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ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第三話 その、ある事情とは
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9 全員ヘトヘト

 「よーし!今日はここまで!」

 遠川さんのその一言で、この日の練習は終了した。

日はすっかり暮れて、グラウンドには照明の明りが照らされている。

そんなグラウンドに、俺達野球部員はゼーゼー言いながら倒れこんでいた。

 今日はホンマにキツかった。

 地獄のランニングに始まり、いつもの倍の量の筋トレ、

その後ひたすらノック。

中学時代でもこんなに厳しい練習はなかったというくらいシゴかれた。

流石の碇や小暮も、座り込んだまま息を切らしている。

しかしその一方、それらの練習に一通り付き合ってくれた遠川さんは、

多少肩を上下させているもの、平然とした様子で立っている。

やっぱり伊達に名門大学の野球部に()らんかったって事か。

と、地面に倒れながら考えていると、

遠川さんは余裕の笑みを浮かべて岩佐先輩に言った。

 「これで少しは私の事を認めてくれたかな?」

 それに対して岩佐先輩は、大の字で仰向けに倒れたまま、虫の息でこう返す。

 「す、すみましぇんでした・・・・・・」

 それを聞いた遠川さんはにんまり微笑み、

今度は野球部員全員に向かってこう言った。

 「皆お疲れ様。今日は相当疲れたと思うが、本気で甲子園を目指すなら、

これくらいの練習でヘバッているようじゃ話にならないぞ。

今日の練習を参考に、これからも頑張ってくれ」

 その言葉に対して俺達は、

 「へ~い・・・・・・」

 と返すのが精一杯やった。

こうして遠川さんの臨時コーチによる地獄の猛特訓は、

大成功(?)で幕を閉じたのやった。



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