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ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第三話 その、ある事情とは
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2 マネージャが大事

するとそんな鹿島さんに、キャプテンはめんどくさそうに言った。

 「はいはい、それについては感謝してるがな。

でも野球部以外にも取材せなあかん部は一杯あるやろうが?」

 「何よ、冷たいなぁヤマちゃん(キャプテンの事)」

 「そんなに野球部が好きなら、マネージャーにでもなってくれや」

 「ええっ⁉あ、あたしが野球部のマネージャーに⁉」

 キャプテンの言葉に驚きの声を上げる鹿島さん。

が、その顔はまんざらでもなさそうやった。

しかし(にぶ)さ全開のキャプテンは、右手をヒラヒラ振りながらこう続けた。

 「冗談や冗談。新聞部と掛け持ちでマネージャーなんてできる訳ないし」

 「そ、そうやね、そりゃそうやわ」

 キャプテンの言葉を聞いた鹿島さんは、そう言って複雑そうな笑みを浮かべた。

まあでも、これから本格的に野球部の活動をしていこうと思うたら、

監督と同じくらいマネージャーも大事になるよなぁ。

と、思ったその時やった。

 「ああっ!」

 と、叫び声を上げたのは俺やった。

 「うわびっくりした!」

 「ど、どうしたん正野君?」

 あまりに突然の出来事に驚きの声を上げるキャプテンと鹿島さん。

しかし俺は

 「俺、急用を思い出したんで失礼します!」

 と言って部室から飛び出した。

キャプテン達は何が何やら訳わからんかったやろうけど、

俺はたった今物凄く大事な事を思い出したんや。

 その物凄く大事な事は、


マネージャーや!


 俺は甲子園に出場してその(あかつき)に伊予美に告白しようと計画してるんやけど、

それと同時に伊予美を野球部のマネージャーとして甲子園に連れていくという野望もある!

しかし!

その為にはまず伊予美に野球部のマネージャーになってもらわんとあかん!

だが!

俺はその一番大事な部分をすっかり忘れていた!

だって入部してからこっち、

色んな事がありすぎてそれどころやなかったんやもん!

そやけど早いところマネージャーになってもらわんと、

伊予美は他の部活に入ってしまうかもしれん!

そうなる前に伊予美に野球部のマネージャーをお願いするんや!

そう決心した俺は、一目散に伊予美の居る一年一組の教室に向かった!



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