15 信じているんだかいないんだか
するとそう言われた下積先生は、
「う・・・・・・く・・・・・・」
泣いていた。
そして泣きながらこう言った。
「みんな、よくここまで頑張った。
こんなに成長した皆の姿が見られて、僕は本当に嬉しい」
それに対して先輩達が、口々に下積先生をはやし立てる。
「何泣いてるんスか先生!」
「泣くのはまだ早いですよ!」
「僕はお腹が空きました」
最後の山下先輩の発言はさておき、
そんな先輩達の言葉の後に、俺はこう続けた。
「それに明日の試合で勝たないと、
遠川さんに正式な監督になってもらえないですからね」
するとそれを聞いた下積先生は、
「そ、そうだね!」
と言って泣きやみ、一転して語気を荒くしてこう続けた。
「皆!明日の試合は何としても勝つぞ!
そして遠川さんに正式な監督になってもらうんだ!
僕は君達を信じているからな!」
下積先生も気合が入っとんなぁ。
俺達もその期待に応えられるよう頑張らんとな。
「ホントに信じてるからね⁉頼むよマジで!
絶対に負けないでくれよ⁉負けたら一生恨むよ⁉」
どんだけ念を押すねん⁉
ホンマに俺らを信じてんのかこの人⁉
まあそれはともかく、泣いても笑っても試合は明日。
気合入れていくでぇっ!




