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規格外の者との出会い

2作品目です。女性の気持ちは分かってないのでこれでいいのか迷っています。

 ガタガタとした足場の悪い場所を馬車が通る。

 女性用の馬車の出入り口で外を眺めていた。針葉樹や落葉樹が疎らに並んでいる。その木々の隙間から魔族狩りや野獣討伐の人達がチラチラと見える。最後の馬車なので後ろには今まで自分たちが乗っていた馬車の車輪の跡が残っているだけだった。

 服はボロボロ、首には値札の入った首輪、馬車の中には現実から逃げようとして寝ようとする人や現実を受け入れて涙を流す人が数人いる。


 私たちは今から売り出される。


 目的地のリア王国が見えてきた。

 街であるレンガや石造りの家や道、天幕でかぶさっていたり建物の中に入っている店からはガヤガヤとぎやかな声が聞こえてくる。

 そんなにぎやかな声から聞きたくなかった言葉が聞こえてくる。

「お、来たぜ来たぜ奴隷を連れてきた馬車がさぁ。」

「今回はどんだけけ賈えるかな〜?」

 主に男性の声で奴隷による話で盛り上がっていっている。

 私も含めて馬車の中にいる全員がそれを聞いて絶望していた。

 今まで寝ていた人の顔にも絶望の表情が見えてきた。ここまで来たらもう何かにすがるような考えは捨てるしかなかった。そして奴隷なった原因を恨む。

 そうした事を考えてると馬車がストップした。そして前から人が降りてきて馬車の中に入る、首輪と首輪同しを鎖でつなげ始めた。

 鎖をつなげた人は、「おい、降りるぞと」怒鳴りつける。

 言われたとおり私達は降りていく、鎖の長さにはだいぶ余裕があったからコケることもなく、檻の中に入る。檻というよりも巣穴に近いイメージだった。

 大きな砂山を作ってそこに貫通しない程度の穴をいくつかに開けて、そこに無理やり鉄格子をつけた感じだった。巣穴の中に入ると私達を連れてきた人が大声で、

「さあ、奴隷市場のスタートです!」

そう言い放った瞬間若い男の人を中心に檻によってくる、

「おい、今回たけえじゃねえか。もっと安くしやがれ」

「すみませんが命を使う商売なので値引きなどはできません。」

「チッ」

 そんな言葉などが飛び交いながらいながらも檻の周りにいる人はゆっくりと品定めをしている。舐め回されるような視線で見られて吐きそうになる。

「なあ、俺の値段って安のか?」

 獣人族の女の子がそんな疑問を聞いてきた。姿は檻の中にいてわかりにくいがオレンジ色の髪をしていて猫耳としっぽが付いている、年齢はぱっと見た感じ14から15くらいだった。首輪に掘っている文字を手で触って確認すればいいのにと思いながらも言っておく、

「ちょっと頭を上に上げて」

「おう」

 首についている首輪を確認してみると20万と掘られていた。15歳くらいでこの金額はどちらかと言えば安いほうだ、自分よりも安くて少し嬉しかった自分がいる。

「少し高いほうだよ」

「そっかなら良かった」

 彼女は嘘を見破れないのか素直に私の言葉飲み込んだ。安ければ買われやすくそれも女性というのであれば男性の慰めにも使われやすくもなるそうだ。

「お前の金額はどれくらいなんだ?」

「あんたよりか少し高い。」

「そっか、よかったな。」

 少し悲しそうな声で返ってきた。

「とりあえずソッとしておいて」

「わかった」

 バカ正直に素直人の言葉を真に受けてこれ奴隷になった理由なのかと思った。だが自分の自我が保てているのは多分今だけだと思ったから、だからそっとしておいてほしかった。

 私達と一緒にいるもうひとりの奴隷は静かで嬉しかった。だけどそれだけ絶望しているのかなとも捉えることができそうだ。

 そんな考えをしていると私の檻の近くに小太りの気持ちの悪い金髪の富豪な男が寄ってきて私を指差して言った。

「ねえ、ママ僕この奴隷ほしい」

 顔にニキビができていないし肌が荒れているというわけでわない少し太り気味のの男なだけなのだが、顔が単純に気持ち悪く生理的に受け付けていなかった。

 奴隷商人はその富豪に近寄って、

「まいどありがとうございます、早速書類にサインをお願いします。」

 駆け寄ってきた、嫌だなと思いながらも奴隷に人権はないため反発はできない。自分はこんなやつの奴隷になるのかと覚悟したが奴隷商人の後ろから来た男が放った言葉からその場を驚かせた、

「ここにいる奴隷全部買っていい?」

 奴隷市場にいた人間が一瞬にして言葉を失った。私も正直驚いている。奴隷全部買うということは最低でも何千万という金額が必要になるそう安安と言えるセリフではない。なぜならそんな金があるとは思えないほどの若かったのである。

 身長や顔立ちからは成人しており髪はこの世界ではあまり見かけない黒髪であった。社会にでて一、二年であるだからそんなお金がもっているのかがわからなかった。それにそんなお金が入っているような袋もないし使用人がついてきているわけでもない。だとしたらどうやって金を出すのだろう。さっき野次を飛ばしていた人が一番早く思考能力を取り戻して、

「おい、どこにそんな金があるんだよ。」

「お客様、冷やかしならお帰りください。」

 野次を飛ばした人の言葉で思考を取り戻した奴隷商人が言う「そうだそうだ」「金だせ」とどんどんと野次が飛ぶ。買おうとしている男はたくさんのやじが飛んでいる中でも平然としていた。

 いきなりトサッ、チャリリンという音がした。ここだとよく聞く音それはお金が床に落ちた音である。それを聞いて周りは騒然とした、どこからなっているのかと探してみるとまた一つまた一つと音がなっている方向を見ていると買おうとしている男の下からなっていた、しかも全て金貨で。それは買おうとしている男の手からどんどんと金貨が出てきていた。私達はそれがあり得なさすぎてを唖然と見ていた。

「金を出したら売ってくれるんだろうなら今すぐ数えてくれ、足りないんだったらまだ出すしお釣りが出るんだったらいらないよ。」

 金貨の山ができており、奴隷商人が真っ先に「は、はい」と言いながら、金貨の山に駆け寄って数え始めた。買おうとしている人も買われようとしている奴隷も彼の異様さに唖然とするしかなかった。数分間唖然としていたら奴隷商人が数え終わったようで恐る恐る聞く、

「か、数え終わりました。それで、その、本当に余ったのはもらっていいですか」

「いいよ」

 即答であった。奴隷商人は天国にいるような笑顔をして、

「ありがとうございます」

 そう言って奴隷商人は腕いっぱいに金貨を抱えて馬車の中に入れようする。ただ抱えるには多すぎるため1つ落ちるたびにおいて拾ってをを繰り返している。それをみた人々「あいつ何者だ?」「手から金貨が出てきたように見えたが」「そんなことができるの勇者以外にいるのか」とざわつき始めた。奴隷商人が金貨を馬車に入れると、

「みなさん、今夏の奴隷市場はこれで終了とします。繰り返します。これにて奴隷市場は終了します。」

 買おうとしていた人たちは「おい、ふざけんな。」「これを楽しみにここに来たんだぞ。」「そうだそうだ。」口々に言い始めた。

「私も商人なので儲かる話にのりますので。」

 そういったらみんなが黙る。ここにいるほとんどが商人であることが大体わかった。自分たちも儲かるならそっちも選ぶからと納得している最中のようだ。そうして周りの人たちはその場から離れていく。

「おい僕が先に取った奴隷は俺がもらえるんだよな。」

 私を買おうとしていた金持ちが叫んだ。

 商人は少し若い男と金持ちを見て金持ちに言った

「申し訳ございませんが、私も金が欲しいので今回は彼に譲っていただけないでしょうか。」

「あ、そんなの関係ねえよ僕の方が位が高いんだから僕に譲りやがれ。それとも何かお前は私に譲らずそこのグズに譲ろうってのか。」

「とりあえず僕に譲れそうしないと貴様の悪い噂を流すぞ。」

「それは困りますお客様。」

「そう言う奴は嫌われるんじゃない。」

 横から割り込むようにして私を買う人が言う。

「なんだと僕の話を聞いていなかったのか。貴様は僕より身分が下だ、だったら大人しく僕の言うことを聞け。さもなくば貴様を地獄へ叩き落とすぞ。」

「あんたが譲らないなら僕は殺してでもあんたから取るけど。」

「こんな奴隷に落ちたのか。奴隷と結婚する奴はろくな奴がいねえんださっさとぼくに譲りやがれ」

「いや単に仕事に使うだけだ。」

「それならこんな女なんか使わずに、もっとガタイのいい男とか選べや。」

「単に男と女両方欲しいだけだ。」

「ぐぬぬ。じゃあお前はこんな奴隷を買うことに命をかけられるのか。」

「できるよ。」

「じゃあこいつを倒してみろ。」

 金髪の男後ろから大きな男が一人、ボディーガードとして雇っているのだろう。それをみてたくさん買った人は怖がらず見上げていた。大きなおとこが圧をかけながら

「お前のそのやわそうな体が潰れる前にこいつに奴隷を譲りな。」

 それでも買おうとしている人は怖けず、

「君は金で雇われているのかな?なら僕の方にくれば君が求める分はあげるけど、こっちにつく気はない?」

「ふん、俺はそんなんで動いてねえ。ただこいつに借りがあるからそれを返すためにしているだけだ。」

「ふーん。確かにこれは一生かけないと返せそうな借りだな。だったら俺がその借りを今全部返済してあげる。」

大男と金髪の男は俺たちの事情を知っているのかと驚きの顔を見せてた。

買おうとした男は両方の人差し指を頭に置いて目を瞑った。数秒後口を開いた、

「はい、これで完済。もうその人と一緒にいなくていいよ。」

金髪と大男はえっという表情で男を見た。

「まあ信頼はないよね。じゃあ君たちは僕の事を必ず信じる。」


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