7話:入学試験当日
1日遅れてしまいました、申し訳ないです。
ー2年後ー
はやいなー、もう2年経ったのか。魔法はともかく格闘技だ。だって父さん、笑いながらやってんだもん。絶対楽しんでるでしょ、分かってるんだよ。こっちは頑張りながらやってるから慣れるまでが非常に疲れる。しかし、前と比べて様になってきたんじゃないか?まあ、どっちにしろ1年経てば外に行けるんだ。生活魔法もほぼ覚えた。今では料理の腕も成長して、父さんからは「上手い!何なのだこれは!?私のより美味とは。」と驚いていた。自分でも驚いてるけど、あんたのは魔法だから、自分の手で作ってないだろ。料理とは真心込めて作るもんだから。それと身長も140㌢位には伸びたし、龍人になってこの体にも大分慣れてきた。よくよく見たら、自分の顔少し美形かな?綺麗・可愛い・格好いいがいまいち分からないんだよね。その前に入学試験があるんだよなー、めんどくせえ。難しい問題は出ないで下さい、お願いします。よし!祈ったことだし、おっけーだな。もう寝るとするか。
ー5ヶ月後ー
入学試験の日になった。朝早く起きて、朝食を終えた。服を着る際に翼と尻尾を通す事は、当たり前のように着れた。身だしなみ整えて、鏡を見ながら体を1回転する。うん、決まった。ふと気配を感じて振り向くと、ドア隙間から覗く父さんの顔が見えた。おい、何見てんだ。
バラム「サクリア、今のもう一回父さんに見せてくれぬか?」
サクリア「お断りします。」ニッコリ
バラム「頼む!」
土下座しながら頼まれた。龍神様が土下座したら駄目だろ、もしこれ皆に見られるような事があったら大問題だな。
サクリア「分かったよ、はい。」
バラム「うむ、ありがとう!やはり私の息子は可愛いな。」
サクリア「そこは格好いいじゃないの?」
バラム「どっちもだ。」
父さんも相当な親バカに見えてきた。でも、嫌いじゃない、逆にそういうところが少しばかり好きだ。
バラム「さて、準備は良いか?」
サクリア「勿論だよ、父さん。早く行こう!」
僕は早く街に行きたくてうずうずしていた。
バラム「それでは行くぞ、私に掴まれ。」
サクリア「一緒に飛んで行くんじゃないの?」
バラム「こうした方が早く着く。さあ、乗りなさい。」
僕はしぶしぶ承諾し、父さんの背中に乗った。
バラム「では出発するぞ。」
それと同時に凄い勢いで空中へ上昇した。ちょ、速い!?
サクリア「父さん?!安全な飛行出来ないの!?」
バラム「さあ行くぞサクリア!私達親子の新しい生活が待っているぞ!!」
そうだった、この人(龍)皆に僕の事を見せて自慢するんだった。もう何言っても無理だな、本人嬉しそうだし僕も学校、いや龍人だけの学校なんてワクワクだから楽しみなんだよね。先ずは試験に受からないと!
ー10分後ー
バラム「見えてきたぞ、あれがガルピアだ。」
父さんの声が聞こえ背中から覗いてみると、建物がいっぱいあり、いろんなお店もある。すごい、見てるだけで楽しくなってくる。
バラム「サクリア、学校に降りるぞ。」
サクリア「うん。」
学校の正門前に着地し、父さんの背中から地面に降りた。うわー、学校というよりもはや学園じゃん。この学校何階あるの?学校の外も広いし、立派な時計台だってある。そんな事を思っていると、知らない人がやって来た。
教師「これは龍神様!どのような用事で此処に?」
バラム「今日は入学試験日で来た。」
教師「龍神様が?ご冗談を。」
バラム「いや、私ではない。試験を受けるのは私の息子だ。」
教師「え!?龍神様のご子息!?」
学校の先生らしき人が聞いて驚いていた。そりゃ驚くわな。知ってないのも無理ないもん。だって、約2年前にこの星に来て龍神様の子供になりました(笑)。
サクリア「おはようございます先生、サクリアと言います。」
教師「おはようサクリア様。まさか生きているうちに龍神様のご子息に会えるとは...感激の至りです!!」
先生が感動している際に父さんの顔が笑みを浮かべていたのは僕は見逃していない。どんだけ嬉しいの。でも、様付けされんのちょっとやだな。
サクリア「先生、僕に様はいりません。遠慮せず、呼び捨てで構わないので。」
教師「そんな!龍神様のご子息に無礼な事は出来ません!」
やっぱりこうなるか、僕は父さんに、呼び捨てでも気にしないから普通に接して欲しいとお願いした。
バラム「教師よ、すまんが私からも頼む。普通に呼んではくれまいか?」
教師「龍神様が仰るのなら...分かりました。宜しくお願いします。サクリア君。」
サクリア「はい、まだ慣れない事もあると思いますが、こちらこそ宜しくお願い致します。」
深々とお辞儀をした。これで先生からは様付けは無くなる。
教師「サクリアはとても礼儀正しい子ですね。では、今から試験会場に向かいますので付いてきて下さい。」
サクリア「はい。」
バラム「サクリア、頑張ってくるのだぞ。」
サクリア「はーい。」
父さん、まさかあそこに居て待ってないよね?そう思いつつも僕は、先生に付いて行き試験会場に着いた。ここも結構広いな。そこには、僕と同じく入学試験を受けに来た子供達がいた。見られるとやっぱり緊張するな。
教師「ではサクリア君、何処でも空いてる席に座りなさい。」
サクリア「分かりました。」
僕は後ろから2番目の席に座る。その時、隣にいたピンクの龍人、たぶん女の子?から声を掛けられた。
???「おはよう、貴方も試験受けに来たの?」
サクリア「うん、そうだけど。」
メアリ「私メアリ・レクトールよ、貴方は?」
サクリア「僕サクリア・レイン、よろしく。」
自己紹介した途端、メアリが驚いた表情で聞いてきた。
メアリ「え!レインって、あの龍神バラム・レイン様と同じ家名よね?」
サクリア「うん、僕の父さんなんだ。」
メアリ「龍神様の子供なの!?おっどろいたー、って事は龍神様が外にいるの?」
サクリア「いると思うよ?」
メアリ「何で疑問形なのよ...」
サクリア「何処で待ってるとかは聞いてなかったからね。」
メアリ「そうなの...じゃあ試験終わったら一緒に行きましょう!」
サクリア「まあ、それ位なら良いと思うよ。」
そう言うと喜ぶメアリ、すると先生の声が聞こえてきた。
教師「5分後に試験が始まる前に、各自準備してください。3つの科目が出題され、1つに付き科目30分、合計1時間30分になります。始まりましたら、テーブルに置いてあるプリントを裏返し始めて下さい。」
お、そろそろだな。簡単な問題が出ますように!出ますように!!
メアリ「サクリア君、何してるの?」
サクリア「簡単な問題出ますようにお願いしてるの。」
メアリ「あはは、何それ。」
笑うメアリを余所に僕は、簡単な問題が出るよう祈りを込めた。
ー5分後ー
教師「これより入学試験を行います。プリントを裏返しにして始めて下さい。」
さあ、遂に来た試験が始まった。やってやるぜ!そう意気込み、プリントを裏返しにした。...え、うん?僕の見間違いかなー、おかしいなー。この問題、地球にいた頃の算数に似てるなー。しかも足し算・引き算・掛け算だった。この世界に割り算ないの?じゃあ、僕の今まで勉強してきたものは何?取り敢えずこの問題を解いて終わろう。
ー10分後ー
全部書いた、何の捻りも無しに終わった。次の問題が来るまで暇だ。
ー20分後ー
次は国語だったが、問題が間違い探しと正しい言葉遣いの意味を述べよ、だった。簡単過ぎて拍子抜けするわ。
ー30分後ー
...。3つ目の科目が歴史なんだけど、最初はこの国に纏わる問題なんだけど、殆どが父さんの事ばかりだった。まあ、龍神様だからなーって!試験に関係ないじゃん、学校で学ぶんじゃないの!?ドユコトなの?ドユコトなの?
ー30分後ー
教師「はい、そこまで!今から問題用紙を回収します。回収し終えるまで席から動かないこと。合格発表は明日発表します。」
先生は前から順番に問題用紙を集めていた。先生よ、1つ言いたい。入学試験に龍神の歴史問題を出すのはどうかと思うぞ。問題用紙を集め終わるとメアリが話し掛けてきた。
メアリ「やっと終わったね。サクリア君。どうだった?」
サクリア「うん、まあ全部書けたよ。」
メアリ「問題全部書いたの!?私元から数学が苦手だから、どうしてもあの数式が分からなくて飛ばしちゃったの。まさか、全問正解だったりする?!」
サクリア「いや、明日になってみないと分かんないし。流石に全部合ってるのはないから。(ハハ)」
メアリ「それもそうね。さあ、早速外に行きましょう!」
メアリが僕の手を繋いできた。女の子と手繋ぐのすごく久し振りな気がする。龍人だと初めてだけど。
サクリア「メアリ!?そんな急がなくてもいいのに父さんは逃げないって!」
メアリ「じゃあ一緒に歩きましょう!」
メアリは僕の横に並びながら歩いている。
ちょっと恥ずかしい気持ちもあるが、ここは平然を装って話した。
サクリア「メアリ、僕と手繋いでも大丈夫?」
メアリ「どうゆうこと?」
サクリア「こういうのは、女の子同士でやることだよ。僕は男だよ。」
メアリ「良いの♪サクリア君、良い人みたいだから手を繋いでもいいかなあって思ったの。だめ?」
そんな上目遣いされても困るよ...まあ、別にいいか。手繋ぐくらい。
サクリア「分かったよ。一緒に行こう。」
メアリ「うん!」
そうして、僕とメアリは試験会場から外に出た。その時、正門の所に人集りが出来ていた。(まさか...!)と思いながらも、正門まで走ったら案の定父さんがいた。そのままいたんかい!よく待っててくれたな。
大人(男)「バラム様!此処へは何の御用で来たのですか?」
大人(女)「バラム様!こちらにサインしてください!!」
バラム「少し待て、一人ずつ順番に頼む。」
どうしよっかな、このまま見て眺めながら待ってるか。少し困ってる父さんも見物だし、終わるまでここにいるっかなー。
メアリ「ねえ、行ってあげないの?」
サクリア「いや、長いこと待っててくれたみたいだし行くかメアリ。」
メアリ「うん!」
このままだとちょっと可哀想なので、真っ直ぐ父さんの方に歩いた。
サクリア「父さん、試験終わったよー。」
この言葉を言った僕は、選択を誤ってしまった。瞬間、周りの人達が一斉にこっちを振り向き、「え、何?父さん?!」。やな予感...。
サクリア「父さん!早く帰ろう!」
バラム「おお、終わったか。そこの娘は?」
サクリア「さっき友達になったの!一緒に乗せてあげて!」
メアリ「サクリア君!?」
バラム「そうか!早くも友達が出来るとは、良い事だ。」
サクリア「それはいいから早く!!」
急かしながらも父さんは、僕とメアリを乗せて飛び立った。下からなんか聞こえるけど気にしなーい、僕は何にも聞こえなーい。
サクリア「こうなることは予想してたけど、まさかそのままいるとは思わなかったよ。」
バラム「気を使わせてすまんな、愛する息子が頑張っていたのだ。居なくてどうする。」
サクリア「目線を気にしてよ目線を、父さんは龍神なんだから目立つから。姿消したりとかしなかったの?」
バラム「姿を消せることは造作もない事だ。」
サクリア「じゃあ、今から僕を含めてメアリも姿を消して皆に見えないようにして。メアリを家に送ってあげないといけないし。」
バラム「分かった。」
父さんが指を鳴らすと、僕達の体が透明になっていくのがわかる。
サクリア「おけ。それじゃあメアリ、君の家に送るから案内してくれる?」
メアリ「うん...。」
サクリア「どうした?」
メアリ「なんかごめんね、こんなことになっちゃって。」
サクリア「ああ、いいよ。殆ど父さんのせいだから。それに、少しだけ楽しかったからな。明日合格発表だから、その時また会おうね。」
メアリ「...!うん。」
こうしてメアリを送り届け、家に帰った僕は夜ご飯を食べていた。その時、父さんに声を掛けられた。
バラム「サクリア、何も私のせいではないだろう。」
サクリア「じゃあ何で姿を変えなかったの?」
バラム「私が父親として、この姿でいたかったからだ。」
サクリア「現にめんどくさいことに巻き込まれたじゃん。」
聞いた父さんは「申し訳ない」と話した。本人も悪気があってやった訳じゃないみたいだしいいか。
サクリア「明日合格発表だから、今日と同じ時間帯で行こう。」
バラム「そうか、なら食べ終わったら寝なさい。片付けは私がやろう。」
サクリア「いいよ、自分でやるよ。」
そう言い僕は、父さんがいない時にやった魔法特訓の成果を今こそ見せる時!
サクリア「『ウォーター!』からの『ウォッシュ!』」
バラム「!?」
2つの生活魔法を使い、皿とコップを一気に洗い汚れを落とす。更に、つい最近覚えた魔法も使う。
サクリア「『ヒートウインド!』」
これにより食器がより早く乾いて脱水代わりになる。いやー、マジ便利だ。らくちんらくちん♪
バラム「サクリア?今のはいったい...。」
サクリア「食器洗って乾かしてるだけだけど。」
バラム「それは見れば分かる。どうやってやったのかをだ。」
サクリア「火魔法ヒートと風魔法ウインドを組み合わせただけ。僕の生み出した複合魔法ってやつだよ。」
その言葉を聞いた途端、父さんは考え込んでいた。なんからやかした?何考えているのかじっと見ていたら父さんが気付いた。
バラム「いや、2つの魔法を合わせることは私でもやったことはない。むしろ思い付きもしなかった。魔法を合わせる等思い付いたな。」
サクリア「なんていうか、たまたま思い付いただけだから。」
父さんにはそう説明し軽く誤魔化した。これは地球にいた頃、アニメで見たのをそのままやってみたら出来たとは言えない。
バラム「サクリアのお陰でまた知識を得たぞ。早速記録せねばな。」
サクリア「じゃあ父さん、先に寝るよ。」
バラム「ああ、お休み。」
サクリア「お休みなさい。」
そう言って僕は、2階の自室に入りベッドの布団にくるまりながら眠った。
もしかしたら週に2回位になるかもしれません。




