトよりも雑だ。

 その刃達は僕の命を奪うことなく、ただ僕の荷物のみをズタズタにするだけ。

 囲んでいるけど、真ん中は全然、攻撃が当たることはない。

 

 それに――。


「荷物を投げちゃダメだ!」


 素早く右腕を振る。

 複数の破砕音が鳴り響き、僕らを囲んでいた無数の刃が粉々になる。


『脅威更新。緊急時ニツキ、対物ライフルヲ使用シマ――』


「使わせないで!」


『了解』


 ライトは更に地面を蹴ると、一気に近づき、


『対象を排除します』


 身体を回転させ流れるように通り過ぎる。

 と同時に右腕の刃を使いオートマタの首を斬った。

 避ける暇なくオートマタの頭と胴体が別れ、頭は上空に、コントロールを失った身体はそのまま前のめりに倒れた。


 身体がガシャガシャとまだ動いているが、ライトが先端を尖らせた右腕を心臓目掛けて突き刺すと、全機能が停止した。


『対象の排除を確認』


 あっさりと、淡々に、ライトはオートマタを打倒した。

 結局、フェデック製のオートマタはライトの劣化コピー。

 そんなのに負ける殺人オートマタではなかったのだ。


『第一フェーズクリア』


 ライトは冷静に報告した。

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