表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハリガネベイスボウラーズスリイ!  作者: 椎家 友妻
第一話 張高野球部、本格始動!
12/82

8 再びキャッチボールで状況報告

 その日の放課後。

俺達張高野球部はいつもの市営グラウンドへ行き、練習を開始した。

そしてストレッチとランニングを終え、キャッチボールの時間になったところで、

俺はキャプテンとキャッチボールをしながら今日の昼休みの報告をした。

 ビュッ(ボールを投げる音)。

 「今日の昼休み、顧問の下積先生の事を色々聞いてきましたよ」

 パシッ、ビュッ(ボールをグローブで受けて、また投げ返す音)。

 「おう、どうやった?」

 パシッ、ビュッ。

 「何か体調を崩して、ここ一週間休んでいるらしいです」

 パシッ、ビュッ。

 「そうかぁ、あの先生は結構身体が弱いからなぁ」

 パシッ、ビュッ。

 「下積先生って、あんまり部活に熱心じゃないらしいですね。

だから野球部にも全然顔を見せないんでしょ?」

 パシッ、ビュッ。

 「いや、それは違うんや。あの人はな、責任感がムチャクチャ強いねん」

 パシッ、ビュッ。

 「え、そうなんですか?じゃあどうして全く部活に顔を出さないんです?」

 俺の問いかけに、キャプテンはボールを投げ返すのをやめてこう続けた。

 「下積先生はな、張高野球部を何とかして強くしようと色々頑張ってくれとってん。

でもあの人は野球に関してズブの素人で、やる気は物凄くあるんやけど、

指導の方はからっきしでけへんねん。

おまけにウチの部はついこの前まで連敗続きやったやろ?

その事に責任を感じて、下積先生は野球部に顔を出さんようになってしもうたんや」

 「そ、そうやったんですか」

 「多分学校を休んでんのも、その事が少なからず原因なんとちゃうか?

部活の事で悩みすぎて、ノイローゼにでもなったんやろ」

 「えぇ?部活の事だけでそこまでなりますかね?」

 「下積先生はそういう人なんや。ええ先生なんやけど、真面目すぎる性格なんやな」

 「そう、なんですか。でもそんだけやる気のある先生なら、

何とかまた戻って来て欲しいですね」

 「そうやなぁ、じゃあちょっくら下積先生の所にお見舞いに行くか」

 「いいですね、部活の皆で行きましょう」

 「いや、正野君行ってきて」

 「またそうやって俺に押しつける!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ