表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

屋根裏に住まうモノ

作者: 川端柳

 私の家の屋根裏には、女の子が住んでいる。


 初めてその子に会ったのは、私が小学一年生になったばかりの頃。その日はたまたま一人でお留守番をしていた。

 二階にある自分の部屋でゲームをしている時に突然、ガタンッ、と何かが倒れるような音がした。慌てて音がした方に行ったけど、何も倒れてはいない。聞き間違いかな、と思って部屋に戻ろうとした時に、もう一度小さな音がした。今度は、カタッ、と何か小さな物を転がしたような音。

 二回も聞こえたのだから流石に聞き間違いではない筈。

 そう思って、声を潜め耳を澄ます。

 そうして耳に届いた小さな音は、頭上からだった。

 音の正体を確かめようと、天井を見上げる。廊下はどこまでも板が貼ってあるだけで、中を確かめられるようなところは無い。

 何とか音に近づこうと、廊下の突き当りにある物置を開ける。物置の奥に脚立があった。しかも物置の天井には、天井裏に上がる為の小さな押し上げて開くところまである。

 私は音の正体をこの目で見る為、同じく物置にあった懐中電灯を手に脚立を登った。脚立の一番上に上ると、天井にギリギリ手が届く。押し上げてみると、意外と埃が舞うようなことは無かった。

 懐中電灯を灯し、天井裏に先に置く。次に何とか届く手を淵に掛けて天井裏によじ登った。

 上がってみると、天井裏は意外と広く感じた。そして、懐中電灯の照らす先には音の正体がいた。

 私と同じ年恰好の、髪の長い女の子だった。

「ここでなにしてるの?」

 私が尋ねると、おろおろと困ったように逃げ場を探し始める。でもここは天井裏。逃げ場なんてない。

 少し悩んだ様子見せてから女の子は、住んでる、と小さな声で答えた。


 このことを話しても、お父さんもお母さんも信じてくれなかった。そんな子はいない、そんな子は見たことない、と言うばかり。

 でも、良いんだ。あの日から十年。私たちは天井裏でひっそりと会う秘密のお友達だ。


 *


 天井裏点検口からいつものように上がると、その狭い空間にはいつも通り「それ」がいる。

 娘の里沙に「それ」の話をされた時は正直焦ったが、しかしそこはあえて、俺達には見えないフリをして誤魔化した。

「おい、飯だ」

 そう言って、皿に盛られた夕飯の残り物を置く。すると「それ」は飢えた犬猫のように、脇目も振らず皿にがっついた。

「里沙に余計なことは喋るなよ、亜沙。お前は最初からこの家にいない存在なんだからな」

 そう声を掛けてから、俺は天井裏を閉じた。

お読みいただきありがとうございます。



前回の小説家になろうラジオ大賞に応募した作品もそうですが、自分の書いているジャンルが、正直分かりません。

少なくとも「ヒューマンドラマ」ではない気がします。

分かる方がいらっしゃいましたらお教えください。自分は一体、何を書いているのでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ