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03


 それからしばらくして、いつの間にか眠っていたアルフレッドはとてつもない空腹に襲われて目を覚ました。


 未だ節々の痛みは治らないが、生き物としての本能が栄養を求めて腹を鳴らせる。アルフレッドはベッドからゆっくり降りると、テーブルにあるパンくずを両手いっぱいに掬った。


 それを勢いよく口の中に放り込むが口中の水分がパンくずに吸われ、上手く飲み込めず、グラスに注がれているぬるい水で流し込む。


 パンくずを口に放り込む、水を飲む、パンくずを口の放り込む、水を飲む。アルフレッドは無我夢中にひたすら繰り返した。


 パンくずを平らげると、腐ったような少し黒ずんでいる唐辛子のような野菜にかぶりつく。


 パンくずを食べたことで熟睡していた胃腸が叩き起こされ、普段なら食べることを躊躇するようなものまで見境なく食べるようになっていた。


 アルフレッドは用意されていた食事全てを食べ終わると、手で口元を拭い、レイ=ブラッドとして生きていく決意を固めた。


 身体中の痛みは、すでになくなっていた。


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