第8話 「よし!じゃあ進化するぞ。」
お読みいただきありがとうございます。
ついに進化ができる。これで俺も一応の目標である人間に近づけるかもしれない。
今が、ダンジョンの10階層のボス部屋にいるわけだから、あと90階層あるってことだから、あと何回か進化できるかもしれない。
俺は、オーリィンに俺の現状をおしえてもらわなくてはならない。そのためにも、今回の進化は貴重な機会だ。これでどれだけ強くなれるかが決まってしまうといっても過言ではないだろう.覚悟を決めよう.
よし!じゃあ進化するぞ。
《個体名―――を進化させます。よろしいですか。Y/N》
この無機質な声にもそろそろ慣れてきたかもしれないな.
答えはもちろんイェスだ。
《進化可能先を表示します》
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進化可能先一覧
・アイアンスケルトン(絶滅種)
・スケルトンスピアー(絶滅種)
・リビングアーマー(亜種)
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進化が可能なのは三種類か。初めての進化としては多い,のかな?一応、一つずつ見てみようか。
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アイアンスケルトン(絶滅種)
鉄のスケルトン。スケルトンの中でも硬さに特化したものが進化する。
比較的珍しくない部類に入る。
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スケルトンの進化系としてはよくある方向ってことか。そういえば、絶滅種ってなんなんだろ。
俺が考えていると、絶滅種の説明が出てきた。
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絶滅種
絶滅されたとする種。本当に絶滅したわけではない。現存するスケルトン種の個体は、1体。
スケルトンの場合は、通常種のスケルトンの数倍の骨の数でできている。見た目は異常。
スケルトン種を束ねる存在を最も多く輩出してきた種。
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つまり、今この世界に絶滅種のスケルトンって俺だけってことか。やっぱり俺の姿は絶滅種特有ってことか。こんな骨がたくさんいたら恐ろしいなんてもんじゃないしな.
あとは束ねる存在とかまた物騒な気配がビンビン伝わってくるのが出てきたけど、今はいいや。
次は、スケルトンスピアーだな。
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スケルトンスピアー(絶滅種)
槍を持ったスケルトン。槍の使い方がうまい。
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そのままだな。というより、進化って言っていいのか、これは。
槍持てば完成だよな。
これに進化することはないな。
次は、毛色が違う。絶滅種でもない。気になるな。
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リビングアーマー(亜種)
意思を持った鎧。自らの着用者を捕食する。魔力を帯びることによって生まれる。
人型の魔物と共存する個体も確認されている。
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俺のスキルからの派生だろうな。今の俺が、言わば着る者だから、こいつは着られる者ってことか。
着用者がいないと食べれないってことだよな。
食べる幸せがなくなるのは嫌だな。
それから数分の間悩んでうろうろとしながら考える.
よーし、決-めた。
アイアンスケルトンにしよう。他の二つの進化先は碌なもんじゃない気がする。ただの槍持ちとか,食べれない鎧とか.
《個体名―――をアイアンスケルトン(絶滅種)に進化させます。よろしいですかY/N》
よしイェスだ。
《それでは進化を開始します》
そのメッセージが流れてすぐに俺の体を光が包み、普段はない眠気が襲ってくる。
あれ,この体になってから,三大欲求はなくなったと思ったんだけどな...
ガシャンという音とともにその場で倒れ、そこで俺は意識を手放した。
どれほどの時間が経過したのだろうか.
俺はボス部屋の中で目を覚ました。何もない部屋の中を見まわし、敵性戦力がないことを確認するため立ち上がる。
敵どころか何もいないことがわかってホッとする。
進化するとき気絶すんのかよ。初めに言っといてくれよ。次からは時と場所を選んで実行する必要があるな.そんなんで死んでしまったら,死に切れん.
まあ,とにかくこれで進化は完了したのだろうか。
俺は自分の手を見てみる。そこには,見慣れてきたあり得ない数の骨でできた手があった.
・・・・・・・・・かわってなくね。
パッと見じゃわからない。相変わらず骨が多いし、骨骨してる。骨骨ってなんだ。当たり前だわ.
ようく見ると、なんだかちょっとだけ金属っぽく光ってるような・・・・・・・・・気がする。
些細な変化だな。ほんとに気がするって程度だ.
この程度の変化しかないとは思わなかった。まだただのスケルトンです、つってもばれないだろ。アイアンって言うぐらいだから鉄だけとかだと思ったんだけど.よくてメッキ,悪けりゃ含有って感じだな.
進化も想像より大したことなかったな。ただ、もっと進化の回数を重ねれば材質もよくなるかもしれないし,より強くなれるはず。進化することも目標の一つとしてここからガンガン進もうかな。
おっと、とりあえず,最初はステータス確認かな。
どれどれ
いろいろ確認しましょう
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