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ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第五話 決戦!植葉組!前半戦
66/82

5 前半は変化球主体で

 そしてついにプレイボールの時刻となり、球審のおっちゃんが、

 「プレイボール!」

 と声を張り上げた。

 そんな中最初のバッターが右の打席に立った。

身体は細めで背はそんなに大きくない。

長距離ヒッターっちゅう感じではないけど、さて、どんなバッティングをしてくるか。

 この試合では、碇は変化球ピッチャーという印象を与えたいので、

初球は外角のカーブから入ろう。

俺は碇にカーブのサインを出し、

それに頷いた碇はこの試合の第一球を投げた!

外角よりのカーブやけど、少し高めか?

と思った瞬間、カキィン!とバッターがそのカーブを振りぬき、

打球はあっという間に一、二塁間を抜けてライトまで転がって行った。

 鋭いスイングやったな。

しかも思い切りもええ。

こりゃあホンマに今までの相手のようにはいかんかもな。

 さて、初球からいきなりノーアウトのランナーを出してしもうた。

ここで向こうはどういう作戦でくるやろう?

こちらを完全な格下やと思っているなら、バントをせずに打たせてくるやろうけども。

 そんな中次に打席に立ったのは、

さっきよりもひとまわりくらい身体の大きい選手やった。

打席は右。

そしてその二番バッターはちゅうちょなくバントの構えをとった。

 ここは手堅く送りバントか?

こっちとしてはそれでワンナウトもらえた方が落ち着くけどな。

バントをしたいならしてもらおう。

 俺はストレートのサインを出し、碇はそれに頷いて第二球を投げ込んだ。

 バッターをそれをコツンとバントした。

うまく球の勢いを殺した打球が碇の前に転がった。

そして碇がそのボールを掴んだ時には一塁ランナーは二塁ベースに到達し、

碇は一塁にボールを投げてバッターランナーをアウトにした。

 これでワンナウトランナ―二塁。

たった二球で得点圏にランナーが行った訳や。

 ここからはクリンナップが登場やけど、

このチームのクリンナップはどんなもんやろうか。

 まず最初に登場した三番バッターは、細身で背の高い選手やった。

しかし半袖のシャツから見える腕にはガッチリ筋肉がついていて、

なかなかパワーがありそうに見える。

そのバッターが右打席に立った。

 この流れからすると、

あっさりストライクを取りにいったらあっさり打たれそうな気がする。

まずは外に一球外して様子を見よう。

 碇は俺のサイン通り外角にボール一個分外して投げ込み、

それはボールと判定された。

 次は内角のボールゾーンにシュートや。

これで相手の待ち球と選球眼を探る。

 碇は俺の要求通りに内角のシュートを投げ込んだ。

その時バッターはわずかにバットが反応したが、そのまま見送って判定はボール。

打ちにきたけどコースを見極めてボールを選んだか。

選球眼はまあまあよさそうやな。

これでカウントはツーボールナッシング。

次は何とかストライクが欲しい所や。

かと言って甘い球は禁物やから、外角低めのストレート。

 俺は碇にサインを出し、碇は頷いて第三球を、投げた!

外角の際どいストレート!

バッターはそれをカキィン!と打ち返した!

 速いゴロが一、二塁間へ!

千田先輩が飛びつくが届かない!

打球はそのままライト前に転がり、手古山先輩がそのボールを拾い上げる!

二塁ランナーは三塁ベースを大きく回ったが、

打球が早かった為にそこでストップ!

 ワンナウト一塁三塁。張高野球部いきなりのピンチ。

 初回やから碇も全力で投げてないとはいえ、今のは決して甘いコースの球やなかった。

それをうまく流し打ちするとは。

最初のバッターもそうやったけど、このチームのバッターはかなりレベルが高いぞ。

 そんな中、次の打者である四番ピッチャーの植葉が、左のバッターボックスに入った。



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