屋根裏に住まうモノ
私の家の屋根裏には、女の子が住んでいる。
初めてその子に会ったのは、私が小学一年生になったばかりの頃。その日はたまたま一人でお留守番をしていた。
二階にある自分の部屋でゲームをしている時に突然、ガタンッ、と何かが倒れるような音がした。慌てて音がした方に行ったけど、何も倒れてはいない。聞き間違いかな、と思って部屋に戻ろうとした時に、もう一度小さな音がした。今度は、カタッ、と何か小さな物を転がしたような音。
二回も聞こえたのだから流石に聞き間違いではない筈。
そう思って、声を潜め耳を澄ます。
そうして耳に届いた小さな音は、頭上からだった。
音の正体を確かめようと、天井を見上げる。廊下はどこまでも板が貼ってあるだけで、中を確かめられるようなところは無い。
何とか音に近づこうと、廊下の突き当りにある物置を開ける。物置の奥に脚立があった。しかも物置の天井には、天井裏に上がる為の小さな押し上げて開くところまである。
私は音の正体をこの目で見る為、同じく物置にあった懐中電灯を手に脚立を登った。脚立の一番上に上ると、天井にギリギリ手が届く。押し上げてみると、意外と埃が舞うようなことは無かった。
懐中電灯を灯し、天井裏に先に置く。次に何とか届く手を淵に掛けて天井裏によじ登った。
上がってみると、天井裏は意外と広く感じた。そして、懐中電灯の照らす先には音の正体がいた。
私と同じ年恰好の、髪の長い女の子だった。
「ここでなにしてるの?」
私が尋ねると、おろおろと困ったように逃げ場を探し始める。でもここは天井裏。逃げ場なんてない。
少し悩んだ様子見せてから女の子は、住んでる、と小さな声で答えた。
このことを話しても、お父さんもお母さんも信じてくれなかった。そんな子はいない、そんな子は見たことない、と言うばかり。
でも、良いんだ。あの日から十年。私たちは天井裏でひっそりと会う秘密のお友達だ。
*
天井裏点検口からいつものように上がると、その狭い空間にはいつも通り「それ」がいる。
娘の里沙に「それ」の話をされた時は正直焦ったが、しかしそこはあえて、俺達には見えないフリをして誤魔化した。
「おい、飯だ」
そう言って、皿に盛られた夕飯の残り物を置く。すると「それ」は飢えた犬猫のように、脇目も振らず皿にがっついた。
「里沙に余計なことは喋るなよ、亜沙。お前は最初からこの家にいない存在なんだからな」
そう声を掛けてから、俺は天井裏を閉じた。
お読みいただきありがとうございます。
前回の小説家になろうラジオ大賞に応募した作品もそうですが、自分の書いているジャンルが、正直分かりません。
少なくとも「ヒューマンドラマ」ではない気がします。
分かる方がいらっしゃいましたらお教えください。自分は一体、何を書いているのでしょうか。