2 生まれ変わった小暮
「で、俺に用って何や?」
それに対して小暮は、何やらモジモジしながら俺に言った。
「ど、どうかな?」
「へ?どうかなって何が?」
「この、制服・・・・・・」
「お前が来てる学ランの事か?
ああ、まあよう似合うてるけど、何で今日はそんな格好なんや?」
俺がそう問いかけると、小暮は一層モジモジしながら言った。
「じ、実は俺、男になったんだ」
「は?」
その突飛な言葉に目を丸くする俺。
いや、こいつが男っぽいのは前からやけど、
男になったっちゅうのはどういう事や?
俺は続けて尋ねた。
「どういう事や?それはお前の生き方の話か?」
それに対して小暮は、首を横に振ってキッパリと言った。
「違う。身体そのものが男になったんだ」
「ええ?身体そのものが?って、えぇっ⁉それってどういう事やねん⁉」
「どうもこうも、そのままの意味だよ」
「何でやねん⁉そもそもどうやって女から男の身体に変われるんや⁉」
「神様にお願いしたんだ」
「えらく嘘くさいなぁ!」
「じゃあ、作者にお願いした」
「それは逆にリアル過ぎてあかんけど!」
「とにかく、俺は男になったんだ」
「何でや?お前はこの前、もっと女の子らしい女になりたいって言うてたやないか」
「正野、お前の事が好きだ」
「このタイミングで告白⁉しかもお前が俺の事を好きって、どええっ⁉」
「だから俺は、男になる事を決めたんだ」
「何でやねん⁉それならなおさら女の子らしくなる為の努力をするべきやろ!」
「でもお前は、男の方が好きなんだろう?」
「何でやねん⁉」
「ホモ、なんだろう?」
「ちゃうわい!」
「だから俺はこうして、男の身体に変えてもらったんだ」
「だから俺はホモとちゃうって言うてるやろ!」
俺がそう言って声を荒げたその時やった。
校舎の方から一人の人物が駆け寄ってきた。
「おーい!昌也くーん!」