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ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第七話 決戦!植葉組!後半戦
78/82

5 代打の切り札

 一塁ベンチからタイムの声がかかった。

タイムをかけたのはもちろん遠川監督。

そして遠川監督は球審にこう告げた。

 「代打!」

 え?代打?

キャプテンに代わるピンチヒッター?

今張高ベンチに居る選手は、一塁コーチの岩佐先輩に三塁コーチの赤島先輩。

そして控えキャッチャーの近藤先輩だけや。

この三人には悪いけど、バッティングセンスはキャプテンの方がはるかに上。

そのキャプテンに代えて、ベンチの三人の誰かを出すというんか?

一体誰を出すつもりなんや?

 その場に居た誰もがそう思ったであろう状況の中、

遠川監督はハッキリとした口調でこう言った。

 

 「私だ!」


 「へ?」

 その言葉に、思わず目を丸くする俺。

 私って、遠川監督自身か?

じゃあキャプテンの代打って、遠川監督?

え?え?

 「ええええっ⁉」

 驚きの声を上げる俺に構わず、

遠川監督は右手に持ったバットを持って頭にヘルメットをかぶり、

グラウンドに足を踏み入れた。

そしてネクストバッターサークルに居たキャプテンにひと声かけて、

バッターボックスにゆっくりと歩み寄って行く。

 ま、まさか遠川監督自身が代打で登場するとは。

まるで藤村富美男やな。

ちょっと例えが古いか。

いや、それよりこれってルール的にアリなんか?

まあ高校生同士の試合やないから、問題はないんか?

 そんな中右の打席にたどり着いた遠川監督は、バットの先を植葉に向けてこう言った。

 「さあ来い(のり)(ふみ)。これで決着をつけよう」

 それに対して植葉も、右手に持ったボールを遠川監督に差し向けてこう返す。

 「まさにおあつらえ向きの舞台やな。

ここでお前を打ち取って、必ずお前を俺の嫁にする!」

 「その狙いを、私はこのバットで打ち砕く!自分の夢の為にもな!」

 そう言ってバットを構える遠川監督。

それを見た植葉もセットポジションに入る。

 そんな二人の一世一代の真剣勝負を前に、グラウンド全体が静まり返った。

 そんな中植葉は、全身全霊を込めた第一球を遠川監督に投げた!

真ん中高めのストレート!

遠川監督はグッとバットを握りしめた!

そして!


  カッキィーン!


 フルスイングでその球を打ち返した!



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