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18話:路地裏に潜む獣【後編】

1章だけで10万文字いきそうな予感してきた)汗

現在とある路地裏にて、壮大な追いかけっこが行われています。

いやあ、追いかけっこがこんなにも楽しいなんて思いもしなかったよ。


???「待て待て!なんでそんなに俺様の事を殴りに掛かる?!あと、何故真顔なんだ!?」

サクリア「何故かって?見て分からない?

今はね、君の事を殴りたい気分なんだよ。」

???「どういう気分だよ!?

ああもうしゃらくせえ!これでも喰らいやがれ!!」


爪を立てて遅い掛かって来たが、今の僕には遅すぎる攻撃だったので余裕で当たる直前に躱した。

躱した直後、こいつの首元を鷲掴みにし、

地面に叩きつけた。

???「ぐ、がは!?」


抑えられたこいつは息苦しそうにもがいている。


???「くそ!離せ!」

サクリア「お前が謝るなら離してやらんこともない。」

???「〜っなんだよ、さっきの事で怒ってるってのかよ。たかがあれぐらいで、っが!?」

サクリア「だからさっきも言ったように初対面の人に言う言葉か?

言っとくけど、僕は女に対してあんまり感情抱かない方だからな。あんな行為全く意味ないよ?」


こういう奴らばっかりなのか何なのか知らんが、

ま、1回殴っとくか。


サクリア「よし、1回だけ顔面に殴るから覚悟しとけよ?」

???「ちょ、やめ、〜!分かった、謝るから顔を殴るのは止めろ!」

サクリア「謝るって何を。」

???「さっき俺様がやった事だ、

もうしないから許してくれ!」


相手が謝るのを確認したのを見て、

殴るのを止めた。


???「〜ったく、なんて馬鹿力だよ。

こんなにも力の差がありやがるなんてな。」

サクリア「見た目で判断しないで欲しいよ、

ところで復讐って誰にだ?

肝心な部分を聞いてなかった。」

???「んなもん、俺様の生まれた所だよ!」

サクリア「生まれた所って、何処?」

???「魔獣国だよ、それしか分からねえ。」

サクリア「え、じゃあなんで龍人に似た姿をしてるんだ?」

???「龍人族と魔獣族のハーフってやつらしい。聞いた話だとな。」


・・・これは話がでかいな。

恐らくは両親が龍人族と魔獣族でこいつが誕生したのかな。となると、差別か。


サクリア「つかぬ事を聞くけど、両親は?」

???「・・・死んだよ、龍人族の女と結婚した罪で殺された。」


やっぱりか、こいつが生きてるとなると魔獣国から逃げてここまで来たって事だよな。


???「だから俺様は、アイツらに復讐してやるんだ!どんな手を使ってでも、必ず報いを受けさせてやる!」


う〜ん、ちょっと悩むがこのまま行けば確実にコイツが死ぬ可能性[大]だな。


サクリア「作戦はあるのか?」

???「そんなもん、力でねじ伏せればいいんだよ!」

サクリア「いや無理だろ。

相手がどれくらいの規模でいるか分からないのに、猪突猛進で行く方おかしい。」

???「ちょとつもうしん?」

サクリア「あと勉強。ある程度知識付けないと、絶対復讐とやらは無理だ。」

???「うぐ...」


項垂れるコイツは何も言い返せなかった。

事実だから仕方ない。

放って置くのは後味が悪いし、どうするか。

はあ、めんどいがやるか。


サクリア「お前、名前は?」

???「・・・ルミエール・ファング」

サクリア「ルミエール、勝手だが今日から僕の家族にならないか。」

ルミエール「え?」


顔がキョトンとしているルミエール。


サクリア「だからお前がちゃんと力・知恵を付けるまで一緒に過ごそうってこと。

無理ならいいんだよ、強制じゃないから。」


そう言うと、縋るように僕の肩に両手で掴んで来た。


ルミエール「良いのか?!俺様みたいな奴でも!?」

サクリア「まあ、僕の提案だからな無理にとは言ってないが。」

ルミエール「いや、俺様からも頼む!

強くなる為なら何だってする!」


ん?今何でもするっていったよね。(何でもとは言ってない)


サクリア「じゃあ改めてルミエール、これから宜しくな。」

ルミエール「こっちこそ願ったりだ、頼むぜ!」


拳を合わせるように挨拶をした。

こうして僕の所に家族が1人増えた。


サクリア「あ!」

ルミエール「うお!?どうした。」

サクリア「お前の事、皆に何て説明しよう。」

ルミエール「おい!」


うん、そこまで考えてなかった。

先の事を考えて発言しようと思ってるのに、

出来てねえな。

あと、時間も経ってるし2人にも待たせてるからな。どう説明したもんかなー。


サクリア「てか、その格好かえって目立つな。

流石に人前にでるなると。」

ルミエール「どうすればいいんだ。」

サクリア「ちょっと待ってろ、確かこの袋にあったはず...お、丁度良いのあった。」


袋から取り出したのは長いマントだ。

これカッコイイと思ってつい買ったものなんだよな。


サクリア「ほら、これ来てれば魔獣族だってバレることはないから着てろ。

顔だけなら大丈夫だろ。」

ルミエール「あ、その、サンキュー...。」


モジモジしながらマントを羽織っていくルミエール。


サクリア「待たせる人がいるから急いで行くぞ。」

ルミエール「わ、分かった。」


僕達は待たせる2人の元へと走っていった。







一方その頃・・・


メアリ「サクリア君、遅いなあ。」

セレイン「全く何をしているのかしら、

レディを待たせるなんて!

友達でなかったら直ぐに帰っているところよ!」

メアリ「やっぱりセレインちゃんってサクリア君の事友達って思ってるの?」

セレイン「あ、学園に通っているよしみとして言ってるだけよ。別に誰があいつなんかと・・・

それより貴方サクリアの事ずっと君付けで呼んでるみたいですが、友達なら呼び捨てでも良いのじゃありませんか。」

メアリ「え!?だ、駄目だよ!そんな私なんかサクリア君の事呼び捨てになんか出来ないよ。」

セレイン「もしかして...サクリアの事、

好きなんでしょ?」


そう発言すると、慌てふためくように体がビクッと反応するメアリ。


メアリ「え!?べ、べ、別に好きとかそういう訳じゃないもん///。」

セレイン「あら、好きじゃないならどうして顔が赤くなんてるのかしら?」

メアリ「こ、これはその〜。」

セレイン「なーんて思っただけよ。」

メアリ「え!?ちょっと!セレインちゃんの意地悪〜!」

セレイン「うふふ、ちょっとからかっただけよ。

本気にしないの。」

メアリ「む〜!」


2人がなんやかんやでやり取りしていると、

本人達が戻って来た。

達?


メアリ「あ!サクリア君遅いよー。」

セレイン「ホントよ!レディをこんなにも待たせるなんてどういうつもり!」

サクリア「ごめん、ちょっと色々あって。」

セレイン「色々ってなによ!

言い訳は...って誰その子?」


ルミエールが後ろに隠れている。

そんな恥ずかしがり屋だったか?


サクリア「さっき知り合ったんだ、

ほら隠れてないで出て来たら?」

ルミエール「いや、俺様はこのままでいい。」

サクリア「良くないだろ、このままだと話進まないから自己紹介くらいしろ。」

ルミエール「〜っ分かった。」


そう言うと僕の隣に並んだ。


ルミエール「ルミエール・ファングだ。

宜しく頼む。」

メアリ「宜しく、ルミエール君。」

サクリア「あ、メアリ一応コイツ女だぞ。」

メアリ「え!?女の子!?」

セレイン「マントで隠れているから気が付きませんでしたわ。」

ルミエール「よく間違われてるから大丈夫だ。」


よく間違われてるんだ、それはしらなかったな。


サクリア「実はこの子記憶が無くて、出所も分からないらしいから暫くこっちで預かって一緒に暮らすことにする。」


2人に話すと隣に居たルミエールが目を見開く。


メアリ「記憶がないって、記憶喪失?」

サクリア「まあ、そういうことになるな。

知能も偏ってるから、こっちでの暮らしの事とか色々教えていくつもり。

多分早ければ同じ学園に通うことになるかも。」

セレイン「その事貴方のお父様にどう説明しますの。」

サクリア「歩きながら考える。」

セレイン「まだ考えてなかったの?!」


仕方ないじゃん、そこまで頭良くないし自分。


サクリア「あと、ちょっとここでは話せないけど着いてきて。」

メアリ・セレイン「?」


僕は人通りが少ない路地裏へと歩いていった。

歩いてる最中ルミエールが話しかけて来た。


ルミエール「おい、何で俺様が記憶が無いとか嘘をついた?」

サクリア「その方が何かと都合が良いからな。

あと、めんどいのは御免だ。」


暫くして路地裏に着いた後、

2人にルミエールの本当の姿を見せる事にした。


サクリア「ルミエール、マント取ってもいいぞ。」

ルミエール「な、それは無理だろ!」

サクリア「無理もなにも学園に通う前に、

先にこの子達に知った方が良いからな。」

ルミエール「〜っ分かったよ。」


ルミエールが承諾すると体を覆っていたマントを取った。


メアリ・セレイン「!!??」


まあ分かってはいたが、見事に2人共驚いてるな。これが普通の反応か。


メアリ「サクリア君!?この子って・・・!」

サクリア「ああ、ハーフらしいよ。

龍人族と魔獣族の間に出来た子みたい。」

セレイン「みたいって、どうしてこの街にいるのよ!?直ぐに防龍士に言うべきよ!」

サクリア「そこは僕がなんとかして父さんに説明して、防龍士の人達にも説得するつもり。」

セレイン「だからって、こんな危険な魔獣族の子が〜って何で服着てないの!?」

サクリア「それは知らん。」

メアリ「サクリア君、女の子の身体を見たの!?」

サクリア「?見たからって何かまずいか?」

メアリ・セレイン「「あるわよ!」」

ルミエール「あー、俺様は気にしてない。

あの時悪い事したのは俺様だからな。」

メアリ「あの時って、サクリア君が遅れたのってこの子の事?」

サクリア「うん。」


2人には事の顛末を話した。


セレイン「大体分かったわ。

だ・け・ど!レディの身体見るのはどうかと思うわ!」

サクリア「そうか、ごめんよ。」

セレイン「ごめんって、貴方どれだけ鈍感なのよ。」

サクリア「鈍感っていうか、無頓着。」

セレイン「はあ、良いわ。

そういうなら私は責任持たないわよ。

貴方がちゃんと最後まで面倒みなさい。」

サクリア「分かってるよ。

話したかったのはそれだけだから、

じゃあまたね。」


別れの挨拶をすると、メアリが話し掛けてきた。


メアリ「もし困った事があったらいつでも言って。ルミエールちゃんも。」

ルミエール「ルミエールちゃん?!」

メアリ「うん、もし1人で悩んでることがあったら相談しに来てね。」

ルミエール「わ、分かった。」


焦るように返事をする。

返事を確認したらメアリとセレインは帰って行った。


サクリア「良かったな、友達3人出来て。」

ルミエール「う、うるせーな!

別に嬉しくねえよ!」

サクリア「じゃあ、何で泣いてるんだ?」


不意にルミエールの瞳から涙が溢れ、

誤魔化すように涙を手で振り払った。


ルミエール「これは・・・目にゴミが入っただけだ。」

サクリア「・・・」


初めての事なんだろうな、自分のいた所では拒絶や迫害、ましてや両親まで殺されたんだからな。

友と呼べる奴なんていなかったんだろう。

ここまで来るのに、たった1人で此処に辿り着いたんだからな。

憎しみや恨みを持つのは当然か...。


サクリア「もういいかルミエール、行こう。」

ルミエール「・・・ああ。」


僕達は家に向かって歩き出した。

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