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3 男しか居ない三角関係、再び
その人物とは、同じ野球部の松山碇やった。
ちなみにあいつは正真正銘のホモで、
しかも俺に惚れているという非常に困った奴やった。
そしてその碇は俺の近くまで駆け寄ってくるなり、ガバッと俺に抱きついてきた!
「ここに居たんだね昌也君。ずっと探してたんだよ♡」
「のわぁあああっ⁉何を抱きついとんねんお前は⁉今すぐ離れんかい!」
「大好きだよ昌也くん♡」
必死に抵抗する俺に構わず、碇はそう言って俺に頬ずりしてきた。
ギャーッ!
するとそれを見た小暮も、ガバッと俺に抱きつきながら言った。
「正野!俺もお前が好きだっ!男になったこの俺を受け止めてくれ!」
「何で男になったお前を受け止めなあかんねん⁉せめて身体は女に戻せ!」
俺は必死にそう訴えるが、碇と小暮は俺に抱きついたまま頬ずりを続ける。
男三人で抱き合うこのウザさはどうや!
甲子園出場を決めた瞬間ならまだしも、
何でもない時に男同士で抱き合うのはウザすぎる!
しかもこんなところをあの(・・)子に見られたりしたら・・・・・
と、思ったその時やった。