表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第四話 真剣勝負!
53/82

7 沙夜さんは、キレるとヤベェらしい

 俺達が案内されたのは、昨日の大広間とは違う、洋風の客間やった。

 広い部屋の中央に膝丈ぐらいの高さの長方形のテーブルがあり、

それを挟んで三人掛けの高級ソファーが置かれている。

極道の屋敷なのでもっと高級そうな壺やら調度品やらが置かれているのかと思いきや、

壁に高そうな絵画が飾ってある程度の、至ってシンプルな部屋やった。

 「私の母があまり派手派手しいのを好まなくてね、

この屋敷の中は、どこもこんな感じだよ」

 部屋の中をキョロキョロ見回す俺に、

沙夜さんはそう言いながらテーブルにお茶を置いた。

 「さ、二人ともソファーにかけてお茶をどうぞ」

 「あ、どうもすみません」

 「いただきます」

 俺と下積先生はそう言ってソファーに腰掛け、

沙夜さんが出してくれたお茶をすすった。

緊張してるせいでお茶の味なんか全然わかれへんけど。

 するとその時部屋の扉がガチャリと開き、

そこから沙夜さんの母親である夢代さんが現れた。

 「こ、こんにちは!」

 「お邪魔してます!」

 慌てて立ちあがって挨拶をする俺と下積先生。

すると夢代さんはニッコリ笑ってこう言った。

 「こんにちは。今日は沙夜を上手くサポートしてあげてね」

 「は、はいっ!」

 同時に返事をする俺と下積先生。

というても、一体どんな風にサポートをすればええんやろう?

と思っていると、夢代さんは笑みを浮かべたままこう続けた。

 「沙夜はキレ(・・)る(・)と手がつけられなくなるから、そうならないようにうまくなだめてね?」

 「はぁ、なだめる、ですか」

 「お母さん!余計な事は言わなくていいから、もうあっちに行って!」

 夢代さんの言葉に下積先生が目を丸くすると、

沙夜さんは恥ずかしそうに声を荒げ、夢代さんを部屋から追い出そうとした。

 「ウフフ、それじゃあ私は別の部屋で待っているからね。

うまくいく事を願っているわ」

 夢代さんはそう言うと、ウインクをして部屋から出て行った。

最初会った時は怖そうな印象やったけど、実は優しくて娘思いの人なんやな。

おまけに美人やし。俺のお母ちゃんもあんな人やったらよかったのに。

とひそかに思っていると、沙夜さんはため息をつきながら言った。

 「マッタク、いつも一言多いんだ、あの人は」

 するとその時部屋の入り口から組員の男が顔を出して言った。

 「お嬢!植葉組のぼっちゃんがいらっしゃいました!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ