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ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第二話 それぞれの恋の行方
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7 できるだけ沢山お金を入れさせようとするシステム

 どうしようもないなあの人は。

あんな調子じゃあいくら俺が頑張ってもどうにもなれへんやないか。

 そう思いながら、俺は百五十キロマシンの打席の前に立った。

そこを使っている人は居なかったので、通路と打席を仕切る金網の扉を開けて中に入る。

そして入ってすぐの所にお金を投入する機械があり、そこに書かれた料金を確認した。

 「とりあえず、三十球くらい打とうかな」

 俺はそうつぶやき、三十球分のお金を入れた。

するとその機械からさっきの受付のおっちゃんの声で

『もっと沢山お金入れてくれや』という音声が流れた。

 「そんなモン俺の勝手やないか!」

 思わずその機械にそう言い返し、俺は打席に立ってバットを構えた。

最近の野球部の練習では、

先輩達のノックや碇の投球練習の相手がメインやったので、

バッティング練習はあまりできてなかった。

だから今日はちょうどええ機会や。

それにバッティングセンターの百五十キロの球も一度打ってみたかったしな。

よっしゃ、来い!

 俺は精神を集中させ、マシンから放たれるボールを待った。

そしてマシンから最初のボールが放たれ、

俺はそのボールを見据えて思いっきりバットを振った!

 キィン!

 バットはボールの真下をこすり、打球は真後ろのネットに直撃した。

 ふむ、流石百五十キロというだけあって速いけど、

やっぱり人間が投げる球の方が断然伸び(・・)があるな。

それにいつも碇の球を受けてるから、このボールなら十分ついていける。

 そう思った俺は、さっきよりもリラックスした構えで次のボールを待った。

そして再び飛んできたボールを思いっきりバットで引っぱたいた!

 カキィン!

 バットの真芯で捉えた打球が、一直線に向こう側のネットに直撃した。

 よっしゃ、なかなかええ感じや。

 ある程度感覚を掴んだ俺は、その後も飛んでくるボールを黙々と打ち続けた。

 時々打ち損じもするけど、のきなみバットの芯で(とら)え、

いい感じの打球が打てた。

ただ、向こう側のネットの上の方にかかっている

ホームランのボードにはなかなか打球を当てられず、

そうこうしているうちに三十球のボールを打ち終わってしまった。

 どうしよう?

もうちょっと打とうかな?

でもいつまでも下積先生をほっとく訳にもいかんし。

と迷っていた、その時やった。



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